ものづくり補助金平成30年度製造業福島県

超精密溶接技術を活かしたヒーターチップ等の内製化による付加価値向上計画

有限会社福島熔材工業所

成果寸法精度に関して従来値と比較して80%向上

この事例のポイント

  • メーカーから支給されたヒーターチップの精度が悪く適正な電流が流れず、高精度の接合ができなくなっている。
  • 熱電対ヒーターチップの内製化に向けて、新たに最新のワイヤ放電加工機を導入した。
  • 寸法精度に関して従来値と比較して80%向上。新たに導入したワイヤ放電加工機により、寸法精度、面粗さ、自動結線率が大きく向上し、目標以上の成果を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社福島熔材工業所
所在地福島県 福島市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数12人
資本金1,000万円
設立1943年

事業の背景

当社は創業当初から被覆アーク溶接棒メーカーとしての溶接技術を持ち、半導体及び精密医療機器、電子デバイス分野で接合技術を用いた製品を手がけている。昨今は接合の高精度化・小型化のニーズが高まり、当社への相談は溶接個所にとどまらず熱電対ヒーターチップ全体の性能に関するところにまで拡大している。熱電対ヒーターチップは半導体分野に限らず、医療や電子部品、光ファイバー等の通信分野にも広がる見込みで、受注は今後も増加が大いに見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度メーカーから支給されたヒーターチップの精度が悪く適正な電流が流れず、高精度の接合ができなくなっている。
  • 品質・精度パルスヒートによる接合の高精度化と摩耗への耐久性強化が必要である。
  • 人手・技能現状の生産体制では熱電対ヒーターチップの内製化を実現するには、設計上の基準も満たさなければならなかった。

やったこと

熱電対ヒーターチップの内製化に向けて、新たに最新のワイヤ放電加工機を導入した。この導入機はワイヤ電極による高精度加工の実現を図るもので、自動結線技術の向上、短絡等の発生を防ぐコーナー加工制御技術の導入、シャフトリニアモータによる超精密送りの技術向上が図られた。導入機によるサブミクロン単位の数値制御技術は精密加工用電極線との組み合わせにより、タングステン等への超精密加工を可能にし、従来困難であった微細加工を検証した。これらを活用するための体制を確立した。

加工機ワイヤ放電加工機

新しい製品・サービス:熱電対ヒーターチップ(内製化による新製品)

事業の効果

  • 寸法精度に関して従来値と比較して80%向上
  • 面粗さに関しては約95.6%向上
  • 自動結線率については30%向上

新たに導入したワイヤ放電加工機により、寸法精度、面粗さ、自動結線率が大きく向上し、目標以上の成果を達成した。タングステンへの対応も可能となり、ヒーターチップの形状に柔軟に対応できるようになったことで、顧客の要望に耐えうる接合方法が確立できた。パルスヒート接合の高精度化・耐久性を支えるヒーターチップ部分を内製化する体制が整い、受注増と新規取引先の開拓を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業当初からの溶接技術と75年以上の実績が事業の一貫性を示すが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他企業では解決できない製品に対応し、半導体・医療機器分野で信頼性の高い製品を生むとあり強みはうかがえるが、市場動向との比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    熱電対ヒーターチップの性能悪化という課題を明示し、内製化で付加価値向上を図る計画が具体的に示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    寸法精度80%向上、面粗さ約95.6%向上、自動結線率30%向上と数値目標に対する成果が示されている。ただし付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員12名で内製化体制を整えたとあるが、人材や事務処理能力の詳細は記載されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療・電子部品・光ファイバー分野での需要拡大や取引先の検証結果を挙げ、顧客ニーズと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    内製化の段階的な取組や今後の改良余地は示されるが、具体的なスケジュールは記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    タングステン対応や超精密加工など同分野で高水準の加工を行う点はうかがえるが、高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    半導体・医療など幅広い分野への波及がうかがえるが、国が補助する積極的な理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    成果の数値は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    新技術の導入で高精度化を図るが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は限定的にしかうかがえない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療・電子部品・通信分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資する記述は明確ではない。

  • 地域経済への波及2

    福島市の地域の事業者として活動し「メディカルクリエーションふくしま」での展示が挙げられるが、地域経済への効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

取引先に新技術導入を案内し、啓発強化と具体的な案件の掘り出しを行う。大手企業からも熱電対ヒーターチップ製造が期待されており、需要に応えられる体制を構築したい。自社HPや展示会でPRを図り、新規取引先の開拓と受注増を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。