ものづくり補助金平成28年度製造業徳島県

機械の知能化機能と専用治具開発による、ベルト用金型の薄型部品の真円加工技術構築

有限会社六車エンジニアリング

この事例のポイント

  • ベルト用金型の薄型真円部品は厚み10ミリ以下と超薄く、加工時の保持圧力で変形して真円度が損なわれる。
  • 知能化機能を搭載した複合NC旋盤を導入した。
  • 知能化機能搭載の複合NC旋盤と特殊専用治具の融合により、薄型部品の高精度な真円加工技術が構築できた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社六車エンジニアリング
所在地徳島県 美馬市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数5人
資本金300万円
設立2006年

事業の背景

生産のグローバル化に伴い金型を中国やタイ、韓国などから調達するようになり、国内の金型生産は縮小してきた。近年は海外製金型の精度が悪くコスト高になることから国内回帰するメーカーが多い。主要取引先の工業用ベルトメーカーも同様の事情で、当社へのベルト用金型の薄型真円部品の加工依頼が増加している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ベルト用金型の薄型真円部品は厚み10ミリ以下と超薄く、加工時の保持圧力で変形して真円度が損なわれる。
  • 品質・精度加工時の熱変位の影響で部品が変形・ゆがみ、精度が落ちる。
  • 生産能力海外製金型の精度が悪く国内回帰が進み、ベルト用金型部品の加工依頼が増えているが、高精度部品を効率よく生産する体制が十分でない。

やったこと

知能化機能を搭載した複合NC旋盤を導入した。当社の熟練技能を活かした特殊専用治具と組み合わせ、部品の保持圧力を軽減する治具を開発した。熱変位の影響は機械化による対策で解決を図った。この結果、薄型部品の高精度な真円加工技術を構築した。

加工機知能化機能搭載複合NC旋盤
その他特殊専用治具

事業の効果

知能化機能搭載の複合NC旋盤と特殊専用治具の融合により、薄型部品の高精度な真円加工技術が構築できた。高精度薄型真円部品を効率よく生産できる体制が整い、メーカーの精度・納期要求に対応可能になった。国内需要が回復しつつあるベルト用金型部品の受注獲得につながるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    設立は平成18年2月で、熟練技能を活かした専用治具との融合が書かれ、過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外製金型の精度低下によるコスト高で国内回帰が増え、取引先からの加工依頼が増加したとあり、外部環境は読めるが自社の強み・弱みの記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    薄型部品の変形・熱変位という課題を示し、保持圧力を軽減する治具と熱変位対策の機械化で解決を図ったと具体的に記述されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、粗利率を高めて営業利益につなげたいという方向性のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    従業員5名で熟練技能を持つ体制は読み取れるが、補助事業を遂行する人材配置や事務処理体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ベルト用金型の薄型真円部品という製品と顧客(工業用ベルトメーカー)は明確だが、選ばれる理由の整理は精度・納期対応の一文にとどまる。

  • 事業化までの道筋2

    導入機と治具の融合による体制構築は書かれているが、中長期の検証や補助事業のスケジュール・課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    超薄型(厚み10ミリ以下)の真円部品を高精度で加工する点を特徴とし、海外製より精度が高い国内高付加価値分野を狙うと書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    国内金型生産の回復という文脈はあるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は明記されていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されておらず、部品単価と粗利率が高いという定性的な記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献2

    知能化機能搭載複合NC旋盤の導入は書かれるが、デジタル技術によるサプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルは示されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    海外から国内への金型生産回帰という構造的な動きに対応する内容で、製造業の高付加価値化に資する方向性が読み取れる。

  • 地域経済への波及2

    徳島県美馬市の地方企業である点はわかるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

金型生産は国内回帰が目立つが、大型化や複雑化により付加価値の高い金型作りが求められている。金型部品は単価・粗利率が高いため、この分野を伸ばして会社全体の粗利率を高め、営業利益につなげたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。