ものづくり補助金平成29年度製造業福島県

高品質で差別化する生産体制確立のためのIT活用

南産業株式会社

成果代表部材の加工時間 240秒/枚→100秒/枚

この事例のポイント

  • 材料の段替え時間が多くなりがちで、生産の流れが滞りやすかった。
  • 設計・生産指示者があらかじめ加工データを作成し、CNCマシニングセンタへ機械的に情報を入力する体制をとった。
  • 代表部材の加工時間 240秒/枚→100秒/枚。材料の段替え時間を大幅に削減し、加工データを事前に作成する体制で加工ミスを減らした。

事業者のプロフィール

事業者名南産業株式会社
所在地福島県 福島県いわき市
業種家具・装備品製造業
技術分野精密加工,機械制御
従業員数69人
資本金5,000万円
設立1962年

事業の背景

集合住宅や戸建住宅に据え付ける木製家具を製造し、システムキッチンや食器棚、洗面化粧台、玄関収納、クローゼットなどを住宅設備機器メーカーからのオーダーで納入している。多品種少量生産を追求して他社との差別化を図っていたが、材料の段替え時間が多くなりがちだった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力材料の段替え時間が多くなりがちで、生産の流れが滞りやすかった。
  • 品質・精度形状や寸法を手入力するため、加工ミスが発生しやすかった。

やったこと

設計・生産指示者があらかじめ加工データを作成し、CNCマシニングセンタへ機械的に情報を入力する体制をとった。木取計算ソフトと連動させ、原板の歩留まりを大幅に改善した。7本の異なる刃物を指示に基づいて使い分け、ワークをセットしたままで形状加工を可能にした。位置決め用バキュームアームでX方向テーブル終端にワークを自動で合わせ、リフターで切断機へ投入する自動材料投入機能により、原材料の段替えに20~30分を要していた作業を大幅に削減した。

加工機CNCマシニングセンタ
ソフト木取計算ソフト
その他位置決め用バキュームアーム
その他自動材料投入機
その他リフター
加工機部材切断加工システム
ソフト新規データ作成ソフト

事業の効果

  • 代表部材の加工時間 240秒/枚→100秒/枚
  • 前工程の仕掛け 600枚→300枚

材料の段替え時間を大幅に削減し、加工データを事前に作成する体制で加工ミスを減らした。新設備の加工精度は±0.2mm以内で、取引先の要求品質±0.3mmを下回った。導入後の試行では穴位置不良が1件だけで、深さ不良や打痕キズ、セットミス、落下は0件だった。加工能力も高まり、前工程の仕掛けも半減する見通しとなり、高品質と差別化を両立する生産体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    木製家具の製造やCNC加工のIT活用が過去の取組として続いており、継続的な方向性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多品種少量生産で他社との差別化を図り、規格量産品と同等の品質・価格・納期を取引先から評価されている点はうかがえるが、市場動向の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    段替え時間20~30分、加工ミス、手入力の課題を挙げ、データ連携と自動投入で段替え時間ゼロ、加工精度±0.2mm以内と数値で解決策を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    代表部材の加工時間が240秒/枚から約100秒/枚に短縮、前工程仕掛けを600枚から300枚へ半減と具体的な数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員69名で多能工育成や製造マニュアル改定を進める方針は書かれているが、補助事業の遂行体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    取引先の要求品質±0.3mm、規格量産品並みの品質・納期が支持されていると書かれ、選ばれる理由の一部は読み取れるが、顧客ターゲットは整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    操作セットミスは習熟で削減できると思われる、データ作成ソフトを完成させるなど課題と解決方法は示されるが、スケジュールは明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    多品種小ロットの特注木製家具を追求し、ほとんどの設備が自動機械で、高水準の品質・納期を実現していると読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    集合住宅や戸建住宅向け木製家具の納入、新規取引先獲得など地域需要への関わりがうかがえるが、波及効果の記載は薄い。

  • 費用対効果4

    加工時間の約60%短縮、仕掛け半減、不良削減などの効果が数値で示され、費用対効果を読み取れる材料がある。

  • イノベーションへの貢献3

    木取計算ソフトとの連動やICを活用した生産ラインなど先端的IT活用が見られるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    福島県いわき市の木製家具メーカーとして地域に立地する旨はうかがえるが、地域特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産量・販売量を増やして既存取引先の実績を伸ばし、新規取引先の獲得も目指す。並行して品質保証体制を強化し、製造マニュアルの改定と連動して多能工の育成を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。