ものづくり補助金平成28年度製造業和歌山県

生産ライン増強による住宅・ビル向けアルミ建材の増産・高精度化

株式会社小谷製缶工業

成果段取り・曲げ加工の工程時間 10日→2日

この事例のポイント

  • 生産ラインが1本しかなく、社内の生産能力を超えると外注に出すしかなかったため、短納期の実現が妨げられていた。
  • 生産工程の増強を図るため、長尺物の曲げ加工に対応する「デュアルドライブプレスブレーキ BH25040」(村田機械)を導入した。
  • 段取り・曲げ加工の工程時間 10日→2日。生産ラインが2本になり社内で一貫生産できる体制が整ったことで、増産と短納期化が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小谷製缶工業
所在地和歌山県 和歌山市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数27人
資本金1,000万円
設立1971年

事業の背景

昭和22年創業、46年に株式会社として設立した金属プレス・板金、建築金物・雑貨の製造業者で、和歌山市岩橋の工場で建設用パネル・金物やアルミサッシ、ドアを製造している。近年は住宅やビルの改装需要が増加し、アルミ建材の需要も増加傾向にある。これに伴い、YKKAP、三協立山、児玉兄弟商会などの主要取引先から短納期化や増産の依頼が増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力生産ラインが1本しかなく、社内の生産能力を超えると外注に出すしかなかったため、短納期の実現が妨げられていた。
  • 納期・工程段取りと曲げ加工の工程に10日を要していた。
  • 品質・精度加工精度は熟練の作業員が微調整を行って支えており、寸法公差は1mmだった。
  • 人手・技能高い技術が熟練工の経験に頼っており、その技術を次世代へ伝承しにくかった。

やったこと

生産工程の増強を図るため、長尺物の曲げ加工に対応する「デュアルドライブプレスブレーキ BH25040」(村田機械)を導入した。この設備により、長尺物に対する曲げ精度の向上と製造時間の大幅な短縮を可能にした。新設備の追加により生産ラインを2本にし、社内で一貫生産できる体制を構築した。同社の技術とノウハウを結合させ、熟練工の微調整の作業をデータ化することも進めた。

加工機デュアルドライブプレスブレーキ BH25040

事業の効果

  • 段取り・曲げ加工の工程時間 10日→2日
  • 寸法公差 1mm→0.5mm

生産ラインが2本になり社内で一貫生産できる体制が整ったことで、増産と短納期化が可能になった。達成度は20%の増産を実現し、段取り・曲げ加工の短縮により全体の工程は12日となった。設備と熟練工のダブルチェックにより加工精度が高まり、微調整の作業をデータ化したことで同社ならではの技術の伝承もしやすくなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組との一貫性は直接書かれていないが、顧客満足を競争力の源泉とする方針が記載されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先からの短納期・増産依頼や、顧客要望に応じたカスタマイズ対応への言及があり、競争優位の源泉は示される。

  • 課題の認識と解決5

    生産ライン1本から2本へ、段取り・曲げ加工10日から2日へ短縮、工程全体12日など具体的な課題解決の数字が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    20%の増産、寸法公差1mmから0.5mm、工程12日への短縮など、実現値が数値で示されている。

  • 事業を進める体制3

    熟練工によるダブルチェックや微調整のデータ化、増産分の従業員雇用と教育計画が書かれ、体制の一部がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客要望への対応や高精度仕上げの追求、主要取引先の記載はあるが、ターゲットとニーズの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    次世代社員育成や増産分の従業員雇用など今後の展開は書かれるが、スケジュールや課題の検証方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    アルミ建材や建築金物は一般的な分野で、高付加価値化や高価格化を図る記述は限定的にうかがえる程度。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    住宅・ビル改装需要の増加とアルミ建材需要の拡大に触れ、取引先の増産要請への対応が地域の製造業の増産につながる点がうかがえる。

  • 費用対効果3

    増産20%や工程短縮の成果は示されるが、補助金額と付加価値額の関係は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用は示されず、微調整作業のデータ化による技術伝承がわずかにうかがえる程度。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    和歌山市岩橋の工場で地域の製造業を営み、雇用を増やす計画が書かれているが、地域特性の活用は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

増産分の作業を担当する従業員を新たに雇用して教育し、生産力向上の体制を安定させる計画である。同時に次世代の熟練工の育成にも取り組む意向である。生産性向上によりさらなる注文を受けられる好循環の環境が整ったとしている。

事業者の声

顧客満足こそが同社のポリシーであり、競争力の源泉になる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。