ものづくり補助金平成29年度製造業大阪府

製造工程の見直しとそれに伴う品質向上、生産体制拡大

扇港樹脂工業株式会社

この事例のポイント

  • 医薬品メーカーなどからの増産要望に、従来の目視による検査体制では対応しきれず、検査能力が限界に近づいていた。
  • キャップの全数検査に、CCDカメラを搭載した自動検査機を導入した。
  • 自動検査機の導入により、キャップの全数検査の能力が大幅に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名扇港樹脂工業株式会社
所在地大阪府 交野市
業種プラスチック製品製造業
技術分野情報処理,情報処理
従業員数29人
資本金1,200万円

事業の背景

目薬容器やキャップ、首曲げボトル、中栓などを中心に、医薬品業界向けのプラスチック製品を製造している。約20社ある主要取引先の多くが医薬品関連で、主力製品の目薬容器のうちキャップは売上高の約80%を占める。高齢化の進展やコンタクトレンズの普及などにより、目薬の需要は右肩上がりで伸びている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力医薬品メーカーなどからの増産要望に、従来の目視による検査体制では対応しきれず、検査能力が限界に近づいていた。
  • 人手・技能目薬容器のキャップの全数検査を、5人の熟練者による目視検査に頼っていた。
  • 品質・精度キャップの全数目視検査では、異物や汚れの見落としを防ぐ体制として不十分になりつつあった。

やったこと

キャップの全数検査に、CCDカメラを搭載した自動検査機を導入した。カメラでキャップの天面、底面、側面、内面のネジ部の異物や汚れを迅速かつ高効率に検知できるようにした。これにより検査能力を大幅に向上させるとともに、検査技術を先端化した。これまでキャップの全数目視検査を担当していた5人の熟練者は、他の製品の検査にシフトさせ、その技能を生かして検査業務全体のレベルアップを図った。今後は自動検査の技術を社内で水平展開する考えである。

事業の効果

自動検査機の導入により、キャップの全数検査の能力が大幅に向上した。検査と生産のリードタイムが短縮され、納期の短縮につながった。検査人員のコストも削減された。これまで目視検査に従事していた熟練者を他の製品の検査に振り向けることができ、検査業務のレベルアップも進んだ。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.6 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決目視検査の全数検査体制を自動化し、検査能力の大幅向上と熟練者5人の他製品へのシフトという具体的な課題解決策が書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値や賃上げの数値目標は書かれておらず、生産性拡大や利益最大化という方向性のみがうかがえる。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の目視検査体制から自動検査機導入へ、医薬品向け品質管理の取組が続いていることが読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    医薬品メーカーの増産要望と、射出成形・ブロー成形の二方式を持つ強みが書かれ、外部環境と強みの関係がうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    目視検査の全数検査体制を自動化し、検査能力の大幅向上と熟練者5人の他製品へのシフトという具体的な課題解決策が書かれている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの数値目標は書かれておらず、生産性拡大や利益最大化という方向性のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    ISO9001やISO15378取得、大阪ものづくり優良企業賞受賞など品質体制は読み取れるが、補助事業の遂行体制は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医薬品向け目薬容器・キャップの取引先が約20社あり、キャップが売上の約80%を占めるとあるが、選ばれる理由は一部のみ。

  • 事業化までの道筋2

    今後は自動検査技術の水平展開や自社ブランド立ち上げを考えているとあるが、スケジュールや解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    目薬キャップの全数検査を自動化し、高水準の品質管理を図る点は読み取れるが、市場の普及度との比較は書かれていない。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    医薬品業界の品質ニーズへの対応は読み取れるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    検査時間短縮やコスト削減に触れているが、補助金額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CCDカメラ搭載の自動検査機で検査技術を先端化したとあるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    大阪府内の企業として顕彰を受けたことは書かれるが、地域の雇用や経済成長を牽引する記述は乏しい。

今後の展望

自動検査の技術を社内で水平展開し、品質管理や改善活動をさらに進める。また、自社ブランドの立ち上げによる飛躍を目指し、調査・準備を進めている。

事業者の声

プラスチックを使って、わが社にしかできない何かを生み出したい。今はそのための調査・準備をしている

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。