ものづくり補助金平成24年度兵庫県

安全機能を向上させたハンドル形電動車いすの開発および量産化

福伸電機株式会社

この事例のポイント

  • ハンドル形電動車いすは高齢者の利用が多く、傾斜や段差などの路面状態を把握できないことなどのヒューマンエラーによる事故が多発していた。
  • 坂道や路側などでの車体の傾斜を検出するセンシング機能を開発した。
  • ポジションランプの装備により、周囲からの視認性が向上し、夜間だけでなく昼間も接触事故の懸念が減ることが期待される。

事業者のプロフィール

事業者名福伸電機株式会社
所在地兵庫県 福崎町
業種電気機械器具製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数800人
資本金9,900万円
設立1961年

事業の背景

ハンドル形電動車いすは高齢者等の移動手段として認知されつつあるが、主な利用者が高齢であるためヒューマンエラーによる事故が多発していた。事故の要因としては、路面状態が把握できないこと、周囲から視認されにくいこと、ブレーキ操作の誤りなどが挙げられ、より安全性を高めた製品へのニーズが高まっていた。当社は自社製品として平成元年ごろから電動車いすの開発に取り組み、OEM生産も手がけている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ハンドル形電動車いすは高齢者の利用が多く、傾斜や段差などの路面状態を把握できないことなどのヒューマンエラーによる事故が多発していた。
  • 新製品・新技術既存製品より安全性を高めた製品へのニーズが高まっていたが、そのために必要な要素技術が不足していた。
  • 品質・精度従来の反射板は自動車のライトの向きによっては見えにくく、昼間は効果がないため、周囲からの視認性が不足していた。
  • 品質・精度従来の警告はランプの点滅とブザー音の組み合わせで、操作ミスや異常が高齢者に伝わりにくかった。

やったこと

坂道や路側などでの車体の傾斜を検出するセンシング機能を開発した。自動車からの視認性を高めるため、ポジションランプを開発してバックミラーとアームレストに装備した。操作ミスや異常を音声と文字表示で伝えるアシスト機能を開発し、その制御基板と制御プログラムを作成した。これらの要素技術を用いた製品の設計、試作および評価を行い、生産設備と金型を製作して量産化し、自社の販売ルートで販売した。

新しい製品・サービス:ハンドル形電動車いす

事業の効果

ポジションランプの装備により、周囲からの視認性が向上し、夜間だけでなく昼間も接触事故の懸念が減ることが期待される。音声案内と文字表示によるアシスト機能で、操作ミスや異常を高齢者に分かりやすく伝えられるようになった。路面状態の把握を支えるセンシング機能も加わり、製品全体の安全性が向上した。安全で快適な機能が外出の支えとなり、利用者の満足度向上につながると考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性平成元年ごろから電動車いすの開発に取り組んできたと記載があり、今回の安全性向上はその継続として読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決坂道や路側の傾斜、段差の把握困難、夕方の視認性不足、ブレーキ誤操作など事故要因を具体的に挙げ、対策を示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け高齢者の事故要因と利用満足度向上のニーズが示され、ポジションランプや音声・文字案内で選ばれる理由が整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 1
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの数値目標は記載されておらず、目標値は読み取れない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    平成元年ごろから電動車いすの開発に取り組んできたと記載があり、今回の安全性向上はその継続として読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    OEM生産や製品企画から完成品までの技術力・ノウハウ、市場で評価されたオリジナル製品の実績が記載されている。

  • 課題の認識と解決4

    坂道や路側の傾斜、段差の把握困難、夕方の視認性不足、ブレーキ誤操作など事故要因を具体的に挙げ、対策を示している。

事業の実現可能性2.2
  • 付加価値・賃上げの目標1

    付加価値額や賃上げの数値目標は記載されておらず、目標値は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員800人と生産システム・品質保証体制の記載はあるが、本事業を担う体制や人員配置は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高齢者の事故要因と利用満足度向上のニーズが示され、ポジションランプや音声・文字案内で選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋1

    事業化の遂行方法やスケジュールは記載がなく、設計・試作・量産化の流れの紹介にとどまる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    安全性向上や乗り心地・デザイン性を高める方向はうかがえるが、高付加価値化や高価格化の具体的数字はない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    高齢社会での移動手段や事故多発という社会的課題が背景として示され、公的な意義はうかがえる。

  • 費用対効果1

    補助金投入額に対する付加価値増加や生産性向上などの費用対効果は記載がない。

  • イノベーションへの貢献3

    制御基板・制御プログラムの開発や音声案内など電子制御技術の活用が記載されているが、地域やサプライチェーンへの波及は書かれていない。

政策面1.5
  • 成長分野への進出1

    市場成長分野への進出や構造転換への言及は見当たらず、政策面の貢献は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    地域に貢献する企業姿勢は述べられているが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の具体的記述は少ない。

事業者の声

進行する高齢社会。高齢者の方々にとって一日一日が楽しいものであってほしい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。