ものづくり補助金平成29年度製造業山梨県

高精度測定を精密加工に連動させた高精度ロボット用加工部品の安定的拡大供給

有限会社大中精機製作所

成果目標測定ばらつき ±0.008mm以内に抑えることができることを確認した

この事例のポイント

  • ロボット用部品ベアリングホルダーの外径φ210で、直角度や平面度などの幾何公差を測定できず、出荷検査は一部のみで品質保証が不十分だった。
  • 新規三次元座標測定機を導入し、出荷検査に適用して加工および品質保証体制を整備した。
  • 目標測定ばらつき ±0.008mm以内に抑えることができることを確認した。新規三次元座標測定機の導入により、検査工程での寸法測定のばらつきが抑えられ、幾何公差も測定できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社大中精機製作所
所在地山梨県 大月市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数30人
資本金300万円
設立1981年

事業の背景

大中精機製作所は1965年(昭和40年)に市川社長の父が創業し、1981年に法人化した精密金属切削加工の会社である。主要得意先に世界トップレベルのロボットメーカーがあり、そこからの受注が近年増加している。ロボット用部品ベアリングホルダーが主力加工部品の一つに成長しており、産業ロボット市場の拡大も背景にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ロボット用部品ベアリングホルダーの外径φ210で、直角度や平面度などの幾何公差を測定できず、出荷検査は一部のみで品質保証が不十分だった。
  • 生産能力受注が30%近く増えて月600個となり、恒温室での三次元座標測定機による100個に1個の抜き取り検査と、測定物の運搬負荷による加工時間の延長で生産性が低下し、増産要請に対応しきれなかった。
  • 品質・精度幾何公差を満たさない部品が1%前後で返品となっていた。

やったこと

新規三次元座標測定機を導入し、出荷検査に適用して加工および品質保証体制を整備した。測定機は温度変化に対応でき、機械加工エリア内に設置して加工機の近くで部品を測定できるようにした。これにより、これまで測定できなかった部品の幾何公差測定と正確な寸法測定を加工へフィードバックできるようになった。目標測定ばらつきは±0.008mm以内に抑えられることを確認した。

検査測定三次元座標測定機

事業の効果

  • 目標測定ばらつき ±0.008mm以内に抑えることができることを確認した

新規三次元座標測定機の導入により、検査工程での寸法測定のばらつきが抑えられ、幾何公差も測定できるようになった。加工機の近くで測定し加工へ即時にフィードバックできるため、歩留まりが良くなり、信頼性と生産性の向上を両立できる見通しが立った。ロボット部品の高精度化要求に応え、今後の受注増につなげていく見通しを得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業の経緯や父から継いだ精密加工の歴史は読み取れるが、今回の設備投資が経営戦略にどう位置付けられるかの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    主要得意先の世界トップレベルのロボットメーカーからの受注が増加し、ロボット用部品の需要拡大に対応する必要があると具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    ばらつき±0.008mm以内の目標や、出荷検査で1%前後の返品が出ていた課題が示され、高精度化による対応策が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    目標測定ばらつき±0.008mm以内を確認したと書かれるが、付加価値額や賃上げの目標数値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    父から継いだ市川社長の修業歴や周辺の力添えは書かれるが、補助事業を遂行する人員や事務体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ロボット用ベアリングホルダーの寸法・幾何公差要求や、食品・医薬品分野向け新製品の発売など、ターゲットとニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    新規三次元測定機の導入と旋盤加工へのフィードバックという方法は書かれるが、中長期のスケジュールや課題解決の段取りは読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ロボット用部品の高精度加工で差別化を図るとあり、高水準の付加価値化を狙う方向は読み取れるが、市場の普及度についての記述は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    産業ロボットの市場拡大や宇宙開発への協力がうかがえるが、国が補助する積極的理由としての波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    測定時間短縮と歩留まり向上による信頼性・生産性の向上が見込まれると書かれるが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    測定結果を加工へフィードバックする仕組みは書かれるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    産業ロボットや食品・医薬品分野への拡大が書かれ、成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    山梨県大月市の地域企業であることは分かるが、地域の特性を活かした雇用創出や経済成長への記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

食品・医薬品分野への拡大を目指しており、防塵・防滴・防錆性能を向上させた新製品を開発して平成30年3月期に発売している。

  • 目標:幾何公差を満たさず1%前後の返品となる

事業者の声

なんでも、曽祖父が遺言のような提案をして、家を建て会社を立て、墓を建てなさい、と言ったら嬉しいです

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。