ものづくり補助金平成29年度製造業奈良県

社会インフラ高度化に質する高品質コンクリート生産体制の確立

株式会社吉田生コンクリート

この事例のポイント

  • 価格競争が続く一方で、耐震基準の厳格化により高強度・高流動・繊維混合など特殊生コンの需要比率が高まり、業界全体で品質がより求められるようになっていた。
  • 補助事業では水の管理を徹底するため、品質・出荷・販売・動荷重の各管理システムを導入した。
  • 水分量のリアルタイム自動測定が可能となり、品質の向上と安定化、廃棄ロスの削減につながった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社吉田生コンクリート
所在地奈良県 奈良市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野情報処理,測定計測

事業の背景

当社は昭和年設立、平成年に法人化し、レディーミクストコンクリート(生コン)製造を主事業とする。奈良県広域生コンクリート協同組合に所属し、組合員の内で奈良市内唯一の製造工場として公共事業や民間土木現場へ幅広く納入している。近年は生コン工場の統廃合で事業者数が減り、JIS規格生コンの価格適正化は進んだものの、二次製品の使用増により生コン出荷量は増えにくい状況にある。一方で特殊生コンの需要比率が高まっており、当社は高強度コンクリートの国土交通省大臣認定を取得しているため付加価値の面で高い競争力を確保している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度価格競争が続く一方で、耐震基準の厳格化により高強度・高流動・繊維混合など特殊生コンの需要比率が高まり、業界全体で品質がより求められるようになっていた。
  • 生産能力品質の向上と安定化、生産効率の向上による利益率の改善が当面の課題だった。
  • 品質・精度生コン製造において水分比率が最終強度と耐久性を左右するが、骨材の表面水量は天候や時間経過で刻々と変わるため、品質の安定化には水の管理が不可欠だった。

やったこと

補助事業では水の管理を徹底するため、品質・出荷・販売・動荷重の各管理システムを導入した。あわせてラジオアイソトープ技術を活用した表面水率測定器と単位水量測定器、出荷管理用の配車用電光掲示板を導入した。これにより水分量のリアルタイム自動測定が可能になった。ミキサはバッチ式強制練り2軸パドルで容量2500L、最大製造能力150㎥/hである。

検査測定表面水率測定器(ラジオアイソトープ技術活用)
検査測定単位水量測定器(ラジオアイソトープ技術活用)
その他配車用電光掲示板
ソフト品質・出荷・販売・動荷重の各管理システム

事業の効果

水分量のリアルタイム自動測定が可能となり、品質の向上と安定化、廃棄ロスの削減につながった。表面水量のサンプリング試験が効率化され、配車も円滑になって業務効率が格段に向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    価格競争から品質競争への転換と高強度コンクリートの大臣認定取得が書かれ、過去の取組との連続性がうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    奈良市内唯一の製造工場で、組合内でも2社しかない大臣認定を保有し、特殊生コンの需要増という外部環境と強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    品質の安定化と生産効率向上による利益率改善という課題を挙げ、水分量の自動測定導入で廃棄ロス削減と業務効率化を図る流れが示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値の増加や賃上げの数値目標は書かれておらず、廃棄ロス削減や業務効率向上の定性的な記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    組合所属や組合役員の実績、女性経営者の体制整備は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高強度・高流動・繊維混合生コンなど特殊生コンの需要増と、大臣認定という選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入設備は示されるが、中長期の課題検証や遂行スケジュール、課題解決の方法は記載がほとんどない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    特殊生コンの需要比率が高まっていると述べるが、同分野での高水準の高付加価値化を数値で示す記述はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    耐震基準の厳格化や公共事業への納入は書かれるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    廃棄ロス削減や業務効率の向上は書かれるが、補助金投入額に対する付加価値増加や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    水分量のリアルタイム自動測定という先端的な計測技術の活用は読み取れるが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルは書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    奈良市内唯一の工場として地域に納入し、地域産業の活性化に貢献する方針が書かれているが、雇用創出の数値は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も高品質な製品の安定供給に努めていく。

  • 目標:最大製造能力150㎥/h

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。