ものづくり補助金平成29年度製造業奈良県

国産材に適応した油圧式木製パレット製造システム構築による品質向上

野原精密木工株式会社

この事例のポイント

  • 海外原木の高騰により国産材へ移行する中、国産材は水分が多く強度が劣り釘割れが発生しやすいという課題の解決が急務だった。
  • コンピュータ制御により常時油圧力を監視し、設定範囲内の油圧レベルのときのみ釘打ちする油圧制御方式を確立した。
  • ステンレス製釘の採用と油圧制御方式により釘割れの発生が低減され、品質向上体制が構築された。

事業者のプロフィール

事業者名野原精密木工株式会社
所在地奈良県 五條市
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野接合・実装
設立1944年

事業の背景

昭和19年創業の当社は、輸送用木製パレットの製造から始まり、現在は梱包用部材、合板パレット、輸出用スチール枠など物流パレット全般の製作・販売を行っている。木製パレット分野では月産約16,000〜20,000枚の製造が可能で、鉄製分野では輸出用トラクターやエンジンの梱包枠を製作している。奈良県内唯一の木製パレット製造業者として、原木から製材・製造・販売まで一貫生産できる体制を持つ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度海外原木の高騰により国産材へ移行する中、国産材は水分が多く強度が劣り釘割れが発生しやすいという課題の解決が急務だった。
  • 品質・精度従来の油圧式釘打ち方式では油圧が低下すると釘の打ち込みが安定せず、木材同士の接合が不十分となってパレットの製造品質が安定しなかった。
  • 生産能力生産設備・能力は限界に達しており、顧客からの発注が増えているにもかかわらず自社で生産できる数量しか販売できず、機会損失となっていた。

やったこと

コンピュータ制御により常時油圧力を監視し、設定範囲内の油圧レベルのときのみ釘打ちする油圧制御方式を確立した。これにより油圧の低下による釘打ちの不安定さを防いだ。接合部材にはステンレス製釘を用い、釘割れの発生を低減した。これらにより国産材を用いた木製パレットの品質向上と生産能力の増強を図った。

加工機コンピュータ制御油圧式釘打ちシステム

事業の効果

ステンレス製釘の採用と油圧制御方式により釘割れの発生が低減され、品質向上体制が構築された。不良発生率が低減し、生産能力の増強が可能となった。その結果、木製パレットの市場競争力が向上した。既存・新規顧客の要求にもタイムリーに応えられるようになり、経営力の向上につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    昭和19年創業で木製パレット製造から事業を始めたことは読めるが、経営戦略上の位置付けや過去取組との一貫性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    奈良県内唯一の木製パレット製造業者で、原木から製材・販売まで一貫生産できる点が強みとして具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    海外原木高騰と国産材の釘割れ課題を認識し、油圧制御で釘打ちする方式の確立で解決を図ると書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    月産約16,000〜20,000枚の生産能力は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    全社員が製造工法・技術を磨いていると書かれるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    短納期・少量多品種、小ロットからレンタルパレットまで対応する顧客ニーズへの対応が書かれ、選ばれる理由は読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    油圧制御方式の確立と釘割れ低減の手段は書かれるが、スケジュールや中長期の検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ステンレス製釘の採用や油圧制御による高品質化が書かれ、同分野で品質を高める取組とは読めるが、高価格化の数字はない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    国産材へのシフトや地域の林業活用に触れるが、波及効果や雇用創出の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果2

    不良発生率の低減や生産能力増強とあるが、補助金額に対する費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    コンピュータ制御による油圧監視はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    奈良県五條市の所在地と県内唯一の製造業者という記述がある程度で、地域の経済成長への貢献は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。