ものづくり補助金平成26年度製造業大分県

コーヒーフィルターの製造から出荷までの生産管理システム及び設備導入による売上2倍計画の実現

株式会社 三洋産業

成果製造人員 10人→6人

この事例のポイント

  • ペーパーフィルターの製造に10人が必要で、板出し、包装機への投入などの工程に人手が多くかかっていた。
  • ロータリー成形機1台と、フィルター束を包装するフィンガーレス横ピロー包装機を導入した。
  • 製造人員 10人→6人。新しい製造ラインの導入により、板出しと包装機への投入の工程を省略でき、製造に必要な人員が10人から6人になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 三洋産業
所在地大分県 別府市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野機械制御,情報処理
従業員数110人
資本金1,000万円
設立1973年

事業の背景

株式会社三洋産業は、別府市のサンヨーコーヒーの関係会社として昭和48年に設立され、コーヒーフィルターやドリッパーなどコーヒー関連器具の製造と販売を行っている。主力商品のコーヒーフィルターは、世界で初めて大手メーカーと共同で円すい形コーヒーフィルターを開発したことで知られる。しかし競合他社も同じ形の製品を製造し始めたため、独自性と効率を両立させる必要に迫られていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能ペーパーフィルターの製造に10人が必要で、板出し、包装機への投入などの工程に人手が多くかかっていた。
  • 品質・精度フィルター束を板に並べる作業やスペースの確保などの面で効率が悪かった。
  • 新製品・新技術競合他社も円すい形コーヒーフィルターを製造し始めたため、独自性を強めながら効率的に製品を作ることが喫緊の課題となっていた。

やったこと

ロータリー成形機1台と、フィルター束を包装するフィンガーレス横ピロー包装機を導入した。さらに、ロータリーと包装機をベルトコンベヤーで繋ぎ、板出しと包装機への投入の工程を省略できる新しい製造ラインを構築した。最新の包装機はベルトコンベヤー上のフィルター束の間隔が不揃いでも自動で包装できる。あわせて、販売生産管理システムとハンディターミナルを導入し、在庫管理と製造管理を正確に行えるようにした。

加工機ロータリー成形機
加工機フィンガーレス横ピロー包装機
その他ベルトコンベヤー
その他ハンディターミナル
ソフト販売生産管理システム

新しい製品・サービス:円すい形コーヒーフィルター専用の有田焼フラワードリッパーや、通液性の高いアバカ(マニラ麻)を使ったフィルター

事業の効果

  • 製造人員 10人→6人
  • 8,000枚のパック包装時間 50分→20分

新しい製造ラインの導入により、板出しと包装機への投入の工程を省略でき、製造に必要な人員が10人から6人になった。包装作業の時間も短縮され、4名は他部門へ配置転換できた。生産性は70%向上し、生産コストも45%の圧縮が見込まれている。ハンディターミナルの導入により、無駄のない正確な製造と在庫管理が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    戦後の別府のコーヒー文化や過去の製造経験に触れるが、経営戦略上の位置付けは記載がなく、過去の取組との一貫性は読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    円すい形フィルターで先行したが競合も参入し独自性強化が喫緊の課題とあり、外部環境と強みへの言及はあるが定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    10人必要だった工程を6人にする、包装8,000枚が50分から20分になるなど、課題と改善効果が具体的な数字で示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産性70%向上、生産コスト45%圧縮、4名削減など具体的な目標・効果が示されており、実現の裏付けが読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    社員数110名は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての具体的記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    円すい形フィルターや有田焼ドリッパーなど製品の特徴は書かれるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の円すい形角度変更や販路拡大の方向性は示されるが、遂行スケジュールや課題解決方法の記載は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    世界で初めて大手メーカーと共同で円すい形フィルターを開発したとあり、同分野で高付加価値化を図る取組が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の歴史やコーヒー文化の継承は触れられるが、川上川下への波及や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    補助金投入額との対比は書かれていないが、生産性70%向上や生産コスト45%圧縮など費用対効果を示す数字が多く示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    ハンディターミナルによる正確な在庫管理は導入されるが、デジタル技術の活用がサプライチェーン全体の革新に貢献する記述は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    九州唯一のコーヒー関連製造販売企業として地域に根ざす点はうかがえるが、地域経済や雇用への牽引効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

九州唯一のコーヒー関連商品の製造販売企業として、より独自性のある製品を作っていく方針である。今後は円すい形の角度を変えたフィルターの開発などで品揃えを強化し、問屋向けだった販売を一般消費者にも広げる。さらに国内だけでなく海外にも販路を拡大していきたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。