ものづくり補助金平成28年度製造業高知県

「焼印まな板」の製造販売強化を実現する生産体制の確立

株式会社土佐龍

成果焼印の外注製造工程がなくなり、リードタイムが20日間短縮された。

この事例のポイント

  • 焼印の原板を外注製造しており、発注の管理に手間がかかり、納期が長期化していた。
  • 木材への刻印を行うレーザー加工機(L-908PC-60型)を1台導入した。
  • 焼印の外注製造工程がなくなり、リードタイムが20日間短縮された。焼印の外注工程がなくなり、リードタイムが20日間短縮されたことで、納期要求や数量に対してスムーズに回答できる体制が整っ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社土佐龍
所在地高知県 須崎市
業種木材・木製品製造業
技術分野デザイン
従業員数30人
資本金3,500万円
設立1979年

事業の背景

株式会社土佐龍は高知県須崎市で県産材の木製家庭用品を製造・卸販売している。中でも間伐材を活用した「四万十ひのきのまな板」は年間25万枚を生産する主力商品で、日本の有名百貨店や専門店での販売やメーカー・販売店からのオリジナル製品の受注生産も好調である。国内外で洋風料理用のカッティングボードの需要も伸びており、ドイツの刃物メーカーと提携して海外7カ国に輸出している。和包丁の人気を背景に、当たりのやわらかい木のまな板が好まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力焼印の原板を外注製造しており、発注の管理に手間がかかり、納期が長期化していた。
  • 納期・工程焼印の原板製造がボトルネックとなり、クライアントからの刻印入りまな板の試作要望に即対応できなかった。
  • コスト・採算常時140種類の焼印原板を保有しており、保存場所の確保や管理が課題となっていた。
  • 集客・繁閑販売機会の損失につながっており、刻印工程を内製化することが急務となっていた。

やったこと

木材への刻印を行うレーザー加工機(L-908PC-60型)を1台導入した。レーザー加工機は刻印だけでなく切断加工もでき、材料を貫通する特徴ある形状の切り抜きにも対応する。多彩な加工モードで彫刻・切断ができ、高速稼働で作業効率が高く、データ加工も容易である。導入により焼印の外注製造工程をなくし、家紋やメッセージ、名入れなどの複雑な形状にも対応できるようになった。ロゴマークを拡大・縮小して、サイズ違いの試作品も迅速に製作できるようにした。

加工機レーザー加工機(L-908PC-60型)

新しい製品・サービス:端材を活用した雑貨(キーホルダー、はんこなど)やキッチン用品の部材、焼印入りまな板、名入れグリップ

事業の効果

  • 焼印の外注製造工程がなくなり、リードタイムが20日間短縮された。
  • 生産量は20%強増大した。

焼印の外注工程がなくなり、リードタイムが20日間短縮されたことで、納期要求や数量に対してスムーズに回答できる体制が整った。全体の生産能力が大幅に向上し、新たなデザインのまな板やカッティングボードの受注や短納期の注文に対応できるようになった。生産量は20%強増大した。試作品を迅速に製作できることで販売機会のロスがなくなり、受注拡大につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    焼印まな板の製造販売強化が課題とされ、四万十ひのきのブランド化や主力商品としての位置づけは読み取れるが、経営戦略上の明確な位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    年間25万枚の生産、海外7カ国への輸出、ドイツの刃物メーカーとの提携などから、外部需要と自社の強みを踏まえた競争優位が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    焼印原板製造がボトルネックで発注に約20日を要していた課題に対し、リードタイム20日短縮と生産量20%強増大という数字で成果が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    リードタイム20日短縮や生産量20%強増大は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、目標の実現可能性は一部のみ読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    社員への技術指導はOJTで行うとあるが、人材確保や事務処理体制は、高いノウハウを有する社員を獲得する予定という記述にとどまる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ロゴ入りや名入れ、家紋などのニーズに合った商品提案が容易になった点や、名入れグリップが焼印では対応できない点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    将来のホームページ販売や洗濯板への名入れ展開など今後の計画はあるが、スケジュールや課題の解決方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    洋風料理用カッティングボードの需要増や和包丁に合うまな板の人気が背景として書かれ、高付加価値化の方向性はうかがえるが、高価格化の数字はない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    県産材の活用や林業者への還元、地域のブランド化が記述されており、地域経済への波及はうかがえるが、雇用創出などの具体数字は乏しい。

  • 費用対効果2

    投入額や費用対効果の数字は書かれていないが、20日短縮や生産量増大から効果がわずかにうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    レーザー加工機による刻印の内製化とデジタルデータ加工は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献や新ビジネスモデルの記述は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    木材加工から雑貨や名入れ販売などの新分野へ踏み出したとあり、構造転換へのわずかな関連がうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及4

    高幡地域のヒノキや県産材、間伐材を活かした付加価値商品の製造販売が具体的に書かれ、地域特性を活かした事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

焼印入りまな板のOEMが主力だが、ヒット商品の洗濯板にもロゴマークや名入れ加工を展開する計画である。将来的にはホームページでの販売も行い、個人の名入れ販売にも個別に対応したい。四万十ひのきのまな板を国内外で広く販売し、ブランド力を向上させるとともに、間伐材を付加価値の高い商品として販売し林業者への還元を図りたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。