ものづくり補助金平成29年度製造業長崎県

創業400年の伝統を活かした切り込み入り長崎カステラの全国販売

株式会社松井老舗

この事例のポイント

  • カステラを切る作業は熟練した職人にしかできず、全従業員では対応できなかった。
  • 課題を解決するため、クロススライサー(TX-07型)を導入した。
  • 作業時間が62.5%削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社松井老舗
所在地長崎県 島原市
業種食料品製造業
従業員数11人
資本金100万円
設立2013年

事業の背景

創業約400年の歴史があり、地元島原で愛されてきた菓子店である。主力商品は国産はちみつや厳選した卵などを使い独自の製法で作る「長崎カステラ(五三焼)」である。流通は県内にとどまらず、全国の百貨店やスーパー、商社と取引し、全国の催事にも出店して顧客を獲得している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能カステラを切る作業は熟練した職人にしかできず、全従業員では対応できなかった。
  • 品質・精度切り込みが一直線にならない場合があり、品質面で取引先の要望に応えられなかった。
  • 生産能力切り込み作業に時間がかかり、量産の面で取引先の要望に応えられなかった。

やったこと

課題を解決するため、クロススライサー(TX-07型)を導入した。カステラを手動でセットすると縦と横の二段階で切断される。従来は製品の種類ごとに刃のサイズを変える必要があったが、新しい機械ではその手間がなくなった。切り込み入りのカステラを簡単に量産できるようになり、切断面も美しく均一にカットできて品質も向上した。機械へのセットだけでよいため熟練の技能は不要となり、全従業員が対応できるようになった。

加工機クロススライサー(TX-07型)

新しい製品・サービス:切り込み入り長崎カステラ

事業の効果

作業時間が62.5%削減された。熟練の職人は冷まして熟成させるという重要な工程に時間を使えるようになった。切断面が美しく均一になり品質も向上した。熟練を必要としないため全従業員が対応可能になり、取引先の要望に応えられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    400年の歴史と全国の百貨店・商社との取引はあるが、今回の設備投資が経営戦略に位置付けられたとは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先からの切り込み要望に応えるため量産体制を整えたとあり、外部ニーズへの対応は読み取れるが、競争優位の分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    熟練職人の作業時間が課題として挙げられ、クロススライサー導入で作業時間62.5%削減という数値で解決が示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業時間62.5%削減は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    全従業員が対応可能になったとあるが、従業員数11名以外の体制や事務処理能力は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    切り込み入りカステラへの取引先の要望と、切断面の美しさ・均一性という品質面の強みが読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    個包装販売を検討中で将来的な商品展開も示されるが、スケジュールや解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    五三焼は独自製法で濃厚と説明されるが、普及度や高価格化の数値は書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地元島原での伝統菓子の継承という文脈はあるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    作業時間62.5%削減と職人の時間の振り替えが書かれ、効果は読み取れるが投入額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    島原で400年続く地元の菓子店である点は読み取れるが、地域経済の牽引効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ANAプレミアムクラスの機内食のデザートとして五三焼が採用され、一切れずつ提供したところ好評であった。今後は一切れずつ包装して販売することを検討しており、将来的には切り落としから個包装まで幅広く商品展開する方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。