ものづくり補助金平成29年度建設業茨城県

大型不燃液含浸設備の導入による高生産性不燃木材の製造プロセスの確立

株式会社森久

成果処理期間 40日→10日

この事例のポイント

  • 当初は1日あたりの製造量が少なく、大量受注に対応できないという悩みがあった。
  • 薬剤を含浸させるための大型不燃液含浸設備として、真空加圧含浸装置を導入した。
  • 処理期間 40日→10日。大型不燃液含浸設備の導入により、木材の不燃化処理の製造プロセスを構築し、現在の試作製作から量産体制を具現化した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社森久
所在地茨城県 小美玉市
業種総合工事業
従業員数6人
資本金500万円

事業の背景

国土交通大臣認定の不燃・準不燃木材「森フネンウッド」を製造販売している。不燃薬液を木材に染み込ませた製品で、建物の壁や床材として使われ、燃えにくく避難時間を確保できる点が利点とされる。需要が高まっているが、主に公共施設の内装材として使われるため、一つの発注に対する製造数量が多く、納期の早さも求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力当初は1日あたりの製造量が少なく、大量受注に対応できないという悩みがあった。

やったこと

薬剤を含浸させるための大型不燃液含浸設備として、真空加圧含浸装置を導入した。直径1.6メートルで、奥行きはサブロク板(1800mm×900mm)にも対応できる。これにより、従来40日かかっていた処理が10日でできるようになり、今までの4倍の製造量を確保できた。薬剤を含浸させた後に木材を低温で乾燥させる遠赤低温乾燥機は、製造量の増加に伴い施設を増設し、工場の2階に設置した。最後は木工機で、壁や天井に貼るための羽目板や羽板など多様な形状に仕上げている。

加工機真空加圧含浸装置
その他遠赤低温乾燥機
加工機木工機

事業の効果

  • 処理期間 40日→10日
  • 製造量 1倍→4倍

大型不燃液含浸設備の導入により、木材の不燃化処理の製造プロセスを構築し、現在の試作製作から量産体制を具現化した。処理期間の短縮と製造量の増加により、拡大する需要や大量受注に対応できるようになった。新しい機械により大きな木材も加工でき、新しい製品の開発にも着手できるようになった。その結果、顧客満足の向上と自社ブランド力の強化につながる効果が得られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    不燃・準不燃木材を製造販売しており、過去からの主力製品として一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    公共施設の内装材需要の高まりや自社の内装業経験に触れており強みは読み取れるが、競争優位性を裏付ける記述は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    量産体制が整わない課題を挙げ、真空加圧含浸装置導入で処理日数が40日から10日、製造量4倍になったと具体的に示している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製造量4倍という数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の判断材料が乏しい。

  • 事業を進める体制2

    従業員6名であることと、従業員全員で技術を身に付ける方針がうかがえるのみで、補助事業を遂行する体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    燃えにくく有害物質を出さない安全性や木の質感を両立する点、公共施設や美術館などでの利用ニーズが具体的に記述されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は製品レベル向上や新製品開発に取り組みたいとあるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国土交通大臣認定の不燃木材を、同分野で高水準の製品として製造販売している点が具体的に示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    公共施設や保育園などで安全な内装材を提供する意義はうかがえるが、経済波及や雇用創出への言及は薄い。

  • 費用対効果3

    製造量4倍、処理日数40日から10日という生産性向上は示されているが、補助金額に対する費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    茨城県小美玉市の事業者として木材加工を行う点は読み取れるが、地域の特性を活かした成長牽引の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は従業員全員が木材の特性などを理解し、身に付けた技術・ノウハウで製品レベルの向上を図り、他社との差別化をしていく。不燃化が難しいとされている材料の開発や、エンドユーザーが求める製品づくりにも取り組みたいという。公共施設の内装に加え、以前から携わっている内装業の経験を生かし、設計事務所などの顧客も増やしていきたいとしている。

事業者の声

温もりや質感を残しながら不燃化させることで、安心安全も供給できるようになった。以前から携わっている内装業で培った製品の仕上がりを意識しながら、不燃木材を普及させていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。