ものづくり補助金平成28年度製造業奈良県

生活者ニーズに答えた使い勝手の良いダストペール開発

株式会社吉川国工業所

この事例のポイント

  • 主軸商品の販売縮小により、自社ブランド「Like-it」シリーズの訴求力が低下していた。
  • 革新二重成形用金型技術とIoT革新ロボット成形機を用い、硬い樹脂の上に柔らかい樹脂を積層する2色成形で、タイヤの外周部を柔らかい素材に変更し、滑らかな動きを実現した。
  • 顧客ニーズを反映した製品設計が可能になり、価格と機能性を両立できる体制を整えた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社吉川国工業所
所在地奈良県 葛城市
業種プラスチック製品製造業
技術分野デザイン,情報処理,機械制御
設立1932年

事業の背景

1932年創業の当社は、使いやすくシンプルなデザインを基本としたプラスチック生活用品を製造販売している。自社ブランド「Like-it」は国内外で評価されてきた。しかし生活者のライフスタイルの変化や競合他社の後継商品の展開により、ブランドの訴求力にかげりが見え始めていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信主軸商品の販売縮小により、自社ブランド「Like-it」シリーズの訴求力が低下していた。
  • 新製品・新技術価格競争に巻き込まれないよう価格を維持しつつ、顧客ニーズに合わせて製品をグレードアップすることが急務だった。
  • 販路・情報発信代表商品「横型ダストペールオルア」の販売数量の縮小がブランド全体に影響しており、顧客の要望であるタイヤ部分などの改良が必須だった。

やったこと

革新二重成形用金型技術とIoT革新ロボット成形機を用い、硬い樹脂の上に柔らかい樹脂を積層する2色成形で、タイヤの外周部を柔らかい素材に変更し、滑らかな動きを実現した。IoT化した成形機のネットワークを構築し、樹脂搬送機から成型機、取り出し機、ラベル貼り機、梱包、ベルトコンベアーまでをロボットによって無人で動かす成形設備を構築した。成形構成情報システムにより一元管理を可能にし、業務効率を高めた。

金型革新二重成形用金型
加工機IoT革新ロボット成形機
ソフト成形構成情報システム

新しい製品・サービス:横型ダストペールオルアの改良品(タイヤ外周部を柔らかい素材に変更)

事業の効果

顧客ニーズを反映した製品設計が可能になり、価格と機能性を両立できる体制を整えた。ロボットによる無人の成形設備により生産の省人化が進んだ。一元管理によって業務効率が向上し、従来の商品とは違う付加価値のあるものづくりとコスト抑制を両立できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のシンプルなデザインを原点とする事業とブランド「Like-it」の展開が書かれ、代表商品の改良という過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内外での受賞やグッドデザイン賞など強みは書かれているが、市場動向との関係や競争優位の具体的な根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    主軸商品の販売縮小とブランド力低下という課題が明示され、革新二重成形金型とIoT成形機で高付加価値化に取り組むと示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、成果の数値も示されていないため実現可能性を判断しにくい。

  • 事業を進める体制3

    自社で金型メンテナンスを行う体制や一貫したものづくり体制は書かれているが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客ニーズへの対応や「タイヤ」改良による滑らかな動きなど、製品価値と選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    成形設備の無人化や一元管理の構築は述べられているが、スケジュールや課題解決の進め方は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    同分野の中で、革新二重成形によるタイヤ外周部の柔らかい素材化など、高付加価値化・グレードアップを図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    環境配慮やCNF材料、SDGsへの取組はうかがえるが、地域経済や雇用創出への波及効果は書かれていない。

  • 費用対効果2

    価格と機能性の両立やコスト抑制は述べられているが、補助金額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    IoT化による革新ロボット成形機のネットワーク構築で、樹脂搬送から梱包までを無人化しサプライチェーンの効率化に寄与する点が読み取れる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    プラスチック資源循環やCNF材料の研究など環境分野への取組がうかがえるが、日本経済の構造転換との関連は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    奈良県葛城市の所在地は書かれているが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用・成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。