ものづくり補助金平成28年度製造業栃木県

自動投入ロボットとIoTを導入した木材加工ライン構築による生産性向上事業

篠崎木工株式会社

成果1日あたりの製材生産量 20㎡→23.4㎡

この事例のポイント

  • 複数台の加工設備で対応してきたが、設備の能力や生産工程の問題で受注に対する生産能力が100%に達していた。
  • 木材加工ラインを見直し、カンナがけ・小割り・切り欠きなどの加工が1台でできる最新式の加工設備と、木材を真空吸着して自動で加工設備へ搬送・投入するロボットを連動させた。
  • 1日あたりの製材生産量 20㎡→23.4㎡。導入直後から1日あたりの生産量が約20㎡から23.4㎡に増え、今後は習熟により一層の向上が見込まれている。

事業者のプロフィール

事業者名篠崎木工株式会社
所在地栃木県 佐野市
業種木材・木製品製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数203人
資本金1,650万円
設立1944年

事業の背景

当社は1928年の創業以来、主に家具や住宅に使われる木材の加工に特化した事業を展開してきた。近年は主に国内大手ハウスメーカー向けに住宅用木製部材を生産している。住まいの内壁を支える木製下地は住宅メーカーごとに仕様が定められ、短納期かつ高品質が特徴だったが、顧客ニーズの多様化で内装のセミオーダー対応が求められ、寸法や種類が多様化して小ロット化が進んでいた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力複数台の加工設備で対応してきたが、設備の能力や生産工程の問題で受注に対する生産能力が100%に達していた。
  • 人手・技能材料の人手による投入と搬送が非効率な生産ラインになっていた。
  • 生産能力カンナがけ加工と小割り加工の設備のスピードが遅かった。
  • 納期・工程サイズや切り欠きなど部材の多様化で二次加工の種類が多かった。
  • その他機械装置の保守・メンテナンスにかかる時間が設備間のロスになっていた。
  • 納期・工程受注後の平均納期を短縮することが求められていた。

やったこと

木材加工ラインを見直し、カンナがけ・小割り・切り欠きなどの加工が1台でできる最新式の加工設備と、木材を真空吸着して自動で加工設備へ搬送・投入するロボットを連動させた。これによりワンストップの木材加工ラインを構築した。加えて、カンナがけ・小割り加工設備の監視・保守・メンテナンスにIoT技術を導入し、インターネットを介して設備の不具合箇所を工場内のパソコンで確認できるようにした。予期せぬトラブルに対して迅速に修繕できる体制も構築した。

加工機カンナがけ・小割り・切り欠き加工設備
ロボット投入ロボット・積載ロボット付き搬送ライン
その他カンナがけ・小割り加工設備の監視・保守用IoTシステム

事業の効果

  • 1日あたりの製材生産量 20㎡→23.4㎡
  • 受注後の平均納期 4日→3日

導入直後から1日あたりの生産量が約20㎡から23.4㎡に増え、今後は習熟により一層の向上が見込まれている。ワンストップの加工ラインにより、受注後の平均納期が4日から3日程度まで短縮した。IoTによる設備の遠隔確認で予期せぬトラブルへの修繕が迅速になった。高精度かつ高効率な生産体制により、多品種・小ロット・短納期に対応できたことが当社の大きな強みになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1928年創業以来の木材加工特化と住宅部材生産の経緯が書かれ、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内大手ハウスメーカー向け木製下地の短納期・高品質供給が強みとされ、セミオーダー需要の多様化に対応する記述がある。

  • 課題の認識と解決4

    生産能力が受注に対し100%に達した問題点を4項目で示し、自動投入ロボットとIoT導入で解決する構図が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1日あたり20㎡から23.4㎡への生産量増加と、受注後平均納期4日が3日程度まで短縮した実績が数字で示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員203名の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての説明はわずかにうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多品種・小ロット・短納期に対応できる点や住宅メーカーの差別化ニーズが示されるが、顧客ターゲットの整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    今後は石膏ボードや断熱材との複合パネル化を進める方針が書かれ、遂行方法の方向性はあるがスケジュールは不明である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    木製下地のセミオーダー化や異素材パネル化に触れるが、分野の普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    住まいづくりに関わる工期短縮やコスト削減への貢献、環境配慮の取組が書かれており、波及効果の方向性は読み取れる。

  • 費用対効果3

    生産量が20㎡から23.4㎡へ増え納期も短縮したことは書かれるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    IoTで設備の不具合を工場内のパソコンで確認できる仕組みを導入し、保守体制を構築したことが具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    栃木県佐野市・栃木市での事業展開は読み取れるが、地域特性を活かした雇用創出や成長への寄与は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は木材の複合化を進め、石膏ボードや断熱材など異素材とのパネル化を推し進める。住まいづくりに関わる人々に工期短縮やコスト削減を届けたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。