ものづくり補助金平成29年度製造業宮城県

低塩無添加の球型状の新しい水産加工ねり製品の開発

株式会社及善商店

成果糖分を抑えながらもふわふわの食感を保つすり身の調合に成功した。

この事例のポイント

  • 東日本大震災の津波で以前の工場や店舗が流され、震災前の生産体制を立て直す必要があった。
  • 魚肉は低カロリー・高たんぱく質で蒲鉾は適した食品と考え、無添加・低塩分・低糖分の新商品を開発した。
  • 糖分を抑えながらもふわふわの食感を保つすり身の調合に成功した。補助事業で導入した包あんロボットにより、ボール型の成形が自動化され、働き方改革にもつながった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社及善商店
所在地宮城県 南三陸町
業種食料品製造業
技術分野バイオ,バイオ,機械制御,機械制御,測定計測,測定計測
設立1880年

事業の背景

明治13年創業で5代続く南三陸の蒲鉾屋で、笹かまぼこが生産・売上の65〜70%を占める。以前の工場や店舗は海から200mの場所にあったため、東日本大震災の津波で全て流された。2011年9月に登米市に仮設工場を建設し、2017年6月に南三陸でHACCP対応可能な工場を再建した。2019年12月には仙台駅2階の土産物店のテナントに入り、震災前の売上に届くのももう少しだという。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力東日本大震災の津波で以前の工場や店舗が流され、震災前の生産体制を立て直す必要があった。
  • 新製品・新技術無添加・低塩分・低糖分で、子どもや高齢者にも食べやすい新しい蒲鉾の開発が求められていた。

やったこと

魚肉は低カロリー・高たんぱく質で蒲鉾は適した食品と考え、無添加・低塩分・低糖分の新商品を開発した。すり身調合では塩の量を抑え、デンプン・水分等の配合率を最適化して糖分を抑えつつ、ふわふわの食感を保つすり身の調合に成功した。想定していた食感や柔らかさを実現し、タコ、チーズ、ひじきなどを練り込んだ球型の蒲鉾を開発・販売している。補助事業で導入した包あんロボットで、これまでアイスクリームのディッシャーを使っていたボール型の成形を自動化した。

加工機包あんロボット

新しい製品・サービス:低塩無添加の球型状の新しい水産加工ねり製品(タコボール、チーズボール、ひじきボールなど)

事業の効果

  • 糖分を抑えながらもふわふわの食感を保つすり身の調合に成功した。

補助事業で導入した包あんロボットにより、ボール型の成形が自動化され、働き方改革にもつながった。無添加・低塩分・低糖分で、子どもや高齢者に食べやすいソフトな食感の球型蒲鉾の開発に成功し、業務用や宅配サービスの販路を検討している。売上は今期で震災前を完全に突破する見込みとされている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    明治13年創業の蒲鉾屋で、震災後も新工場で笹かまぼこ等を再開し、看板商品の延長として球型製品を開発した流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    南三陸の地域素材(タコ・ホヤ・ホタテ)と「南三陸」ブランド、農林水産大臣賞の実績が強みとして挙げられている。

  • 課題の認識と解決3

    減塩・減糖の新商品開発と介護食への展開を課題対応として示すが、具体的な事業計画の数値は書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの目標値は書かれておらず、震災前売上の突破という実績のみ触れている。

  • 事業を進める体制2

    震災後の工場再建や専務への事業継承の言及はあるが、補助事業を遂行する人員体制の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    子どもや高齢者向け、離乳食・介護食対応の食感や、業務用・宅配への販路検討など顧客ターゲットと選ばれる理由が明確。

  • 事業化までの道筋2

    販路検討中や大きさを模索中とあり、スケジュールや課題解決方法の具体は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    低塩・低糖・無添加の球型蒲鉾で、タコボールやチーズボールなど既存と異なる製品群を展開している点が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    震災被害からの復興と南三陸の地域素材活用、地域の未来に向けた役割が語られており、地域への貢献がうかがえる。

  • 費用対効果2

    包あんロボット導入で成形を自動化したことは書かれるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    包あんロボットによる成形自動化はあるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの波及は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    南三陸の地域素材を活かした球型蒲鉾で、地域の未来を担う事業として位置づけられていることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

売上が今期で震災前を完全に突破する見込みで、今後の展開として業務用や宅配サービスの販路を検討中。

事業者の声

何もなくなったところから、昔の技術を持って未来へ走る。南三陸というだけで新鮮な磯の香りがする製品を、この会社や地域の未来のために送り出していきます。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。