ものづくり補助金平成28年度製造業栃木県

ゴルフクラブのOEM生産における組み立てラインの高度化及び生産体制の強化の実現

株式会社ササキ

成果生産数(1時間あたり) 160本→100本

この事例のポイント

  • ゴルフクラブヘッドとシャフトの組み立てを手作業で1本ずつ行っており、メーカーの要求する1日1,600本の生産に対応できていなかった。
  • ゴルフクラブの組立工程で、ヘッド部とシャフト部の接着作業を省力化・効率化するため、製造元の株式会社柴山機械と共同開発した「ゴルフクラブ自動組み付け機」を導入した。
  • 生産数(1時間あたり) 160本→100本。接着剤の一定温度での硬化によりNG品がなくなり、乾燥時間も数分に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ササキ
所在地栃木県 鹿沼市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数52人
資本金5,000万円
設立2004年

事業の背景

当社はゴルフクラブの設計から加工、組立、仕上げ、検査まで、国内外の大手ゴルフクラブメーカーの製品をOEM生産している。メーカー側は製品の安全性や品質、生産性の向上、低コスト化への要求水準を高めている。一方で少子高齢化により若手人材の確保が難しくなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ゴルフクラブヘッドとシャフトの組み立てを手作業で1本ずつ行っており、メーカーの要求する1日1,600本の生産に対応できていなかった。
  • 人手・技能若手人材の確保が年々困難で、ベテラン社員の定年による技術の高度化に対応できる社員が不足していた。
  • 品質・精度接着剤の硬化を待つ必要があり、硬化したと思っても品質管理でNGになることがあった。
  • コスト・採算接着後の自然乾燥に時間を要し、1時間あたり160本の生産が限度だった。

やったこと

ゴルフクラブの組立工程で、ヘッド部とシャフト部の接着作業を省力化・効率化するため、製造元の株式会社柴山機械と共同開発した「ゴルフクラブ自動組み付け機」を導入した。この機械は国内唯一の組み付け機で特許を取得している。導入により一部の接着作業が自動化された。機械は組立ラインに部品を置く際に向きを確認して並べるだけでよく、高度な技術や専門知識は必要ない。

  • 加工機ゴルフクラブ自動組み付け機

新しい製品・サービス:ゴルフクラブ自動組み付け機(株式会社柴山機械と共同開発、特許取得)

事業の効果

  • 生産数(1時間あたり) 160本→100本
  • 生産数は当初の目標数値である1日1,600本まで可能となった

接着剤の一定温度での硬化によりNG品がなくなり、乾燥時間も数分に短縮された。品質向上と時間短縮の両面で大きな効果があった。生産数は当初目標の1日1,600本に到達し、多品種・少量生産にも対応できるため他社との差別化が図れた。今後は組立作業への若手社員や女性社員の登用により従業員の能力向上につなげたい。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性国内唯一の組み付け機で特許を取得し、多品種・少量生産に対応して他社との差別化を図っていると明記。
  • 4
    課題の認識と解決手作業1時間160本の限度から自動化で1日1,600本の目標達成、現状より25%増と課題解決の効果が数字で示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標目標1日1,600本を達成し生産数が現状より25%増加しており、目標の実現性が実績で裏付けられている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    成長分野への進出海外メーカー向けの提案型サービスや新たなビジネスモデル創出に触れるが、構造転換への言及は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    OEM生産を長年手がけ、組立工程の課題を認識して自動組み付け機を導入する流れが事業活動と一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内唯一の組み付け機で特許を取得し、多品種・少量生産に対応して他社との差別化を図っていると明記。

  • 課題の認識と解決4

    手作業1時間160本の限度から自動化で1日1,600本の目標達成、現状より25%増と課題解決の効果が数字で示されている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    目標1日1,600本を達成し生産数が現状より25%増加しており、目標の実現性が実績で裏付けられている。

  • 事業を進める体制3

    製造元と共同開発し試験運転を経て本格稼働した経緯があり、導入体制は整っていると読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    メーカーからの生産性・品質要求に応える必要性があり、NG品削減や多品種少量対応で選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    テストを経て本格稼働し、今後は若手・女性社員の組立作業への登用へ進める段階的な方針が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    国内唯一の組み付け機で特許を取得し、高水準の付加価値を図る取組として位置づけられている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    熟練者不足の中で女性や若手の有効活用につながり、雇用・人材面の社会的意義が読み取れる。

  • 費用対効果3

    1時間160本から大幅な生産増となり、NG削減や乾燥時間の数分への短縮など費用対効果の材料がある。

  • イノベーションへの貢献3

    製造元と共同開発した自動組み付け機で、ゴルフクラブ組立工程の自動化という新たな生産方式を示している。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    海外メーカー向けの提案型サービスや新たなビジネスモデル創出に触れるが、構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及3

    鹿沼を拠点に加工研磨の技術を強みとし、オールメイド・イン・ジャパンで地域の製造業を支えている。

今後の展望

組立作業への若手社員や女性社員の登用など、従業員の能力向上につなげていきたい。加工研磨の技術を強みに、企画開発から設計、生産までの一貫体制をさらに推し進め、提案型のサービスもできる唯一無二の製造業者として新たなビジネスモデルを創出したい。

事業者の声

導入した機械は組立ラインに部品を置く際、向きを確認して並べるだけなので、高度な技術や専門知識は問いません。今後は組立作業への若手社員や女性社員の登用など、従業員の能力向上につなげていきたいと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。