ものづくり補助金平成24年度徳島県

ワカメの根元部を再利用する発酵肥料の製造システムの構築と液状肥料の開発

株式会社東肥糧製造所

この事例のポイント

  • 産業廃棄物として処理されている鳴門ワカメの根元部(メカブ)を再利用したいという相談が徳島県や鳴門市の漁協から寄せられていた。
  • 現在産業廃棄物として処理されている鳴門ワカメの根元部を、発酵技術を使って粉末状と粒状の2通りの肥料に製造した。
  • ミネラルや成長ホルモンなど海藻特有の元素を含む肥料として機能することが確認できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社東肥糧製造所
所在地徳島県 勝浦郡勝浦町
業種食料品製造業
技術分野位置決め
従業員数25人
設立1991年

事業の背景

当社は地元産の魚アラカスを原料とした肥料をすでに商品化している。海藻を肥料に使う事例は海外や国内の一部の産地で見られ、ミネラルや微量元素などを含み、付加価値をつけて高い価格で販売されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力産業廃棄物として処理されている鳴門ワカメの根元部(メカブ)を再利用したいという相談が徳島県や鳴門市の漁協から寄せられていた。
  • コスト・採算海藻を肥料として使う商品は、競争力のある価格で商品化することが課題であった。

やったこと

現在産業廃棄物として処理されている鳴門ワカメの根元部を、発酵技術を使って粉末状と粒状の2通りの肥料に製造した。粉末肥料では現有の釜の圧力や回転数を最適化し、能力不足となるボイラーを新設した。パレタイザーや梱包機も導入し、メカブは調整した有機原料として貯蔵して年間通じて出荷できるようにした。粒状肥料は現有の造粒機で2〜3mmの粒子にした。トマト農家や苺農家に一定期間使用して評価してもらい、検定協会に成分測定を依頼した。液状肥料は煮炊きの時間を調整してエキスを抽出する方法を検討した。

その他ボイラー
加工機パレタイザー
加工機梱包機

新しい製品・サービス:鳴門ワカメの根元部を原料とした粉末状および粒状の発酵肥料と、液状肥料

事業の効果

ミネラルや成長ホルモンなど海藻特有の元素を含む肥料として機能することが確認できた。粉末肥料は能力増強と設備導入により生産性が向上した。トマトや苺の評価で、グルタミン酸などタンパク質の要素が含まれ、おいしい作物づくりに適することが実証された。成長ホルモンの活性化による生育促進やダニの発生抑制の報告もあり、低農薬作物の商品として利用できる見通しを得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の魚アラカス肥料の商品化経験があり、メカブ肥料はそれとブレンドする方針だと読めるが、事業戦略上の位置づけ説明は具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    北欧産海藻粉末と同成分の配合肥料を約2,300〜2,500円で10万袋販売する計画が示され、競合との比較が一部読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    産業廃棄物のメカブ約200tを商品化する計画と、能力不足のボイラー新設などの課題認識が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    10万袋販売と約200tのメカブ商品化という数値目標がある。ただし付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員25人と記載があるのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的説明はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    海藻の微量元素による高品質化や低農薬栽培、糖度向上と日持ち向上など、顧客価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    粉末と粒状の製造工程、農家による性能評価、液状肥料の追加開発など段階的な進め方は読み取れるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    海藻肥料は海外事例があるものの国内では別途散布が一般的とし、メカブ肥料で付加価値をつけ高価格で販売すると示している。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    産業廃棄物問題の解消や地元原料の活用、雇用や地域資源の利用に触れるが、波及効果の定量的な裏付けは薄い。

  • 費用対効果3

    約200tのメカブを有効商品化する効果は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    発酵技術の活用は書かれているが、先端的なデジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの言及はうかがえない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    鳴門ワカメの地元資源を活かし、徳島県や地元漁協と連携して高付加価値化を図る点が読み取れるが、地域経済成長への効果は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

販売単価を約2,300円と約2,500円に設定し、10万袋の販売を計画している。液状肥料と葉面肥料は追加開発を進め、生産・販売を進める。海藻とのブレンドにより高品質の作物栽培と農家の収益向上、労力軽減、安全な作物栽培への貢献を目指す。

  • 目標:開発された発酵肥料の単価を約2,300円と約2,500円に設定し、10万袋を目標に販売を計画
  • 目標:約200トンのメカブを商品化することが可能

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。