ものづくり補助金平成28年度製造業奈良県

プラスチック成形における品質向上と生産性向上を同時に実現する生産拡大計画

株式会社中谷化学工業所

成果不良率 5.5%→1%

この事例のポイント

  • 海外での安価な生産が増え、国内の業者間で生存競争が激化しており、競合他社との差別化が急務になっていた。
  • 新型の電動サーボ式射出成型機を導入し、旧型の油圧式射出成型機から更新した。
  • 不良率 5.5%→1%。新型の電動サーボ式射出成型機の導入により生産速度が向上し、メンテナンス時間の短縮や稼働コストの低減によって生産性が高ま…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中谷化学工業所
所在地奈良県 御所市
業種プラスチック製品製造業
技術分野製造環境,立体造形
設立1970年

事業の背景

当社は昭和45年の設立以来、「きめの細かい製品加工」を基本方針として品質の向上・維持に努めてきた。その品質が顧客に認められて製品供給を行っていたが、顧客業界で製品の高機能・高級化が進んだことで、供給する製品の品質や供給量への要求が高まっていた。一方で、安価な海外生産の増加により国内の業者間の競争が激化していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信海外での安価な生産が増え、国内の業者間で生存競争が激化しており、競合他社との差別化が急務になっていた。
  • 品質・精度顧客製品の高機能・高級化に伴い、供給する製品の品質や供給量への要求が高度化していた。
  • 生産能力旧型の油圧式射出成型機は作業油の交換や油漏れによる異物混入があり、約5〜6%の不良発生の要因となっていた。
  • コスト・採算機械稼働のコスト(電力・作業油)が見えておらず、省エネの指針がなかった。
  • 人手・技能熟練工に頼るアナログな機械設定が続いており、後継者の育成に時間がかかっていた。

やったこと

新型の電動サーボ式射出成型機を導入し、旧型の油圧式射出成型機から更新した。電動サーボ式への更新により生産速度が向上し、メンテナンス所要時間の短縮や稼働コストの低減などの相乗効果で生産性が向上した。並行して、機械稼働のコスト(電力・作業油)を見える化し、省エネ活動の指針とした。また、熟練工に頼っていたアナログな機械設定をデジタル化し、OJTによる後継者への教育で育成のスピードアップを図り、人材面のボトルネックを解消した。

加工機新型の電動サーボ式射出成型機

事業の効果

  • 不良率 5.5%→1%

新型の電動サーボ式射出成型機の導入により生産速度が向上し、メンテナンス時間の短縮や稼働コストの低減によって生産性が高まった。不良率は目標の約1%程度を達成し、品質も改善した。機械稼働コストの見える化や設定のデジタル化、OJTによる人材育成により、全体的なコストダウンにつなげることができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の「きめの細かい製品加工」を基本方針とし、品質向上を続けてきた経緯が書かれており、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    競合に比べ品質で優位性があり、顧客製品の1次協力工場や高級外装部品を担う点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    旧油圧式の不良発生要因(約5〜6%)を新型電動サーボ式で改善し、不良率を約1%に抑えた点が数字で示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    不良率の目標約1%達成と生産性向上は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    熟練工からOJTで後継者へ教育し人材ボトルネックを解消したと書かれているが、人員数などの体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客の高級化ニーズや高評価の表面仕上げに触れているが、ターゲットや選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋2

    新規顧客の開拓や業務体制の改善・設備更新を計画すると書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    同分野で品質基準を社内で顧客要求以上に設定し、高級外装部品を高価格帯で担うなど高水準の付加価値化が書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外生産増による国内競争激化は触れられているが、雇用創出や波及効果など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    不良率を約5〜6%から約1%に改善し生産性が向上したと書かれているが、補助金額に対する効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    業務のデジタル化や見える化は書かれているが、地域やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    奈良県御所市の所在地は書かれているが、地域の特性を活かした経済成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は業務体制の改善と設備の更新を続けるとともに、生産体制の拡大も視野に入れ、生産能力の拡大と新規顧客の開拓を目指す。現状は従業員をシフト制にして設備を24時間稼働させており供給能力の限界も見えつつあるが、業務体制の改善や機械設備の更新により供給能力を向上させる余地は十分にあるとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。