ものづくり補助金平成29年度製造業愛知県

航空宇宙産業等向け高精度治工具における自由形状研削加工の高効率化と技術伝承への取組み

渡辺精密工業株式会社

成果3年以内の新卒採用者離職率はゼロとなった

この事例のポイント

  • 自由形状の研削加工には高い職人技術が必要で、その技術を持つのはベテラン社員が中心だった。
  • 平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金を活用し、最新のCNCジグ研削盤を導入した。
  • 3年以内の新卒採用者離職率はゼロとなった。最新設備の導入により操作性が改善し、比較的難易度の低い加工ではCAD/CAMを使わなくても安定した精度を保持できるよう…

事業者のプロフィール

事業者名渡辺精密工業株式会社
所在地愛知県 名古屋市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数52人
資本金2,400万円
設立1947年

事業の背景

渡辺精密工業株式会社は、航空宇宙、自動車、電子部品、家電など日本のモノづくり企業全般を顧客とし、ゲージの設計・製造・販売を主力に、加工治具、金型部品、測定器等の設計・製造・販売も手掛けている。ミクロン単位の切削、研削、放電加工・測定計測に対応し、治工具のオーダーメイド製作に定評がある。宇宙業界では自由形状で構成される部品が多く、耐久性向上のため焼入処理も行うことから、高度な研削加工工程が必要となる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能自由形状の研削加工には高い職人技術が必要で、その技術を持つのはベテラン社員が中心だった。
  • 生産能力既存の機械は性能面で制限があり、若手社員が自由形状加工を行うには課題があった。
  • 品質・精度既存設備では加工熱により製品が変形する恐れがあり、注意が必要だった。
  • 新製品・新技術機械精度と機械剛性が低く、砥石の性能を活かしきれていなかった。

やったこと

平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金を活用し、最新のCNCジグ研削盤を導入した。導入により、①装置操作性に関する課題、②加工熱変形が発生しやすく加工技術量が出来栄えを大きく左右する課題、③機械精度と機械剛性が低く砥石の性能を活かしきれない課題の3点を解決した。新設備の導入と設備操作手順書の作成により、次世代を担う社員へ高難度の製品の製造業務の継承を推進した。

加工機CNCジグ研削盤
その他設備操作手順書

事業の効果

  • 3年以内の新卒採用者離職率はゼロとなった

最新設備の導入により操作性が改善し、比較的難易度の低い加工ではCAD/CAMを使わなくても安定した精度を保持できるようになった。使いこなせる社員の幅が広がり、生産性が向上した。加工熱による変形は最小限に抑えられ、工数の低減につながった。人材が定着し技術力が向上したことで、品質の安定と生産性向上が期待され、他業界向けの加工技術も習得して事業拡大と技術伝承が図られることが期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    航空宇宙・自動車など顧客と70年超の実績が述べられ、過去の取組との一貫性は読めるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    宇宙・自動車・電子部品など顧客業界とミクロン単位の加工・測定への対応力が強みとして示されるが、市場動向との関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    操作性・加工熱変形・機械剛性の3課題を挙げ、冷却機能追加で変形を抑え、高付加価値化・売上増大につながる計画が読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標数値は示されておらず、売上増大と技術伝承が期待されるとあるのみで実現可能性は判断しにくい。

  • 事業を進める体制4

    ベテラン社員から若手へ技術継承を進め、設備操作手順書の作成や次世代社員への業務継承を行う体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    航空宇宙・自動車向け治工具の高精度加工という製品価値は示されるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは整理して書かれていない。

  • 事業化までの道筋3

    既存設備の課題を3点挙げ、導入・手順書作成・技術継承と段階的に解決した流れは読めるが、今後の中長期の検証やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    自由形状研削加工という高難度の加工分野に取り組み、他業界向け加工技術も習得したとあるが、分野の普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    宇宙・自動車など日本のモノづくり全般を支える点は触れられているが、波及効果や雇用創出の具体的な数値はうかがえるのみである。

  • 費用対効果3

    3年以内の新卒離職率がゼロになり、生産性向上や変形による工数低減が述べられているが、補助金額に対する効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    名古屋市港区を拠点とし地域のモノづくり業界を支える点が述べられているが、地域特性を活かした雇用や成長への寄与は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

更なる売上の増大と技術の伝承が図られることが期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。