ものづくり補助金平成29年度製造業佐賀県

ユニットバス鋼板パネル加工のライン生産による生産性向上

株式会社福富製作所

成果40%の加工時間短縮が実現

この事例のポイント

  • 現状の設備ではタレパンのサイクルタイムが後工程を大きく上回り、ライン生産に切り替えると後工程への物の供給が間に合わない可能性があった。
  • ユニットバス壁パネルの製造工程を、サイズ別のロット生産から出荷順のライン生産に切り替えるため、㈱アマダ社製のCNCタレットパンチプレス<AE-2510NT>を導入した。
  • 40%の加工時間短縮が実現。新しいタレパンはプレス速度・送り速度が約1.7倍、加工範囲が1.3倍となり、加工時間が40%短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社福富製作所
所在地佐賀県 佐賀市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数24人
資本金1,000万円
設立1927年

事業の背景

当社は金属・非金属の各種部品加工を中心に設計から製作まで一貫生産を行い、多種小ロットから量産まで対応している。売上の大部分を占めるLIXILのユニットバス用鋼板パネル(売上比率77%)はロット生産で、ロットごとに段取り替えが発生していた。ほかにコマツの重機用オイルフィルタ(9%)、ホンダの二輪車用部品(10%)など様々な分野の製品を手掛けている。ユニットバスは全て受注生産で、物件ごとのオーダーメイドのため一品一様の対応が求められてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現状の設備ではタレパンのサイクルタイムが後工程を大きく上回り、ライン生産に切り替えると後工程への物の供給が間に合わない可能性があった。
  • コスト・採算ユニットバス壁パネルはロット生産のため段取り替えが多く、大量の仕掛品が作業スペースを圧迫し、取り置きや運搬の無駄が発生していた。

やったこと

ユニットバス壁パネルの製造工程を、サイズ別のロット生産から出荷順のライン生産に切り替えるため、㈱アマダ社製のCNCタレットパンチプレス<AE-2510NT>を導入した。また、LIXILより鋼板切断機が貸与され、これまでタレパンで行っていた鋼板の切断と穴加工を2台で分担し、作業時間の短縮を図った。新しく導入したタレパンは、以前から保有している同型の機械に比べプレス速度・送り速度が約1.7倍、加工範囲が1.3倍になっている。さらにプログラム作成をソフト導入で自動化し、従来の図面からの手入力・登録による手間とミスを減らした。

加工機CNCタレットパンチプレス<AE-2510NT>(㈱アマダ社製)
加工機鋼板切断機(LIXILより貸与)
ソフトプログラム作成ソフト

事業の効果

  • 40%の加工時間短縮が実現
  • プレス速度・送り速度 1倍→1.7倍
  • 加工範囲 1倍→1.3倍

新しいタレパンはプレス速度・送り速度が約1.7倍、加工範囲が1.3倍となり、加工時間が40%短縮された。消費電力が削減され、作動油交換も不要になった。プログラム作成を自動化したことで省人化とミス防止につながった。ライン生産により仕掛品を持つムダが減り、生産性が向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    ユニットバス用鋼板パネル(売上比率77%)の受注・ロット生産を軸にした事業構成と、ライン生産への切替という課題認識が読み取れるが、経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    ユニットバスは受注生産でLIXILの製品に依存しているとあり、市場動向や競争上の強みの分析は書かれていない。コスト競争への言及はあるが、優位性の根拠が乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    ロット段取り替えによる仕掛品・運搬ムダという課題を明示し、ライン生産で生産時間短縮と仕掛品削減を実現した点が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間40%短縮、プレス速度・送り速度約1.7倍、加工範囲1.3倍と数値で成果が示されており、目標値の実現性が読み取れる。ただし付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員24人の規模と社員の表彰歴はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記載は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ユニットバス用パネルの受注生産という顧客ニーズや、低コスト・短納期が強みという点は読み取れるが、ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    導入設備の成果とプログラム自動化の効果は書かれているが、中長期の課題検証やスケジュールの記載は限定的である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ユニットバス用鋼板パネルは既存分野で、新市場性や高付加価値化の水準を示す記述はほぼ見当たらない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    ユニットバス市場の拡大への期待が述べられているが、雇用創出や波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    加工時間40%短縮や消費電力削減、作動油交換不要などの効果は示されているが、補助金投入額との比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    プログラム作成をソフトで自動化し省人化・ミス防止につなげた点はあるが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    佐賀市の企業という地域情報はあるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

他の設備も含め、20~30年稼働の設備を更新しながら機械の自動化・半自動化による省人化に取り組む。加工の高効率化・高速化で顧客の求める製品の短納期を実現し、低コスト・短納期を強みに競争に勝ち抜くことを目指す。プレス・板金・溶接や木工以外の分野にも営業活動を広げ、将来は自社商品の開発・製造にも取り組みたいと考えている。

事業者の声

不良品を作らない、出さない(検査を徹底して流出させない)。納期を順守して、お客様の信用を落とさない。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。