ものづくり補助金平成28年度建設業愛媛県

革新的アスベスト除去装置導入による工期短縮と品質向上

三共通商株式会社

この事例のポイント

  • 従来のアスベスト除去は薬品や有機溶剤を使い、有機溶剤では対応できない下地材や粉塵飛散が生じ、隔離養生作業や換気装置等の設置が必要だった。
  • 当社が開発した革新的なアスベスト除去装置を導入した。
  • 新工法では養生作業が不要となり、工期が短縮できた。

事業者のプロフィール

事業者名三共通商株式会社
所在地愛媛県 松山市
業種設備工事業
従業員数19人
資本金1,000万円
設立1977年

事業の背景

中国・四国地区を中心に、ビル・マンション・店舗・学校などの熱絶縁工事、耐火被膜工事、アスベスト除去工事を行っている。アスベスト含有建材は1970〜80年代にピークを迎え、平成18年にアスベスト含有製品の製造が禁止された一方、含有建築物は多数残存し建替えに伴う除去需要がある。当社は2005年からアスベスト工事に参入したが、近年は県外業者の参入もあり、内装除去に加えて外壁面での除去工事へ参入して売上を確保する必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来のアスベスト除去は薬品や有機溶剤を使い、有機溶剤では対応できない下地材や粉塵飛散が生じ、隔離養生作業や換気装置等の設置が必要だった。
  • コスト・採算県外同業者の攻勢により県外での受注を控えたことで、アスベスト除去事業の売上高は減少傾向となった。
  • 品質・精度統一された工法がなく、作業者や周辺環境に配慮した安全・安心でコストのかからない工法の導入が必要だった。

やったこと

当社が開発した革新的なアスベスト除去装置を導入した。このアスベスト除去装置は、カップ内で超高圧水を噴射し吸引させる方式で、アスベスト含有外壁塗装を剥離・湿潤・吸引を同時に行うことで粉塵の発生を抑えた。化学物質である薬品や研磨剤を使用せず、水のみを使用するため作業環境に左右されない。施工時の排水はバキュームで吸水し、アスベストや隔離カスは吸水タンクでろ過して水を再使用できる。コンクリート表面も同様に除去し、アルカリ水を自動で中性中和処理する。

加工機革新的アスベスト除去装置(超高圧水噴射・吸引方式)

新しい製品・サービス:画期的な新工法「SANKYOウォータージェットシステム」

事業の効果

新工法では養生作業が不要となり、工期が短縮できた。内装・外壁すべてのアスベスト除去工事の受注が可能となり、顧客満足度の向上につながっている。同業他社との差別化が図られ、大手・地場ゼネコンの信頼も厚く、まず当社に相談が来るようになった。自治体や設計事務所、解体業者からの問い合わせも増えており、需要増が見込まれるため機械設備の増設を計画している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    2005年参入、2007年の工法認証取得など過去の取組の延長として外壁面除去へ参入したとの記述があり、一貫性はうかがえるが戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県外業者の参入で受注減少と記載があり、外部環境と自社の技術力を踏まえて外壁面へ参入した経緯が具体的に書かれ、差別化の根拠も示されている。

  • 課題の認識と解決3

    県外業者の攻勢による売上減少という課題認識は読み取れるが、高付加価値化や成長につながる具体的な事業計画の数値は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    問い合わせが増えたことや機械設備の増設計画は触れられているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員19名、設立以来の施工実績、特許出願などの記載はあるが、補助事業の遂行体制に関する具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    養生不要で工期短縮でき内装・外壁全てのアスベスト除去を受注可能になったと、顧客への選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    機械設備の増設計画や特許出願中との記載はあるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    四国初の革新的アスベスト除去装置で、有機溶剤や薬品に頼らない新工法として同分野で差別化されている点が具体的に示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    既存建物の建替えに伴うアスベスト除去需要や安全・安心な工法の必要性は述べられているが、国が補助する波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    養生作業が不要になり工期が短縮したとあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    環境配慮型で水を再利用する独自の施工法が示され、新しい工法としての貢献はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーン面の記述は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    松山市の本社と四国エリアでの事業展開は示されているが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は限定的である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新聞や地元広報誌などの取材依頼があるため、積極的に対外的にアピールしていく。需要増が見込まれるため機械設備の増設を計画している。特許は2件出願中で、意匠は登録済みである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。