ものづくり補助金平成29年度製造業福島県

〈調合システム〉導入によるパーソナル製品類OEMの生産性向上

株式会社アステス

成果リードタイム 11日→8日

この事例のポイント

  • 現有顧客の生産希望は年間450万個だが、現在の生産能力は年間120万個にとどまっていた。
  • 溶解槽、撹拌装置、チラー用蒸熱タンクなどを導入して香粧品類調合・原材料溶解システムを構築した。
  • リードタイム 11日→8日。秤量から出荷までのリードタイムが8日間となり、従来より3日間(27%)短縮できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アステス
所在地福島県 須賀川市
業種化学工業
技術分野複合・新機能材料
従業員数23人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

株式会社アステスは日進化成グループの一員で、化粧品・医薬部外品・トイレタリー製品の企画・処方開発、充填包装、植物系新素材の開発を主要事業としている。現有顧客からの充填包装の増強要望が高まっていた。当社は化学工業薬品類でバルク製造を経験しており、その調合ノウハウを香粧品に活かしてOEMの完全内製化を図ることとした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現有顧客の生産希望は年間450万個だが、現在の生産能力は年間120万個にとどまっていた。
  • 新製品・新技術自然派・オーガニック(ボタニカル)化粧品市場へ参入するため、植物系新素材の共同開発を切り口に製品づくりを進める必要があった。
  • 人手・技能香粧品OEMの製造工程で、バルク製造を含めた製造の一貫体制が整っていなかった。

やったこと

溶解槽、撹拌装置、チラー用蒸熱タンクなどを導入して香粧品類調合・原材料溶解システムを構築した。バルクの加温・冷却と原料成分の撹拌の均一化が可能となり、バルク製造→充填包装→出荷という一貫した受託体制を整えた。主要顧客の立ち合いの下で新設備によるバルク製造を行い、オーラルウォッシュの原料を秤量して出荷までのリードタイムを検証した(バルク製造量100kg、原料数13、充填量300ml、個数300個)。異物やゴミの混入は目視で確認し、香調・使用感は官能検査で評価し、微生物試験は未検出だった。

加工機溶解槽
加工機撹拌装置
加工機チラー用蒸熱タンク

新しい製品・サービス:植物系新素材を用いた自然派・オーガニック(ボタニカル)化粧品

事業の効果

  • リードタイム 11日→8日
  • 製造原価は1個あたり約20%の削減

秤量から出荷までのリードタイムが8日間となり、従来より3日間(27%)短縮できた。バルクの移送が不要となり、バルク移送料の削減とバルク製造の内製化により、1個あたり約20%の製造原価削減を実現した。バルクの品質は標準品と差がなく、外部の検査で高評価を得て、香粧品OEM完全内製化に向けた品質基準に手ごたえを得た。今後は化学工業薬品のバルク製造で得た調合ノウハウを活かし、収益拡大を図る。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    化学工業薬品のバルク製造経験を香粧品OEMに活かす方針は読み取れるが、過去の取組との一貫性を示す具体的な記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    既存顧客の生産希望が年間450万個に対し生産能力120万個とあり、需要と能力の差は読み取れるが、競争優位の根拠は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    充填包装のキャパシティ不足を課題として挙げ、バルク製造の内製化で一貫体制を構築する解決策と効果が示されている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    リードタイム27%(3日間)短縮、製造原価約20%削減という数値目標と実績が示されており、賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    主要顧客立ち合いの下で設備を据え付けバルク製造を行った経緯は読み取れるが、人材や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自然派・オーガニック化粧品市場の成長を背景に、既存顧客と潜在顧客への植物系新素材の共同開発という顧客ターゲットが示されている。

  • 事業化までの道筋4

    バルク稼働率を30%から段階的に70%へ、3年目にほぼフル稼働と、導入時期と目標の時系列が具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    自然派・オーガニック化粧品は著しい成長を見せる市場とされ、充填包装の外部委託が難しい点で高付加価値の参入を図る内容が読める。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    新たな雇用や需要の創出、地域への波及効果について言及はわずかで、国が補助する積極的な理由は読み取りにくい。

  • 費用対効果3

    製造原価の約20%削減など効果は示されているが、補助金投入額に対する付加価値額の増加は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    植物系新素材の共同開発や一貫受託体制はうかがえるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献の記述はない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自然派・オーガニック化粧品市場への参入という分野進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    福島県須賀川市に立地し地域企業であることはわかるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2年目からは製造案件を増やし、バルク稼働率を30%から70%に引き上げる。3年目にはほぼフル稼働と日産製造数の増加により売上増を見込む。4~5年目には真空乳化装置を導入し、クリームやジェルなど乳化製品の受託製造とほぼ全ての化粧品・医薬部外品の製造を可能にして、新規顧客・受託品目の拡大を図る。

  • 目標:生産能力 120万個/年→450万個/年
  • 目標:バルク稼働率 30%→70%

事業者の声

バルクの製品検査で高評価が得られ、その品質は標準品と差異がありませんでした。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。