ものづくり補助金平成30年度製造業山梨県

低生産性を解消する設備投資と、企業需要を掘り起こす新商品開発にて、企業体質を健全化する事業

株式会社清月

成果生産性は計画の25%を上回る29.5%にアップ

この事例のポイント

  • 企業先からの引き合いやタイムリーな新商品の提供ニーズに対し、人員や技術の継承に課題があった。
  • ベルトコンベア式の焼成釜を備えた製造体制を背景に、甲州レーズンに用いる直径61mm、幅43mm、厚さ4mmの楕円状のサブレ生地を製造する検証作業を行った。
  • 生産性は計画の25%を上回る29.5%にアップ。生産性は計画を上回る29.5%向上し、1時間あたりの生産数量は210個から272個に増えた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社清月
所在地山梨県 南アルプス市
業種食料品製造業
従業員数63人
資本金1,000万円
設立1954年

事業の背景

清月は1931年に横浜で開業し、戦後に山梨県へ移転した菓子製造販売会社である。主力のロングセラー商品「イタリアンロール」は1986年の誕生以来人気が続いている。県産ピオーネを使った「甲州レーズン」はイタリアンロールに次ぐ売り上げを誇る。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力企業先からの引き合いやタイムリーな新商品の提供ニーズに対し、人員や技術の継承に課題があった。
  • 生産能力人手に頼る製造工程が多く、一日の製造数に限りがあった。
  • 品質・精度廃棄率が4%あり、生地の無駄が出ていた。

やったこと

ベルトコンベア式の焼成釜を備えた製造体制を背景に、甲州レーズンに用いる直径61mm、幅43mm、厚さ4mmの楕円状のサブレ生地を製造する検証作業を行った。新たにソニックスライサーSK100を導入し、CN580に接続して重合ノズルから吐出した生地を超音波カッターでスライスした。生地の送り速度を調整でき、デリケートな生地でもみずみずしさを保てる。吐出方式により生地を伸ばして型で抜く方法を置き換え、生地の無駄をなくした。

加工機ソニックスライサー SK100
加工機CN580

事業の効果

  • 生産性は計画の25%を上回る29.5%にアップ
  • 1時間あたり生産数量 210個→272個
  • 廃棄率 4%→0%

生産性は計画を上回る29.5%向上し、1時間あたりの生産数量は210個から272個に増えた。生地の無駄が出なくなり、廃棄率は4%からゼロになった。生産性と品質を大きく向上させることができた。外販先も増えつつあり、鉄道会社や航空会社、百貨店などからレーズンサンドの取り扱いの要望が来ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    ロングセラー商品や新商品開発の歴史は書かれているが、今回の設備投資が経営戦略上どう位置付くかは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県産ピオーネや独自の乾燥技術、大手百貨店との提携など強みが具体的に書かれ、外販先からの引き合いも示されている。

  • 課題の認識と解決5

    人手依存で一日の製造数に限りがあるという課題に対し、1時間あたり210個から272個へ生産性29.5%増、廃棄率4%からゼロと数値で示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    計画の25%を上回る生産性29.5%アップという数値目標と、実績として廃棄ゼロを達成した記述があり、実現性が高いと読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    人員や技術の継承に課題があったと書かれ、従業員63人や工場長の名前はあるが、補助事業を遂行する体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    甲州レーズンはサクサクのサブレ、添加物不使用、長期保存可能といった価値が具体的に書かれ、鉄道会社や航空会社からの引き合いもある。

  • 事業化までの道筋2

    巨峰やシャインマスカットのレーズンサンド開発や店舗での取り扱い拡大の意向はあるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    イタリアンロールは相場200円に対し1,000円で販売する高価格化を図った商品として書かれ、高水準の高付加価値化がうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    甲府市の企業との共同開発や山梨市への店舗出店が書かれ、地域への貢献も述べられているが、波及効果の数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    生産性29.5%増と廃棄率4%からゼロという効果は示されるが、補助金の投入額や付加価値額の増加は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    超音波カッターや吐出方式の導入は書かれるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    県産大粒ピオーネを使う商品や甲府市企業との共同開発など地域資源の活用が書かれるが、雇用創出や地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

心を和ませ、人と人の和を生み出すお菓子を作りたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。