ものづくり補助金平成28年度製造業佐賀県

省人化レーザ加工システム導入による多品種微量生産の確立及び暗黙知の技術継承

株式会社中村電機製作所

成果年間のべ7,000時間以上のリードタイムを短縮することができた。

この事例のポイント

  • 1989年導入の既存レーザ加工機は、加工スピード・精度・プログラム入力・処理能力・条件出しのすべてで非効率だった。
  • 最新型のレーザ加工機を導入し、既設のマシニングセンタ群とIoTでリンクさせた。
  • 年間のべ7,000時間以上のリードタイムを短縮することができた。導入したレーザ加工機は従来機より加工スピードが約2倍となり、年間のべ7,000時間以上のリードタイムを短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中村電機製作所
所在地佐賀県 佐賀市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数75人
資本金8,100万円
設立1950年

事業の背景

当社は1946年に創業し、当初は石炭景気を追い風に鉱山用の防爆機器で業容を拡大し、その後工場防爆に転換した。国内トップクラスの防爆技術を持ち、多品種微量生産と短納期対応が強みである。防爆業界では、国内の石油・化学プラントや火力発電所などの新設は多くを見込めず、国内既設品のリプレイス、海外規格、水素などの新エネルギーへの対応が求められている。さらに海外メーカーの参入により、低価格・短納期・高品質がこれまで以上に求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力1989年導入の既存レーザ加工機は、加工スピード・精度・プログラム入力・処理能力・条件出しのすべてで非効率だった。
  • 人手・技能既存レーザ加工機はIoTでつながらず、データの蓄積や活用ができなかった。
  • 人手・技能リピート品の製作も非効率で、熟練技能者の経験や技術に頼る部分が多かった。
  • 人手・技能社内の暗黙知に代表される独自技術を次世代へスムーズに継承することが喫緊の課題だった。
  • コスト・採算海外メーカーの参入により、低価格・短納期・高品質が求められていた。

やったこと

最新型のレーザ加工機を導入し、既設のマシニングセンタ群とIoTでリンクさせた。PCで監視・加工状況などのデータを蓄積・分析・一元管理し、AI機能を利用して、レーザ加工機における適正な利益を確保できる多品種微量生産の確立を目指した。あわせて、暗黙知化している社内技術を明文化・簡素化して技術の継承を図った。導入したレーザ加工機はネスティングや焦点調整などをAI機能で効率化し、熟練作業者でなくても高精度の製品を製作できる環境を構築した。

加工機最新型レーザ加工機
ソフトIoT連携・データ管理・AI機能ソフト

事業の効果

  • 年間のべ7,000時間以上のリードタイムを短縮することができた。

導入したレーザ加工機は従来機より加工スピードが約2倍となり、年間のべ7,000時間以上のリードタイムを短縮した。複雑な形状でも最適な配置を割り出せるため、廃材となるロス率を低減できた。熟練オペレーターの技術継承が不要になり、暗黙知化していた技術をスムーズに継承する見通しが立った。新人でも操作できるほどスキルレス化が進み、電気やガスの使用量も減ってコストダウンにつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    防爆機器で事業を拡大してきた歴史と、防爆業界の既設品リプレイス・海外規格対応という外部環境への対応が書かれているが、戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内トップクラスの防爆技術と多品種微量生産・短納期対応が強みと明記され、低価格化の競争環境も述べられている。

  • 課題の認識と解決4

    既存レーザ加工機の非効率さを課題とし、加工スピード約2倍、年間7,000時間以上のリードタイム短縮、ロス率低減という数値で解決策を示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    年間7,000時間以上のリードタイム短縮など数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    4月入社の新入社員でも操作できる点や熟練技術の継承目途が書かれているが、人材体制や事務処理能力の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    多品種微量生産・短納期が強みで、海外規格対応製品への注力という顧客ターゲットが示されているが、ニーズの裏付けはやや薄い。

  • 事業化までの道筋3

    IoT連携やAI活用、暗黙知の明文化による継承の方向性は書かれているが、スケジュールや課題解決の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    防爆機器の高水準の技術で高付加価値化を図り、SUS316製品などグレードの高い製品に注力する方針が書かれている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用2

    防爆業界の既設品リプレイスや水素等新エネルギー対応への言及はあるが、雇用創出や波及効果の記述は乏しい。

  • 費用対効果4

    ロス率低減、電気・ガス使用量の減少、リードタイム短縮など効果が数値で示され、費用対効果をうかがえる。

  • イノベーションへの貢献4

    IoTによるマシニングセンタとレーザ加工機の一元管理とAI活用で、製造現場のデジタル化を具体的に示している。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    防爆機器の海外展開やSUS316製品の注力は書かれているが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    佐賀市の企業として事業を営むことは示されるが、地域特性を活かした雇用・経済成長への記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2016年1月にIEC-Ex/ATEXの認定工場となり、海外規格対応製品を製造できるようになった。今後は海外で主流となっている高グレードのSUS316製品に注力し、本格的な海外展開を視野に入れている。小さくともキラリと光るグローバルニッチトップ企業を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。