ものづくり補助金平成28年度学術研究、専門・技術サービス業大分県

車載型地中探査レーダーシステム導入による地域インフラへの貢献

株式会社新日本テスコム

成果1日に1万平方メートル以上の測定が可能

この事例のポイント

  • インフラ老朽化に伴う道路や港湾護岸の空洞を未然に発見する広範囲の検査が、ハンディタイプの探査機では作業効率が悪い。
  • 日本信号と共同で、一般的な乗用車にレーダー探査機を搭載した国産の車両型空洞探査システムを開発した。
  • 1日に1万平方メートル以上の測定が可能。ハンディタイプでは1日数百平方メートルだった検査が、車載型では1日1万平方メートル以上に拡大できる見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社新日本テスコム
所在地大分県 大分市
業種技術サービス業
技術分野測定計測
従業員数28人
資本金300万円
設立1992年

事業の背景

同社は平成17年から非破壊検査業務を手がけ、同年の構造計算書偽造問題をきっかけに構造物の調査需要が増えた。以前からハンディタイプの地中探査レーダーで埋設物調査や空洞探査を行ってきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力インフラ老朽化に伴う道路や港湾護岸の空洞を未然に発見する広範囲の検査が、ハンディタイプの探査機では作業効率が悪い。
  • 新製品・新技術広範囲を短時間で検査できるレーザー探査機搭載車両は海外製で価格が数千万円と高く、メンテナンス面にも課題があった。
  • 販路・情報発信公共工事の調査には参入できず、代替となる検査方法の提案が求められていた。

やったこと

日本信号と共同で、一般的な乗用車にレーダー探査機を搭載した国産の車両型空洞探査システムを開発した。幅1.8メートル、深さ1.5メートルの範囲を、時速40〜50キロメートルで検査できる。道路交通法に違反しないよう、道路と検査ユニットの間に約10センチメートルの空間を設けた。通常は五つのユニットを搭載するが分割も可能で、一つのユニットで1メートル幅を探査できる。製作費は海外製が4000万〜5000万円とされる中、2000万円で製作した。修理部品も国内で迅速に対応できる。

  • 検査測定車載型地中探査レーダーシステム車両型空洞探査システム

新しい製品・サービス:国産初の市販品車載型空洞探査レーダーシステム

事業の効果

  • 1日に1万平方メートル以上の測定が可能
  • 海外製が4000万〜5000万円とされるところ、2000万円で製作

ハンディタイプでは1日数百平方メートルだった検査が、車載型では1日1万平方メートル以上に拡大できる見込みである。市場価格も車載型による検査の半額程度で実施でき、大分県内では格安で提供できる。これまで参入できなかった公共工事の調査業務にも進出可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性港湾施設の広範囲検査でハンディ機は作業効率が悪いという課題と、海外製は高価で修理に半年かかる点を挙げ、国産車載型で対応したと具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決広範囲検査の効率低下と公共工事に参入できない課題を認識し、車載型導入で公共工事の調査市場へ進出する計画が示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標1日1万平方メートル測定可能と数字で示され、市場価格の半額程度で実施できるとあるが、売上や付加価値の目標値は書かれていない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    成長分野への進出インフラ老朽化への対応という文脈はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    平成17年から非破壊検査業務を手がけ、ハンディ型地中探査レーダーで埋設物調査・空洞探査に従事してきたと書かれており、過去の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    港湾施設の広範囲検査でハンディ機は作業効率が悪いという課題と、海外製は高価で修理に半年かかる点を挙げ、国産車載型で対応したと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    広範囲検査の効率低下と公共工事に参入できない課題を認識し、車載型導入で公共工事の調査市場へ進出する計画が示されている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1日1万平方メートル測定可能と数字で示され、市場価格の半額程度で実施できるとあるが、売上や付加価値の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    非破壊検査事業を行う社員28名、資本金300万円の会社と書かれているが、補助事業を遂行する体制の詳細は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    海外製の半額以下の2000万円で製作、大手と競合しない地域市場を狙うと顧客と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    平成30年5月に竹田市で初の検査業務を行い、NETIS登録申請中とあるが、中長期の遂行方法やスケジュールは詳述されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    国産初の市販品車載型空洞探査レーダーとされ、海外製の半額以下で高価格帯の検査市場に新たな選択肢を提示している。

公的補助の必要性3.7
  • 波及効果・雇用4

    道路・港湾護岸の空洞発生を未然に探知し、国土保全による地域貢献を目指すと公共性の高い効果が書かれている。

  • 費用対効果4

    1日1万平方メートル測定が可能で、数百平方メートルの手押し機と比べ検査効率が大幅に高まると数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    レーザー探査機を搭載した国産車両型システムを開発し、日本信号と連携したとあるが、インフラ全体への波及は限定的に書かれている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    インフラ老朽化への対応という文脈はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    大分県から全国へ展開し地域貢献を目指すとあり、大分市や竹田市での実績も書かれているが、地域経済の成長効果は具体的でない。

今後の展望

大手と競合しない地域の市場で、民間工場や護岸の検査、市町村の需要を低価格で請け負い、市場の拡大を目指す。

事業者の声

大分県内であれば格安で実施する

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。