ものづくり補助金平成28年度製造業茨城県

茶葉加工設備導入・独自加工工程開発による「新たな茶」の開発と生産性向上

この事例のポイント

  • 茶葉本来のうま味を生かした新たな茶の商品開発が必要だった。
  • 新たな茶葉加工ラインとして、茶葉軟化機(グリーンアップ)、CCDカメラ方式選別機、茶葉専用画像処理異物除去装置の3機を導入した。
  • グリーンアップの導入により、味・水色・香りの良い茶の生産性が向上した。

事業者のプロフィール

所在地茨城県 猿島郡境町
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数5人

事業の背景

同社は茨城県で第2位の農地面積を持つ大型緑茶農園で、中心は深蒸し茶の生産と販売である。一番茶は自社販売とスーパーマーケットで販売し、二番茶以降は静岡県の問屋に卸している。近年は日本茶離れが叫ばれ消費量が減少しており、消費を促す「味・色・香り」の良い日本茶商品の開発が急務となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術茶葉本来のうま味を生かした新たな茶の商品開発が必要だった。
  • 生産能力旧来の設備では需要に応えきれない状況だった。
  • 品質・精度品質向上と生産コスト削減、ニーズ対応を同時に実現する必要があった。
  • コスト・採算生産コストの削減が課題だった。

やったこと

新たな茶葉加工ラインとして、茶葉軟化機(グリーンアップ)、CCDカメラ方式選別機、茶葉専用画像処理異物除去装置の3機を導入した。グリーンアップは蒸し茶葉をやわらかくする装置で、粗揉の前に使うことで揉機に多くの茶葉を入れられ、より細く揉めるようになった。CCDカメラ方式選別機では葉緑素に反応して異物を除く画像処理装置により、従来より精度が高く時間も短い選別を実現した。

加工機茶葉軟化機(グリーンアップ)
検査測定CCDカメラ方式選別機
検査測定茶葉専用画像処理異物除去装置

新しい製品・サービス:味・水色・香りの良い新たな味の茶

事業の効果

グリーンアップの導入により、味・水色・香りの良い茶の生産性が向上した。二つの選別機により異物等の除去精度が向上し、高品質な高級茶の生産力が上がった。選別機で精度が高く時間も短縮された。生産性拡大とコスト削減により、営業人員と製造人員の新規採用が可能になり、高品質製品の増産にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    県内第2位の農地面積を持つ緑茶農園で、深蒸し茶の生産・販売と最終加工まで自社で行う事業の延長として新加工ラインを位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    近年の日本茶離れを課題とし、スーパーや静岡県の問屋への卸に加え、旅館・ホテルなど新たな販路拡大を見込んでいると書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    旧来設備では需要に応えきれない現状を課題とし、新加工ラインで品質向上・生産コスト削減・生産性向上を同時に実現すると述べている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性向上や生産コスト削減は述べられているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    園主自らが全工程に携わり、手もみ技術競技会で日本一の製造者が品質を見極めていると書かれ、製造体制の一端がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    味・色・香りを重視した深蒸し茶の価値、宿泊施設や飲料メーカーといった顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    設備導入後の遂行方法やスケジュール、課題解決の方法について、事例紹介の文章には具体的な記述が見当たらない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    県内に導入事例のない加工生産設備を加え、茶の色味・香り・味を全面的に見直した独自工程で高級茶の生産力を高めたと書かれている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    新たな雇用や需要創出に触れており、新規採用や販路拡大への期待がうかがえるが、経済波及効果の数値などは示されていない。

  • 費用対効果2

    生産性向上とコスト削減の効果が述べられているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの数字は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    日本茶離れという市場課題に対応し、消費を促す商品開発を進めるとされ、成長分野への進出がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    県内第2位の農地面積を持つ地域の緑茶農園として、さしま茶ブランドの特性を活かした高品質茶の生産が書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在の卸先やスーパーマーケットの需要拡大に加え、旅館やホテルなどの宿泊施設といった新たな販路開拓に期待を持っている。飲料メーカーの要望にも応えていきたい考えだ。

事業者の声

茶の栽培から加工まですべてを自社で行ない『足跡の見える緑茶栽培』を合言葉に、茶葉本来のうまさが伝わる緑茶製造を行っています。古来の『手揉み』の方法も学びながら、より良い茶を育てることを第一に、選んでもらえる緑茶を提供していきます

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。