ものづくり補助金平成29年度製造業徳島県

菌床椎茸の廃菌床を活用した木質系バイオマス燃料の開発

有限会社丸浅苑

この事例のポイント

  • 農家の高齢化などで廃菌床の堆肥需要が減り、一般廃棄物としての処理が増えていた。
  • 菌床は原料がチップ化された木質系天然素材であることから、木質バイオマス燃料としての再利用を目指した。
  • 廃棄物処理費が削減され、乾燥用バーナーの燃料として自家消費することで石油燃料費も削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社丸浅苑
所在地徳島県 徳島市
業種食料品製造業
技術分野バイオ
従業員数45人
資本金1,000万円
設立1997年

事業の背景

廃菌床は以前から堆肥として活用されてきたが、農家の高齢化などにより需要が減少した。そのため一般廃棄物としての処理が増え、処理費用の増加が経営を圧迫していた。オガクズや米ヌカから作られる菌床は資源として価値があるため、廃菌床の有効活用を目指した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他農家の高齢化などで廃菌床の堆肥需要が減り、一般廃棄物としての処理が増えていた。
  • コスト・採算廃菌床の処理費用が増加し、経営を圧迫していた。
  • その他環境負荷を考えると廃菌床を廃棄するのは忍びなく、有効活用したいと考えていた。

やったこと

菌床は原料がチップ化された木質系天然素材であることから、木質バイオマス燃料としての再利用を目指した。粉砕乾燥機と木質ペレットバーナー、ペレット造粒システムを導入した。ブロック状の廃菌床を破砕して混合し、乾燥させてペレット状に成形し、燃料として製品化した。水分含有量を10%程度まで乾燥させ、成形のしやすさと燃料としての燃焼効率を高めた。

加工機粉砕乾燥機
その他木質ペレットバーナー
加工機ペレット造粒システム

新しい製品・サービス:廃菌床を破砕・乾燥してペレット状に成形した木質バイオマス燃料

事業の効果

廃棄物処理費が削減され、乾燥用バーナーの燃料として自家消費することで石油燃料費も削減できた。木質バイオマス燃料の供給事業者としてFIT認定を受け、販路を開拓した。施設園芸暖房燃料や家庭用暖房燃料として販売するほか、県外の温泉施設へボイラー燃料の供給を開始した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    廃菌床の堆肥利用や一般廃棄物処理の増加という経緯は書かれているが、事業全体の経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    県外温泉施設への供給やFIT認証、しいたけハンバーグ開発がうかがえるが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    廃菌床処理費の増加を課題として認識し、乾燥機の能力拡大を今後の課題と挙げている。処理費や石油燃料費の削減という成果も書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    廃棄物処理費と石油燃料費の削減が実現したと書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数45名や設立年月日は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    木質バイオマス燃料の販路として施設園芸、家庭用、県外温泉施設への供給先が挙げられており、顧客ターゲットはある程度読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    FIT認定取得や販路開拓、乾燥機のキャパシティアップ課題が書かれているが、スケジュールや解決方法は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    木質バイオマス燃料の製品化やペレット成型は書かれているが、普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    廃棄物削減と循環型生産システム、地域の施設園芸への燃料供給が書かれており、社会的意義はうかがえるが波及効果の数値はない。

  • 費用対効果2

    廃棄物処理費と石油燃料費の削減が実現したとあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    廃菌床の循環利用や自家発電による完全循環型生産システムの構想がうかがえるが、先端デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    再生可能エネルギーであるバイオマス燃料の事業化は読み取れるが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及3

    徳島県の農産物認証や地元の農家との循環、県外販路がうかがえ、地域資源を活かした事業と読める。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

バイオマス発電所などの大量需要に対応するため、乾燥機のキャパシティアップが今後の課題である。将来は自家発電による完全循環型生産システムの構築を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

香川県製造業平成27年度

最新製版機の導入による効率化とコスト削減

生産能力が現有製版機の約3倍となる最新製版機を導入し、製版工程の生産性向上と、それに伴う製版作業の残業低減を図った。

効果:製版機の生産能力 1倍→3倍

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。