ものづくり補助金平成28年度製造業静岡県

多彩な注文住宅ニーズに合致させる特殊加工と加工精度の均一化

清水港木材産業協同組合

この事例のポイント

  • 難加工の多くを熟練職員の手加工に頼っており、熟練職員の高年齢化とマンパワーへの依存に限界があった。
  • 5軸加工機を導入し、登り梁や斜め梁などの特殊加工を機械で行えるようにした。
  • 5軸加工機の導入により、登り梁や斜め梁などの特殊加工を手加工に頼らず、早く高精度に行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名清水港木材産業協同組合
所在地静岡県 静岡市清水区
業種木材・木製品製造業
技術分野精密加工
資本金18.818億円
設立1952年

事業の背景

当組合は昭和27年に設立された組合員50社の事業協同組合で、県内屈指のプレカット事業が主力である。平成5年から機械化を進め、低コスト化と技術の均一化を図ってきた。住宅の着工数は伸び悩み、プレカット業界は経営の二極化が進んで、競争激化により事業を閉鎖する同業者も出ている。大手は集成材と規格的な建売住宅が主流だが、当組合の主要顧客は地場の中小工務店で、県産無垢材を用いた複雑なデザイン性の高い難設計加工を手加工で受けてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能難加工の多くを熟練職員の手加工に頼っており、熟練職員の高年齢化とマンパワーへの依存に限界があった。
  • 生産能力全自動化プレカット工場として始めたものの、技術革新による時代の変化で従来のやり方では通用しないオペレーション体制への転換を迫られていた。
  • 品質・精度職人による手加工では完成品の出来と作業スピードにバラツキが出やすく、特殊加工の精度と技術共有が課題になっていた。

やったこと

5軸加工機を導入し、登り梁や斜め梁などの特殊加工を機械で行えるようにした。手加工では時間と高い技術が必要だった特殊加工を、早く高精度に加工できるようになった。加えて前工程の横架材ラインにも連結したことで、作業工程間のロスを減らせるようになった。通常の加工と特殊加工が混在する材も一回の投入ですべて加工できる。今後は熟練職員の暗黙知を形式知化し、職員間で技術を共有して作業工程の改善を図る計画である。

加工機5軸加工機

事業の効果

5軸加工機の導入により、登り梁や斜め梁などの特殊加工を手加工に頼らず、早く高精度に行えるようになった。横架材ラインと連結したことで作業工程間のロスが減り、通常加工と特殊加工が混在する材も一回の投入で加工できる。これにより中小工務店向けの難加工の受注を効率的かつ安価に製造でき、コスト競争力を高めることができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成5年から機械化に着手し全自動プレカットを推進してきた経緯があり、今回の5軸加工機導入はその延長線上の取組として位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    組合員50社、県内屈指のプレカット工場、首都圏へ至近という強みを挙げ、大手が嫌う中小工務店向け難加工に集中する差別化戦略を示している。

  • 課題の認識と解決4

    熟練職員の高年齢化やマンパワー依存の限界を課題として認識し、難加工の機械化と工程連結で解決する方向が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。高付加価値や賃上げの目標値は記載されていません。

  • 事業を進める体制3

    熟練職員のノウハウを形式知化し職員間で技術共有する方針は読み取れるが、人員数や体制の具体的な数字は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    中小工務店向けの難加工、県産無垢材、登り梁や斜め梁などの特殊加工が対象と価値として明確に示され、選ばれる理由も説明されている。

  • 事業化までの道筋3

    工程連結による作業ロスの削減や形式知化による技術共有が方法として挙げられているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。資金調達や財務状況は記載されていません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    登り梁など通常は熟練の手加工が必要な難加工を機械化する点で差別化しているが、分野全体での普及度や水準に関する記述は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    地域の木材産業の集積や地域の産業を支える担い手としての役割に触れているが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    コスト競争力を高めると述べられているが、投資額や付加価値額、生産性向上の数字は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    5軸加工機の導入による機械化は示されているが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献の具体性は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    住宅着工の伸び悩みや業界の二極化が背景として述べられているが、成長分野への進出や構造転換を示す記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及4

    県産無垢材や清水の木材産業集積を活かし、地域の工務店に難加工を提供する事業として地域特性との結びつきが具体的に示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

熟練職員の暗黙知を形式知化して職員間の技術共有を徹底し、完成品の出来と作業スピードのバラツキをなくす。作業工程の改善も進めつつ、木材の仕組みや住宅部材の知識も含めて顧客からの信頼を継承していく。地域の産業を支える担い手として組合員と共に業界を盛り上げたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。