ものづくり補助金平成28年度製造業福井県

多品種少量生産に対応するプレカット木材加工ラインの複線化事業

クラシス株式会社

成果年間売上は35億円に達した

この事例のポイント

  • 生産ラインが単線で、スリット加工と木口加工のどちらかに作業が偏り、片方のラインが待ちの状態となって全体の作業時間が長引いていた。
  • 補助事業では、生産ラインを単線から複線にするため、宮川プレカットラインMPS-VX03を導入した。
  • 年間売上は35億円に達した。ライン複線化により多品種少量生産に対応でき、生産性が向上して年間売上は35億円に達した。

事業者のプロフィール

事業者名クラシス株式会社
所在地福井県 鯖江市
業種木材・木製品製造業
技術分野情報処理,製造環境
従業員数80人

事業の背景

同社はプレカット木材の製造販売を行い、月の生産量は3000坪で、地域の中小工務店が主な顧客となっている。近年、工務店が自社加工をやめてプレカットに切り替えたことや、体育館など大型公共施設に木材が多く使われるようになったことで、多品種少量の生産が求められていた。一方、木造建築の需要が増加するなかで大工職人が減少しており、業界の課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力生産ラインが単線で、スリット加工と木口加工のどちらかに作業が偏り、片方のラインが待ちの状態となって全体の作業時間が長引いていた。
  • 生産能力工務店が自社加工をやめてプレカットに切り替えたことや、体育館など大型公共施設で木材が多く使われるようになったことで、多品種少量の生産体制が求められていた。
  • 人手・技能2交代勤務における安全管理が懸案事項となっていた。

やったこと

補助事業では、生産ラインを単線から複線にするため、宮川プレカットラインMPS-VX03を導入した。ポイントの切り替えにより複数の製品を同時に加工でき、製品に合わせてラインを切り替えて最適な工程を選べるようにした。あわせて横架材加工機MPS-15を新設し、加工技術の幅を広げた。さらに加工機を増設し、技術精度の向上と高度な特殊加工への対応を図った。

  • 加工機宮川プレカットラインMPS-VX03横架材加工機MPS-15加工機増設分

事業の効果

  • 年間売上は35億円に達した
  • 生産性向上30%の目標をクリア

ライン複線化により多品種少量生産に対応でき、生産性が向上して年間売上は35億円に達した。機械の導入で基本的に1勤務体制が可能となり、夜勤や残業が縮小して労働負荷と安全管理の問題が解消された。育児・介護休業制度の充実や所定外労働時間の削減も進み、職場環境の魅力が高まった。工場生産で建築業界の課題に応えられるようになり、地域貢献にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決生産ラインを単線から複線にする課題認識と解決策が示され、生産性30%目標と年間売上35億円の結果も書かれている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標生産性向上30%の目標をクリアし、多品種少量生産で309%アップとの数値も示されている。賃上げ目標は書かれていない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性プレカット木材の製造販売を行い、工務店向けに多品種少量生産へ対応した経緯が書かれているが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    プレカット木材の製造販売を行い、工務店向けに多品種少量生産へ対応した経緯が書かれているが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    工務店の自社加工廃止や大型公共施設での木材需要増加という外部環境と、多品種少量への対応を述べているが、自社の強み・弱みの分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    生産ラインを単線から複線にする課題認識と解決策が示され、生産性30%目標と年間売上35億円の結果も書かれている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産性向上30%の目標をクリアし、多品種少量生産で309%アップとの数値も示されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    CADセンターや専門員の記載はあるが、補助事業を遂行する人員や事務体制についての具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    工務店向けの1棟ごとのオーダーメイド生産や中小工務店への技術サポートが書かれ、顧客像は見えるが需要の裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入済みの設備による成果は書かれているが、中長期の検証や今後の遂行スケジュールは読み取れない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    多品種少量生産で大手メーカーと差別化したとあるが、市場の認知度や高付加価値化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    大工職人の減少という業界課題への対応が述べられているが、経済波及や雇用創出などの国が補助する理由は明記されていない。

  • 費用対効果3

    生産性30%向上や売上増は読み取れるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CADデータ送信やコンピュータ制御によるラインの複線化が書かれ、デジタル活用はうかがえるがサプライチェーン貢献は薄い。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    地域の中小工務店への技術サポートや地域貢献が触れられているが、地域特性を活かした付加価値の詳細は乏しい。

今後の展望

企業価値が高まったことで、今後スムーズな人材確保やさらなる地域貢献が期待できる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。