ものづくり補助金平成29年度卸売業、小売業福井県

強度や含水率の見える地域材の安定供給と無垢材の高機能商品開発事業

有限会社平田木材店

この事例のポイント

  • 熱処理機による人工乾燥に時間がかかり、対応できる材料の長さも最長4mに限られていた。
  • 最長8mまで対応できる蒸気式高温木材乾燥機HD77/SM-TH9型を新設した。
  • 乾燥能力が格段に向上し、納期をはじめ顧客のニーズに応えられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社平田木材店
所在地福井県 大飯郡高浜町
業種建築材料、鉱物・金属材料等卸売業
技術分野表面処理,材料製造プロセス,測定計測
資本金2,090万円
設立1969年

事業の背景

若狭や京都北部産の木材製品の受注が、国や県の推奨を背景とした地域材の木造住宅への活用の広がりで増えていた。木材の品質を決める乾燥工程が、受注に応える上での課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力熱処理機による人工乾燥に時間がかかり、対応できる材料の長さも最長4mに限られていた。
  • 納期・工程6mある梁などは1年以上の自然乾燥か外注が必要で、納期に間に合わず受注機会を逸していた。
  • 品質・精度木材の強度や精度、風合いを決める乾燥の品質を数値で示す手段がなく、顧客の信頼を得にくかった。

やったこと

最長8mまで対応できる蒸気式高温木材乾燥機HD77/SM-TH9型を新設した。2つの窯があり、間の扉を開放すると最長8mの材料の乾燥が可能で、温度や加湿時間などを設定して使用する自動制御式である。製品の強度を数値で表示できるグレーディングマシンHG-2001を導入した。無垢の質感を残しながら傷が付きにくくする木材表面加工機ヒートローラーHR-210を導入し、200℃前後に熱して1〜2tの力を加えて表面処理を行い、フローリング材など体に直接触れる製品の表面処理を始めた。

  • 加工機蒸気式高温木材乾燥機HD77/SM-TH9型
  • 検査測定グレーディングマシンHG-2001
  • 加工機木材表面加工機ヒートローラーHR-210

新しい製品・サービス:無垢の質感を残し傷が付きにくい表面加工を施したフローリング材など、体に直接触れる製品

事業の効果

乾燥能力が格段に向上し、納期をはじめ顧客のニーズに応えられるようになった。強度を数値で示せるようになったことで顧客の信頼を獲得した。他社との差別化を図り、高い品質と無垢材の心地よさを融合させた住まいの新たなサービスモデルを構築・提供できるようになった。乾燥材の量産が可能になり、生産性と品質、売上がアップした。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.1 / 5

この事例が強かった観点

  • 5
    地域経済への波及若狭・京都北部の地域材を生かし、ショールームや製材工場見学で地域の木の価値を伝える取組があり、地域特性の活用が際立つ。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性若狭・京都北部の地域材と、3機による高品質・無垢材の心地よさの組み合わせで他社との差別化を図っている点が具体的。
  • 4
    課題の認識と解決乾燥に6日前後・4mの制約で6m梁を逸注していた課題を認識し、8m対応の乾燥機導入で納期と受注機会の改善につなげている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標生産性・売上アップとあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字が示されておらず薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    製材から建材加工・建築へ事業を広げ、既存の木材事業を基盤に新設機械で乾燥・表面処理を追加した一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    若狭・京都北部の地域材と、3機による高品質・無垢材の心地よさの組み合わせで他社との差別化を図っている点が具体的。

  • 課題の認識と解決4

    乾燥に6日前後・4mの制約で6m梁を逸注していた課題を認識し、8m対応の乾燥機導入で納期と受注機会の改善につなげている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性・売上アップとあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字が示されておらず薄い。

  • 事業を進める体制3

    2021年度に大卒・院卒の新入社員4人を採用し若手育成を進める計画があり、体制面の取組が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    フローリング材のサンプルPRで本加工のニーズを確認し、県外からの注文増加やウェブショップ開設で顧客層を広げている。

  • 事業化までの道筋3

    乾燥機導入で乾燥期間が短縮され生産性が上がったとあり、工程のボトルネックを解消する遂行方法が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    無垢材の質感を残しつつ傷が付きにくくする表面処理を導入し、体に触れる製品の高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地域材の木造住宅利用の推進を背景に、若手の新規雇用と地域材活用による地域の木材需要への貢献が読み取れる。

  • 費用対効果2

    生産性・品質・売上の向上は触れられているが、補助金額に対する付加価値増加の数字が示されておらず判断が弱い。

  • イノベーションへの貢献3

    自動制御の乾燥機や表面加工機を導入し、含水率制御などで効率的な乾燥作業を実現しており、設備面の技術革新がある。

政策面3.5
  • 成長分野への進出2

    木材の国内活用推進の流れに触れているが、日本経済の構造転換への寄与を示す記述は限定的である。

  • 地域経済への波及5

    若狭・京都北部の地域材を生かし、ショールームや製材工場見学で地域の木の価値を伝える取組があり、地域特性の活用が際立つ。

今後の展望

新設した機械のメリットを活かすため機械周辺の環境整備を進め、さらなる作業効率向上を目指す。2021年度に大卒・院卒の新入社員4人が入社したため、若い人材を育成し事業の継続・発展を図る。

  • 目標:従来は4〜6か月の自然乾燥後に熱処理機で6日前後の人工乾燥を行っていた。

事業者の声

木材の温かみや香りに包まれたショールームへ足を運んで頂きたい。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。