ものづくり補助金平成28年度製造業和歌山県

有田みかん加工品の販売拡大に伴うキャッパー機及び搾汁機設備導入

株式会社伊藤農園

成果賞味期限 4カ月→6カ月

この事例のポイント

  • ピュアフルーツ寒天ジュレのキャップ巻締めを手作業で行っているため、生産能力が低い。
  • 容器のキャップ巻締めを機械化するため、連続真空巻締めキャッパー機(池田機械工業/MJC-1300V一式)を導入した。
  • 賞味期限 4カ月→6カ月。賞味期限を延ばしたことで、海外の既存取引先への新規提案と国内の食品小売への販路拡大が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社伊藤農園
所在地和歌山県 有田市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数55人
資本金700万円
設立2009年

事業の背景

株式会社伊藤農園は和歌山県有田市で柑橘類の栽培、搾汁、加工、販売を手掛ける6次産業の会社である。主力のピュアフルーツ寒天ジュレは加工品の中でも販売数が年々増加しており、平成24年と28年を比較すると226%の伸びを示している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ピュアフルーツ寒天ジュレのキャップ巻締めを手作業で行っているため、生産能力が低い。
  • 品質・精度手作業のキャップ巻締めによって品質が不安定である。
  • 品質・精度賞味期限が短く、国内外の市場で取り扱いを広げにくい。
  • 生産能力搾汁機が不足している。
  • 人手・技能キャップ作業の機械化で生じる余剰人員の雇用を維持する必要がある。

やったこと

容器のキャップ巻締めを機械化するため、連続真空巻締めキャッパー機(池田機械工業/MJC-1300V一式)を導入した。これにより窒素置換と真空処理を高度に行い、賞味期限を延ばせるようにした。同時に、搾汁機の不足を解消するためステンレス製搾汁機(森本鉄工所)を導入した。搾汁機の導入は、キャップ作業の機械化で得られた余剰人員の雇用維持にも役立てた。

加工機連続真空巻締めキャッパー機(池田機械工業/MJC-1300V一式)
加工機ステンレス製搾汁機(森本鉄工所)

新しい製品・サービス:令和元年の中元ギフトで新商品をリリース(名称は記載なし)

事業の効果

  • 賞味期限 4カ月→6カ月
  • 時間当たり生産量 380個/時間→1,300個/時間

賞味期限を延ばしたことで、海外の既存取引先への新規提案と国内の食品小売への販路拡大が可能になった。生産能力が大きく向上し、中元・歳暮期の需要増加にも対応できるようになった。5年後には海外向けで年間1300万円の売上増、ジュレ商品別で年間1億2825万円の売上を見込んでいる。キャッパー機を生かして令和元年の中元ギフトで新商品をリリースし、好成績を挙げている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    ピュアフルーツ寒天ジュレは販売数が平成24年と28年で226%伸びたとあり、加工品事業の延長として位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    賞味期限を4カ月から6カ月以上に延ばし、海外と国内の市場に広げる根拠が示されている。自社の搾汁機導入で果汁の必要量増加にも対応できるとある。

  • 課題の認識と解決5

    手作業の巻締めによる生産能力の低さ、品質不安定、短い賞味期限を課題とし、時間当たり生産量380個から1300個(3.42倍)に高める効果が数字で示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    5年後に年間1300万円の売上増、ジュレ商品別売上1億2825万円の見込みと、生産量倍増という数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    会社概要に従業員55名、設立平成21年とあるが、補助事業を遂行する体制や人材配置の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    賞味期限延長により国外の既存取引先と国内小売の両方に提案できる、と顧客ターゲットと選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    導入設備と5年後の目標は示されるが、スケジュールや課題解決の段取りは事例文からは読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ジュレは成長が予測される市場とあるが、同分野での普及度や高価格化の水準を示す記述は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地域の雇用創出や余剰人員の雇用維持が触れられているが、波及効果や社会インフラとしての国の補助理由は具体性が薄い。

  • 費用対効果4

    補助事業で生産能力3.42倍、賞味期限延長による売上増の見込みが数字で示され、投入額に対する効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    機械化による品質安定は述べられるが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はうかがえる程度にとどまる。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    成長が予測されるジュレ製品市場への進出とあるが、日本経済の構造転換に資するとの記述はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及4

    有田の6次産業会社として地域の雇用に貢献し、2016年に輝く経営大賞を受賞したとあり、地域の特性を生かす事業と読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

廃棄される柑橘類の皮の活用に関する研究を進めており、化粧品など新たな商品開発に取り組んでいく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。