ものづくり補助金平成24年度奈良県

世界各国からの高級靴下製造依頼に小ロット且つ短納期にて生産可能な設備の導入

野富株式会社

成果アナログメカ機で5分(カセットテープ)かかっていた柄の読み込みが、ドラムレス機ではUSBにより数秒で済む

この事例のポイント

  • 従来のアナログメカ機による小ロット生産は、労働経費に対する費用対効果が出にくい。
  • 既存の編機60台のうち5台を、ドラムレス(コンピュータ化)機に置き換えて導入した。
  • アナログメカ機で5分(カセットテープ)かかっていた柄の読み込みが、ドラムレス機ではUSBにより数秒で済む。ドラムレス機の導入により、従来手動で行っていた調整やデザイン設定がコンピュータ化され、柄の読み込みも大幅に短くなった。

事業者のプロフィール

事業者名野富株式会社
所在地奈良県 北葛城郡広陵町
業種繊維工業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数20人
資本金4,000万円
設立1970年

事業の背景

戦後、ナイロン等の合成繊維がストッキングを中心に普及したが、当社は天然繊維にこだわり、綿の中でも数%しかとれない超長綿を使った高級靴下を作り続けてきた。通常は1柄で5,000足~10,000足のオーダーが一般的だったが、パリで展開する日本人女性2人のブランドから1柄5~6足の発注があり、これに小ロット・短納期で応じてきた。従来のアナログメカ機では対応に限界があるため、国内にとどまらず世界中からの膨大な顧客ニーズに応えるには機械のドラムレス化(コンピュータ化)が必要と考えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算従来のアナログメカ機による小ロット生産は、労働経費に対する費用対効果が出にくい。
  • 生産能力短納期に対応できず、依頼を受けることに限界が出ている。
  • 新製品・新技術表現できるスタイルに限りがあり、複雑化する顧客ニーズに対応しきれない。
  • 品質・精度原料の超長綿を通常の3倍使って強度を増すと価格が高くなるため、合成繊維を使わずに強度を増す方法が課題になっている。

やったこと

既存の編機60台のうち5台を、ドラムレス(コンピュータ化)機に置き換えて導入した。このドラムレス機は3.5インチに針が240本あり、従来は手動で行っていたメカニックな調整やデザイン設定をコンピュータで行う。柄の読み込みはUSBを使い数秒で済み、サイズデータも読み込める。アナログメカ機で5分かかっていた柄の読み込みに対し、大幅に時間を短縮した。これにより、ギャザーやフリルなど従来できなかった編方や、プリント柄のような鮮やかなニットも可能になり、小ロット・短納期のオーダーに対応できるようになった。

加工機ドラムレス(コンピュータ化)機

新しい製品・サービス:ギャザー、フリル等の従来できなかった編方や、プリント柄のような鮮やかなニット

事業の効果

  • アナログメカ機で5分(カセットテープ)かかっていた柄の読み込みが、ドラムレス機ではUSBにより数秒で済む

ドラムレス機の導入により、従来手動で行っていた調整やデザイン設定がコンピュータ化され、柄の読み込みも大幅に短くなった。これにより小ロット・短納期のオーダーに対応できるようになった。ギャザーやフリルなど従来できなかった編方や、プリント柄のようなニットも実現し、世界に通用する製品づくりが可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来の天然繊維・高級路線へのこだわりと、阪急百貨店納入など過去の取組から一貫した経営方針が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    1柄5~6足の小ロット対応や海外ブランドからの発注、超長綿の使用など、強み・外部ニーズを踏まえた位置付けが読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    アナログ機の限界を課題として示し、ドラムレス機5台導入で短納期・小ロット対応を実現する解決策が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    高付加価値靴下の年間売上を3年目450万円、5年目1,000万円と数字で示している。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員20名、既存60台の編機といった規模は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    海外ブランドからの1柄5~6足の発注やパリコレ出展、阪急百貨店納入などニーズの裏付けと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    課題と解決策は示されているが、導入スケジュールや中長期の検証方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    超長綿の3倍使用による高品質化や、ドラムレス機で複雑な編方を可能にした点など、同分野で高水準の高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    海外市場獲得や国内高級靴下市場の拡大は示されているが、国が補助する波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    従来機との作業時間比較(5分・10分・20分・25分)はあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ドラムレス化(コンピュータ化)による編機の活用は示されるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外高級市場への進出は読み取れるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及3

    奈良県広陵町の事業者として天然繊維製品を作る点は読み取れるが、地域の雇用や経済成長への波及は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高付加価値靴下の年間売上は3年目に450万円、5年目に1,000万円を目標とする。小ロット生産の年間売上は3年目に200万円、5年目に1,000万円を目標とする。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。