ものづくり補助金平成29年度卸売業、小売業佐賀県

最新玉葱全自動ピーリングシステムによる新たな生産方式の導入

有限会社佐賀東部青果

成果直径50mm〜110mmの幅広いサイズに対応できるようになった

この事例のポイント

  • 人員不足や設備の老朽化により生産性が低下し、販売先からの要望に全てに対応できない状況が続いていた。
  • 主力商品のタマネギを加工するため、オランダFinis製の自動タマネギピーラー設備を導入した。
  • 直径50mm〜110mmの幅広いサイズに対応できるようになった。一次加工を施したタマネギを冷凍食品・チルド食品・外食・中食業界へ提供することで価値向上と新規取引先の開拓が実現できる。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社佐賀東部青果
所在地佐賀県 白石町
業種飲食料品卸売業
従業員数75人
資本金1,710万円
設立1983年

事業の背景

当社は佐賀県白石地区の「白石たまねぎ」を主に扱う青果卸売業者で、むきタマネギ加工や福富れんこんの卸売も行っている。農産物の産出額や量販店・スーパーでの青果販売額は減少傾向が続いている。一方、冷凍・チルド食品、外食・中食産業は市場規模が安定し、今後も成長が見込まれる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力人員不足や設備の老朽化により生産性が低下し、販売先からの要望に全てに対応できない状況が続いていた。
  • 人手・技能人員不足のため、作業の省人化が求められていた。
  • 新製品・新技術高付加価値な商品を効率的に量産できる設備が不足していた。

やったこと

主力商品のタマネギを加工するため、オランダFinis製の自動タマネギピーラー設備を導入した。選果後の原料受け入れから皮むきまでを全自動で行い、カメラによる自動整列機能と、ナイフとドリルによる天地カット機能を備える。プレートを変更することで直径50mmから110mmまでの幅広いサイズのタマネギに対応でき、生産時期や生産地の異なるタマネギを加工できるようになった。カッティングや皮むきをシステム内部で行うため、涙の原因となる物質の拡散が最小限となる。

加工機オランダFinis製自動タマネギピーラー設備

新しい製品・サービス:皮むき・天地カット・芯とりなどの一次加工を施したタマネギ製品

事業の効果

  • 直径50mm〜110mmの幅広いサイズに対応できるようになった

一次加工を施したタマネギを冷凍食品・チルド食品・外食・中食業界へ提供することで価値向上と新規取引先の開拓が実現できる。生産性の向上により従来より低い単価での対応が可能となり、価格競争力が強化される。省人化により余った経営資源をタマネギ以外の青果の一次加工に投入できる見込みである。作業環境の改善により人材定着も期待でき、他産地からの仕入れが可能になって販売先への安定供給と雇用確保にもつながる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和58年創業の青果卸で、むきタマネギ加工業務の実績があり、一次加工の拡大へ続く一貫した流れが事例から読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    冷凍・チルド・外食・中食の市場は今後も成長が見込めるとし、白石たまねぎを扱う強みを活かして価格競争力を強める方針が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    人員不足と設備老朽化による生産性低下という課題を明示し、全自動ピーラーで受け入れから皮むきまでを機械化する解決策が示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げができたとの記述はあるが、付加価値や賃上げの具体的な目標値や数字は事例に示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員75人と営業主任の名前はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理の担当についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客として冷凍食品・チルド食品・外食・中食業界を挙げ、幅広いサイズに対応できる点や新規取引先の開拓につながる点が書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の機械化推進や一次加工・二次加工の拡大は触れられているが、導入スケジュールや課題の解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    タマネギを一次加工して販売先へ提供し価値を高める点は書かれているが、同分野での高付加価値化の水準や位置づけは数字で示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    地場産地の不作時に他産地から仕入れて安定供給し、従業員の雇用確保や地域農業の振興に寄与すると述べられている。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値額の増加、生産性向上の数値が示されておらず、費用対効果は事例文からは判断できない。

  • イノベーションへの貢献3

    カメラによる自動整列や自動カットなどの自動化は書かれているが、先端的なデジタル技術の活用やサプライチェーンへの波及は限定的である。

政策面70%
  • 成長分野への進出3

    冷凍・チルド・外食・中食など成長が見込める市場へ一次加工品を供給する方向性が書かれているが、構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及4

    白石地区の白石たまねぎを扱い、地元の人材雇用や地場産地の安定供給を通じて地域の農業と雇用を支える事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今回の設備導入を契機に、今後も作業工程の機械化を進め、一次処理および二次処理の加工業務を拡大して事業基盤を広げる方針である。産地に根差した事業者として、自給率の低下や耕作放棄地の増加、後継者不足といった業界の課題の解決に貢献したいと考えている。

事業者の声

生産性が向上したことです。作業負担が軽減され、さらには賃上げもできました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。