ものづくり補助金平成29年度製造業佐賀県

新型平盤打抜機等の大型化に向けた高精度重切削加工の社内一貫生産計画

株式会社三川

成果芯出し時間 360分→30分

この事例のポイント

  • 従来の設備では7トンまでの部品しかテーブルに載せられず、10トンを超える部品は社内で加工できなかった。
  • 検討の結果、従来の機械より段ボールシートが流れるラインのサイズを拡大できる新たな平盤打ち抜き機が必要と判断した。
  • 芯出し時間 360分→30分。横中ぐりフライス盤の導入により社内一貫生産体制が構築でき、7トンを超える大型部品を高精度・短納期・低コストで生産できる…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社三川
所在地佐賀県 みやき町
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数43人
資本金1,000万円
設立1950年

事業の背景

当社は段ボールの製函・加工を行う機械を開発・製造・販売しており、平盤ダイカッター方式の機械を主力としている。販売先は国内にとどまらず、アメリカ、ヨーロッパ、東南アジアにも広がっている。段ボール製造機のメーカーは国内に数社しかなく、多品種・小ロットに強いことが当社の特徴である。段ボール業界の生産量は毎年1〜2%のペースで増加傾向にあり、より早く大量にボックスを生産できる設備が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の設備では7トンまでの部品しかテーブルに載せられず、10トンを超える部品は社内で加工できなかった。
  • 生産能力10トンを超える部品は外注先に委託せざるを得ない状況だった。
  • 納期・工程精度を維持するため加工の途中で機械を止めて寸法を確認することを繰り返す必要があり、時間と手間がかかっていた。

やったこと

検討の結果、従来の機械より段ボールシートが流れるラインのサイズを拡大できる新たな平盤打ち抜き機が必要と判断した。その課題解決のため、横中ぐりフライス盤を新たに導入した。これまで7トンまでだった被加工物が12トンまで内製化できるようになった。自動芯出し機能により、芯出しにかかる時間が360分から30分へと大幅に短縮された。余裕のある重切削が可能になり、スピードは30%アップした。

加工機横中ぐりフライス盤

事業の効果

  • 芯出し時間 360分→30分
  • 内製化可能な被加工物の重量 7トン→12トン

横中ぐりフライス盤の導入により社内一貫生産体制が構築でき、7トンを超える大型部品を高精度・短納期・低コストで生産できるようになり、他社との競争力が高まった。これまで外注していた外周加工などを内製化でき、経費の削減とリードタイム短縮にもつながった。芯出し工程の時間が大幅に短縮され、全体の加工時間短縮と生産性向上を実現した。作業効率向上と経営改善により賃上げも実現し、給与総額ベースで1.25%アップ、従業員32名中31名の給与がアップした。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    一貫生産体制と長年の鋳鉄加工で培ったノウハウを活かし、横中ぐりフライス盤を導入したと書かれており、過去の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    多品種・小ロットに強く、営業から製造まで一貫体制を持つ点が強みとして示され、7トンから12トンへの内製化で競争力向上を図っている。

  • 課題の認識と解決4

    7トン制限や10トン超の外注依存、芯出し作業の手間という課題が具体的に示され、横中ぐりフライス盤の導入で解決を図っている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    芯出し時間を360分から30分へ、スピードを30%アップさせたと実績数値があるが、事前に設定された目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員43人の体制や営業から製造まで一貫した組織は示されているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    段ボール製函・加工機械を販売し、既存ユーザーを優先して3,000社へ営業する予定と、顧客ターゲットと提案の順序が明確に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    新ラインの稼働後に課題を抽出・検証して改善を図る方針や、ボックスメーカーへの営業計画が示されているが、スケジュールは具体化されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    段ボール製造機は国内に数社しかないとされ、小中ロットに強い特徴を持つが、同分野の中での高付加価値化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    業界生産量が毎年1〜2%増加し、海外展開も行っていることや、賃上げ実現による従業員への還元が示されている。

  • 費用対効果3

    芯出し時間の大幅短縮や外周加工の内製化による経費削減が示されているが、補助金額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    新設備の導入は書かれているが、デジタル技術の活用やサプライチェーン全体のイノベーションに関する記述はうかがえない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    段ボール業界の生産量増加に対応する設備開発が述べられているが、日本経済の構造転換に資する成長分野への進出は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    佐賀県みやき町に所在することは記載されているが、地域特性を活かして地域の雇用や経済成長を牽引する記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ボックスメーカー3,000社への営業を行う予定である。まず既存の自社製品ユーザーに優先的に提案し、その後は他社メーカー導入先の入れ替え時期や稼働状況をヒアリングしながらアプローチする。新ラインを稼働させて新たな課題を抽出・検証し、設備投資と生産体制の改善を続けて品質や納期に応えていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。