ものづくり補助金平成30年度製造業石川県

自社製品の付加価値向上、販路開拓のための加工工程開発

有限会社カネイシ

成果充填生産能力 60本/時間→300本/時間

この事例のポイント

  • 手詰めによる充填作業では1時間あたり60本程度しか充填できず、生産性が低かった。
  • 補助金を活用して半自動充填機を導入し、手作業だった充填工程を機械化した。
  • 充填生産能力 60本/時間→300本/時間。半自動充填機の導入により充填の生産性が大きく向上し、生産効率が改善した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社カネイシ
所在地石川県 能登町
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数9人
資本金1,000万円
設立1979年

事業の背景

有限会社カネイシは、地元能登小木港で浜揚げされる冷凍スルメイカを原材料に「いかの塩辛」を長年製造してきた。近年続くスルメイカの不漁により魚価が上昇していた。包材はガラス瓶にシュリンク包装を巻き専用ラベルを貼る方式で、その包材自体も値上がりしていた。製品の充填も手作業で行っており、生産方法と包材の見直しによる製造コスト削減が喫緊の課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手詰めによる充填作業では1時間あたり60本程度しか充填できず、生産性が低かった。
  • コスト・採算包材自体の価格が上昇し、手作業による非効率な生産から製造原価が上昇していた。
  • コスト・採算近年続くスルメイカの不漁により魚価が上昇していた。

やったこと

補助金を活用して半自動充填機を導入し、手作業だった充填工程を機械化した。併せて包材をガラス瓶からスタンドパックに変更した。導入した設備としてベビコン(エアーコンプレッサー)も併せて使用している。

加工機半自動充填機
その他ベビコン(エアーコンプレッサー)

事業の効果

  • 充填生産能力 60本/時間→300本/時間
  • 販売数量 1倍→7倍

半自動充填機の導入により充填の生産性が大きく向上し、生産効率が改善した。スタンドパックへの変更により製品重量が軽くなり破損リスクも減ったため、物流コストと包材コストが削減された。生産効率の改善とコスト削減により、これまで対応が難しかった大手量販店等への販路が拡大し、販売数量は約7倍に増加した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    水産加工・魚醤製造という既存事業の延長で新製品開発を掲げているが、経営戦略上の位置付けは文章から明確には読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    前浜立地の強みやスルメイカ不漁という外部環境に触れているが、市場動向や競争優位の裏付けの記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    スルメイカ不漁による原料高と手作業充填の非効率という課題を示し、充填設備導入と包材変更で対応した経緯が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1時間60本から300パック以上へ約5倍、販売数量はガラス瓶時代の約7倍(令和5年9月現在)と数値で成果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員9名との記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力については触れられていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大手量販店への販路拡大という狙いは示されているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後は地元農産品を使った新製品開発と充填工程への設備活用を目指すとあるが、スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    いかの塩辛や魚醤といった分野の普及度に触れていないが、同分野での高付加価値化を示す記述もわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地元能登の前浜や農産品活用に触れており、地域資源活用の側面はうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述は乏しい。

  • 費用対効果4

    設備導入で生産性が約5倍、包材変更で物流・包材コストが削減されたと、効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    能登の農産品を活用する新製品開発という地域資源の活用は示されているが、雇用や地域成長への牽引効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

スルメイカの不漁など厳しい事業環境は続くものの、導入した充填設備はいかの塩辛以外の製品にも汎用性があるため、地元能登で収穫される農産品を活用した新製品を開発し、その充填工程に本設備を活用して新たな販路拡大を目指す。

事業者の声

現在の水産資源を取り巻く環境は極めて厳しい状況にありますが、小規模ながら前浜に立地する強みを活かし、付加価値の高い製品開発を続けることによって成長し続けたいと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。