ものづくり補助金平成30年度製造業北海道

もっと多くの人たちに「スペシャルティコーヒー」を.新型焙煎機導入により更なる市場開拓に挑戦

株式会社きゃろっと

成果生産力 1倍→3倍

この事例のポイント

  • 職人の勘と技に頼っており、再現性が難しかった。
  • 国内屈指の精密機器メーカーと組み、コンセプト設計の段階から参画して、オーダーメイドの新型焙煎機を開発・導入した。
  • 生産力 1倍→3倍。1日の生産量(焙煎後)が約480kg増え、生産力と収益力が約3倍に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社きゃろっと
所在地北海道 恵庭市
業種食料品製造業

事業の背景

スペシャリティコーヒーが市場で台頭し、消費者の嗜好が「多少高くても本当に美味しいもの」へ移っている。同社ではコーヒー豆の定期配達サービスの会員数が直近5年間で約3倍に増え、2012年に年間売上が1億円を超えた。需要が拡大する一方で、焙煎の再現性が難しく職人の技術に依存していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能職人の勘と技に頼っており、再現性が難しかった。
  • 生産能力手作業の焙煎が追いつかず供給が不足し、新規会員の募集を一時的に停止せざるを得なかった。
  • 品質・精度既存の焙煎機を単純に大型化して焙煎能力を増やすと、同社最大の強みである「唯一無二の味づくり」が損なわれるという課題があった。

やったこと

国内屈指の精密機器メーカーと組み、コンセプト設計の段階から参画して、オーダーメイドの新型焙煎機を開発・導入した。焙煎時に生じる熱量や排出される風量を可視化し、火力や熱量、排気を細かく調整できるようにした。既存の焙煎機では職人の経験や勘に頼っていた部分を数値化し、大型化しても豆の内部までふっくらと焙煎できるようにした。同社4台目となる大型の焙煎機を導入し、焙煎工程の省人化も実現した。

  • 加工機オリジナル新型焙煎機大型

新しい製品・サービス:新型焙煎機(精密機器メーカーと共同開発したオリジナル大型焙煎機、同社4台目)

事業の効果

  • 生産力 1倍→3倍

1日の生産量(焙煎後)が約480kg増え、生産力と収益力が約3倍に向上した。職人の技術を数値化して機械化したことで、従来の味づくりを維持しながら増産できるようになった。焙煎工程の省人化により、浮いた人員を新規顧客獲得のマーケティング業務に充てられるようになり、事業全体の生産性も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    強み・弱みを踏まえた優位性定期配達会員2万4千人超、継続率98%以上、2015〜19年に会員約3倍と市場動向を示し、焙煎機の内製的な開発で他社にない味づくりを強みとしている。
  • 5
    顧客とニーズの裏付けスペシャリティコーヒーを商品化し、定期配達会員2万4千人超・継続率98%以上というニーズの裏付けと、手紙同封などファンを得る理由が明確に整理されている。
  • 4
    これまでの取組との一貫性同社の強みである「唯一無二の味づくり」と、ファン拡大・定期配達の実績を踏まえ、自家焙煎機の増強が既存の事業活動の延長として位置づけられている。
経営戦略との整合性4.3
  • これまでの取組との一貫性4

    同社の強みである「唯一無二の味づくり」と、ファン拡大・定期配達の実績を踏まえ、自家焙煎機の増強が既存の事業活動の延長として位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性5

    定期配達会員2万4千人超、継続率98%以上、2015〜19年に会員約3倍と市場動向を示し、焙煎機の内製的な開発で他社にない味づくりを強みとしている。

  • 課題の認識と解決4

    生産能力不足で新規会員募集を一時停止した課題を示し、1日約480kg増産で生産力・収益力が約3倍に向上する具体的な効果が書かれている。

事業の実現可能性3.8
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1日約480kgの増産、生産力・収益力約3倍向上、売上2022年10億円台見込みと数値目標が示され、実績の積み上げから実現性が読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    代表がSCAA認定などの資格を持ち、精密機器メーカーと共同で開発・導入を進めた体制が記述されている。

  • 顧客とニーズの裏付け5

    スペシャリティコーヒーを商品化し、定期配達会員2万4千人超・継続率98%以上というニーズの裏付けと、手紙同封などファンを得る理由が明確に整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    試行錯誤を経て熱量・風量を可視化し数値化した開発過程と、既存機の大型化では味が損なわれる課題を踏まえた導入の進め方が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    スペシャリティコーヒーは認知度・理解度がまだ低いと記述され、高付加価値の唯一無二の味づくりで高価格帯を狙う点が読み取れる。

公的補助の必要性3.7
  • 波及効果・雇用3

    省人化により浮いた人員を新規顧客獲得の業務に充て、事業全体の生産性向上に寄与した点が記述されている。

  • 費用対効果4

    生産力・収益力が約3倍に向上し、当該工程の省人化で人員を別業務に振り向けられるなど、投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    熱量・排気の数値化や熟練技能の機械化を実現した世界で唯一の焙煎機を開発し、業界の製造工程にイノベーションをもたらす事例である。

政策面3.0
  • 成長分野への進出3

    スペシャリティコーヒーという成長する市場の分野へ進出し、購買層の拡大と市場の活性化につながったと記述されている。

  • 地域経済への波及3

    恵庭市を拠点に自家焙煎コーヒーを販売し、国内外の農園から豆を買い付け高付加価値を生んでいる点が記述されている。

事業者の声

あらゆる条件を試して味の違いを何度も確認する。この作業をさまざまな品種の豆で行っています。そうやって経験を積み重ねていくことで、唯一無二の味を創り出しているんです

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。