ものづくり補助金平成30年度建設業三重県

販売管理ITシステムを活用した物流・工事における業務効率の向上

株式会社タナカ

成果物流部門の作業時間合計 135分→105分

この事例のポイント

  • 工事・物流ともに引合いが増え、短納期の案件が多いため、見積りから受発注までの効率化と対応力の拡大が課題となっている。
  • 機械装置・システムを選定し、業者に発注した。
  • 物流部門の作業時間合計 135分→105分。受発注をシステム化したことで社内全員が対応できるようになり、受注漏れや処理漏れが減少した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社タナカ
所在地三重県 四日市市
業種総合工事業
従業員数22人
資本金3,000万円
設立1912年

事業の背景

明治45年の創業以来、三重県を中心に大型テントの鉄骨加工やテントシートの取付工事を行う工事部門と、工業用品や産業資材の販売物流を行う物流部門の2部門で営んでいる。工事・物流ともに引合いが増加し、非常に短期間での見積り回答や工事完了納品が求められる案件の受注割合が高くなっている。取引先は四日市市を中心とした県内の製造関連事業所やコンビナート関連企業など固定の事業者がほぼ全数を占めており、今後コンビナートの拡大・新設の計画はないため、県外進出や固定の事業者以外への営業が必要とされている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力工事・物流ともに引合いが増え、短納期の案件が多いため、見積りから受発注までの効率化と対応力の拡大が課題となっている。
  • 人手・技能既存システムは23年前のもので、システム外の手作業が多く、業務が従業員の能力に頼っている。
  • その他担当者ごとに業務のばらつきがあり、過去の実績や価格の推移、販売状況の分析ができない。
  • 品質・精度受発注の漏れや発注ミスが多く、仕様を満たしていない等の返品やクレームが発生している。

やったこと

機械装置・システムを選定し、業者に発注した。当社の業務体系に合わせてシステムが導入できるよう、必要な仕様等について発注先と綿密な打合せを行い、オリジナルシステムを作成した。より当社に適合した効率性の高いシステムとなるよう改善点を検討し、パソコン20台全てにシステムをインストールした。見積書等のデータを共通システムで作成し、入荷も含めてチェックする運用とした。社外でもシステムを利用できるようにし、導入効果の確認・検証を行った。

ソフト販売管理ITシステム(オリジナルシステム)
その他パソコン(20台)

事業の効果

  • 物流部門の作業時間合計 135分→105分
  • 工事部門の作業時間合計 300分→210分

受発注をシステム化したことで社内全員が対応できるようになり、受注漏れや処理漏れが減少した。全てがシステム上で共有されることで、不良品や誤発注も減少した。物流部門と工事部門の作業時間は、それぞれ128%・142%の効率化となった。社外からシステムを利用できることで営業活動も効率化され、事務の効率化も図られた。一方で目標に未達の項目もあり、社員がシステムに慣れ、原因への対策を立てれば目標到達は可能と考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の大型テント工事・物流事業を営むと記載があり、業務効率化の位置付けは読めるが、経営戦略上の明確な位置付けは具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    約200万点の既製品取扱いや短納期案件の受注割合の高さ、固定顧客中心の現状が書かれており、強みと外部環境は読み取れるが、競争優位の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    受発注ミス・受注漏れ・システム23年前などの課題が明示され、物流・工事の時間を128%・142%に効率化する目標と実績が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    物流で135分から105分、工事で300分から210分の時間短縮と売上5年後12.5%増の目標が数字で示されている。ただし目標に未達の項目も多いと記載されている。

  • 事業を進める体制3

    現場社員を導入検討から参画させ、発注先と綿密に打合せしたと書かれているが、従業員22人の中での事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    短期間の見積り・納品が求められる案件の受注割合が高いというニーズは書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の未達項目への対策は社員の慣れと原因分析によると述べられているが、中長期のスケジュールや遂行方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    テント工事や販売物流は一般的な分野で、高付加価値化や高価格化を図る記述はわずかにうかがえる程度である。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    コンビナート関連企業や地域の製造業との取引が中心と書かれており、地域への関わりはうかがえるが、国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果2

    導入による時間短縮率は示されているが、補助金投入額に対する付加価値額の増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    販売管理ITシステムの導入による業務効率化はうかがえるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    三重県四日市市を中心に県内事業者と取引すると書かれており、地域性はうかがえるが、雇用創出や地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は品質を保ったまま、1件でも多くの案件を取りこぼさず受注することや、職人・人員の確保が重要と考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。