ものづくり補助金平成28年度製造業和歌山県

「見える化」でリアルタイム情報を共有する革新的サービスの構築

株式会社マージネット

この事例のポイント

  • 取引先から支給されるデータの多くは不完全で、修正のやりとりに時間が取られ、納期の遅れや社内での製造体制の変更を余儀なくされてきた。
  • ハイブリッドワークフローシステムを導入し、自動確認機能を備えたサーバーを経由して入稿データを受け付けるようにした。
  • 双方向でリアルタイムに情報を共有できるようになり、入稿データのやりとりにかかっていたタイムロスがなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社マージネット
所在地和歌山県 上富田町
業種印刷・同関連業
従業員数38人
資本金1,600万円
設立1989年

事業の背景

平成元年にデザイン会社として始まり、平成14年に印刷機や製本機を導入して総合印刷会社となった。その後、和歌山県内初のUVオフセット6色機を導入するなど独自性のある設備投資を積極的に行い、他社との差別化によって規模を拡大してきた。現在はデザインから印刷、製本、加工、在庫保管、出荷までをワンストップで対応できる体制を構築している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程取引先から支給されるデータの多くは不完全で、修正のやりとりに時間が取られ、納期の遅れや社内での製造体制の変更を余儀なくされてきた。
  • 販路・情報発信全国でも数少ない圧着ハガキに特化したWebサイトを運営し他社と違う営業戦略を展開したが、訪問ではないため他の印刷物の受注につなげられなかった。
  • 納期・工程Webサイトを通じた取引のため事前の受注予測が難しく、急な変更も多くて他の業務に支障をきたしていた。
  • コスト・採算入稿回数が増えるほど利益が減少し、それにかかる時間も膨大で生産性が著しく低下していた。

やったこと

ハイブリッドワークフローシステムを導入し、自動確認機能を備えたサーバーを経由して入稿データを受け付けるようにした。データ不備があればシステム側から取引先に通知し、即時訂正できる仕組みとした。印刷業総合業務管理システムでは全工程の一括管理と社内共有を可能にし、取引先に向けて商品の進捗状況をWeb上で公開した。両システムを連携させ、取引先ごとに仮想工場を提供できる体制を整えた。さらに取引先ごとの専用ページに自社の広告画像を盛り込み、商品PRを随時行っている。

ソフトハイブリッドワークフローシステム
ソフト印刷業総合業務管理システム

事業の効果

双方向でリアルタイムに情報を共有できるようになり、入稿データのやりとりにかかっていたタイムロスがなくなった。機械やオペレーターのアイドルタイムがなくなり、業務の効率化と生産性が向上した。取引先の顧客満足度が向上し、印刷機の1日の印刷案件数や営業担当者1人あたりの顧客数も増加した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    課題として受注予測の難しさや入稿回数増による利益減少が書かれ、過去の取組との一貫性は読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    圧着ハガキ専用Webサイトや24時間警備の高セキュリティ工場など自社の強みが書かれるが、市場動向との関係は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    入稿データ不備、利益減少、生産性低下など課題が具体的に認識され、ワークフローと業務管理システムで解決を図っている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    印刷案件数や営業1人あたり顧客数の増加は示されるが、目標値や具体的な数字は書かれておらず付加価値・賃上げ目標は不明。

  • 事業を進める体制2

    従業員38名や工場運営の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    取引先への進捗公開や専用ページでの広告PRなど顧客向けの価値は読み取れるが、ターゲットやニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の成果は書かれるが、中長期の検証、遂行スケジュール、課題解決方法の記述は見当たらない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    圧着ハガキに特化したWebサイトを運営し差別化を図ると書かれ、同分野での独自性がうかがえる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果2

    効率化で案件数や顧客数が増えたとされるが、補助金額に対する費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    両システムを連携した仮想工場化を取引先に提供すると書かれ、サプライチェーンでの取引先向けデジタル活用がうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    和歌山県西牟婁郡の地域企業として県内外へ事業を広げたと書かれるが、地域経済への波及は具体的に示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

システムの能力を本来の形で発揮させるには、社員一人ひとりの意識改革が鍵になると考えている。営業から経理まですべてに価格と時間管理の意識を根付かせ、余力をもって新規開拓に取り組んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。