ものづくり補助金平成29年度製造業秋田県

Made in 大仙!! ~安全で高品質な花火玉を全国及び海外へ~

響屋大曲煙火株式会社

この事例のポイント

  • 花火玉の上下部分に紙が重なり貼りムラが生じており、花火が開いたときの形(真円)に影響していた。
  • 花火玉の周りをリングが均等な速さで回転しながら糊のついた紙テープを貼る自動玉貼り機を導入した。
  • 自動玉貼り機の導入により、貼り回数の人的ミスがゼロになり、貼りムラやシワも解消されて花火玉の品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名響屋大曲煙火株式会社
所在地秋田県 大仙市
業種その他の製造業
従業員数26人
資本金1,000万円
設立2007年

事業の背景

当社は明治27年創業の大曲花火化学工業(有)より独立し、全国で初となる雷(信号用花火)の製造卸専門会社としてスタートした。製造の危険性から全国的に雷の製造会社が減るなか、当社の安全な雷は全国の花火業者から注文を受けている。伝統的な花火製造技術の継承が進まないことを背景に、雷の得意先から割物花火の製造依頼が増え、今では国内300超の花火業者と取引している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度花火玉の上下部分に紙が重なり貼りムラが生じており、花火が開いたときの形(真円)に影響していた。
  • 人手・技能貼り回数を間違える人的ミスが起きており、打ち上げてみないと気づけなかった。
  • 生産能力手作業では3~5回の貼りと乾燥を繰り返す必要があり、時間と熟練を要していた。
  • 人手・技能法規制で作業人数が制限されており、高品質の花火玉を量産することが難しかった。

やったこと

花火玉の周りをリングが均等な速さで回転しながら糊のついた紙テープを貼る自動玉貼り機を導入した。貼りながら乾く速乾性のある糊を使用し、3~5回の貼りと乾燥を1回の稼働で貼り上げられるようにした。中心の花火玉は自ら回転し、設定回転数を終えると自動停止するため、貼り回数の人的ミスがゼロになった。幅の狭い紙テープを使うことで球体に対して細かく角度調整ができ、余分な重なりやシワを解消できた。玉貼り機の隣にゴロ掛け機を設置し、シワを伸ばす作業の効率も大幅に改善した。

加工機自動玉貼り機
加工機ゴロ掛け機

事業の効果

自動玉貼り機の導入により、貼り回数の人的ミスがゼロになり、貼りムラやシワも解消されて花火玉の品質が向上した。1回の稼働で貼り上げられるようになり作業時間が短縮された。均質な花火玉の供給量を増やせるようになり、急な発注にも必要量を供給できる体制が整った。人員に余力が生まれ、機械では製造できない6号玉以上の大玉づくりに注力できるようになった。国内業者への安定供給に加え、これまで取りこぼしていた海外からの発注にも応えられるようになり、新規取引先開拓の営業活動も始められた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    雷の製造卸から割物花火へ取引を広げた経緯が書かれ、過去の事業の延長上にある取組と読める。経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内300超の花火業者と取引し、海外からの発注にも応じられるとの記述があり強みはうかがえる。外部環境との比較分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の3~5回の貼りと乾燥、貼り回数の人的ミスという課題を挙げ、自動玉貼り機で1回稼働に改善したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業回数が3~5回から1回に減るなど改善は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は数値で書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員26人や資格取得・技術指導に触れるが、補助事業を遂行する体制の具体的な記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は国内花火業者と海外の取引先で、急な発注に必要量を供給できることが選ばれる理由として具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    輸出ノウハウ取得や海外組織加盟など今後の準備は書かれるが、スケジュールや課題解決方法の数値・期限は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    割物花火で6号玉以上の大玉に注力するとあり高付加価値化の方向は読めるが、市場での認知度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    伝統的な花火製造技術の継承や雷製造会社の減少に触れ、地域的な意義がわずかにうかがえる。国が補助する理由までは書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    自動玉貼り機の導入で人的ミスをなくした点はあるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの活用としては具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    秋田県大仙市の地元で伝統花火を製造し、地域の伝統技術の継承に触れている。地域経済への波及効果は数字で示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新型コロナウイルス感染症により花火業界は甚大な影響を受けており、収束後も数年は回復の見通しが立たないため、目標売上高や新規雇用を大幅に見直した。現在は輸出のノウハウ取得、海外組織への加盟、アメリカやヨーロッパへの輸出時のライセンス取得など長期的な準備に注力している。新商品開発や従業員の資格取得、技術指導にも取り組み、経済活動再開時にその成果を発揮する考えである。

事業者の声

「伝統と革新」です。花火造りの歴史と伝統の技を受け継ぎ、しっかりと継承する中にも、常に新たな挑戦を続けることに使命感をもって取り組んでいます。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。