ものづくり補助金平成28年度製造業熊本県

料理と合わせるビールの醸造・マイクロブルワリーの挑戦

株式会社ダイヤモンドブルーイング

この事例のポイント

  • 醸造タンクは発酵時に内部から高い圧力がかかるため安全性の高い機材が必要だったが、資金の壁があった。
  • マイクロブルワリーとして、スロベニア製の醸造機を導入して醸造を始めた。
  • 理想の環境で醸造をスタートでき、事業全体がスムーズに稼働するようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ダイヤモンドブルーイング
所在地熊本県 熊本市東区
業種飲料・たばこ・飼料製造業
従業員数10人
資本金4,960万円
設立2016年

事業の背景

2012年に起業し、2016年に法人成りした。世界30ヶ国余りを訪れた経験から、地元の酒場やレストランにはその土地のビールがあり、慣習や地場産業と結びついた文化だと感じたという。日本のクラフトビールの市場はビールシェアの約1.5%とされる。アメリカでは市場約40兆円のなかでシェアが約1%からこの15年ほどで約28%に伸びており、日本でも酒税法の改正により今後は参入企業が増えると見込まれる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算醸造タンクは発酵時に内部から高い圧力がかかるため安全性の高い機材が必要だったが、資金の壁があった。
  • 新製品・新技術地元産の食材や独自酵母を使った個性的なクラフトビールを開発し、地域連携も含めて事業をスピード感を持って展開する必要があった。

やったこと

マイクロブルワリーとして、スロベニア製の醸造機を導入して醸造を始めた。醸造タンクは1本あたり250ℓで、工場敷地面積は5坪である。崇城大学の三枝教授、熊本市、熊本高専八代キャンパスの学生と産学官学連携を組み、県内の各名所から採取・培養したオリジナル酵母を活用したクラフトビールの開発を進めた。アワードへの出品も積み重ね、販売主体ではなくラボとして妥協なく製品開発ができる体制を整えた。

加工機スロベニア製の醸造機(1本あたり250ℓの醸造タンク)

新しい製品・サービス:熊本産の食材を使ったクラフトビールや、県内の名所から採取した酵母によるストーリーメイドインジャパンのクラフトビール(現在50種類以上)

事業の効果

理想の環境で醸造をスタートでき、事業全体がスムーズに稼働するようになった。もし廉価版の機材で挑戦していた場合には、商品開発も地域連携も現在のようなスピード感では進められなかったと見ている。工場は生産拠点であるだけでなく、地元農家や企業、自治体と連携するラボとして地域貢献にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    2012年の起業から2016年の法人化、ビール文化を世界へ発信する方針が一貫して書かれており、事業の位置付けは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    日本のクラフトビールシェア約1.5%、米国では約1%から約28%に伸びたと記載があり、市場動向と自社の強みを結びつけた説明がある。

  • 課題の認識と解決3

    課題として資金の壁と知名度不足が挙がり、新工場設立や台湾FC展開など対応策は示されるが、数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    2025年に株式上場といった目標は書かれているが、付加価値額や賃上げの具体的な数値目標は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    崇城大学、熊本市、熊本高専との産学官連携体制が具体的に書かれており、体制の一部はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地元食材を使った50種類以上のクラフトビールや独自酵母によるストーリーなど、製品の特徴と選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    2023年の新工場設立や2025年の上場など時期は示されるが、遂行方法や課題解決の方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    資金の壁があったことと補助金採択で計画通り醸造を始められたことはうかがえるが、財務状況や金融機関からの調達は書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    日本のクラフトビールは市場シェア約1.5%と低く、地元食材や独自酵母を使った高付加価値の個性的なビールを製造している点が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    地元農家や企業、自治体との連携や地域貢献が書かれており、地域への波及効果はうかがえるが、雇用数などの定量的な記載はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    大学や高専と連携して地域の名所から採取した酵母を活用する取組があり、地域連携によるイノベーションの可能性がうかがえる。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    ビール市場の拡大や参入企業の増加に触れており、成長分野への進出の意図はわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及4

    熊本産食材と地元農家との連携による地域の特性を活かしたクラフトビール事業で、地域経済への貢献が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2023年に新工場を設立し台湾へのFC展開を進め、2025年に株式上場を目指す。made in Japanのクラフトビールを熊本から世界に発信する考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。