ものづくり補助金平成30年度製造業滋賀県

蛋白質の熱変性管理による、日本人が未体験の食感と加工食肉文化を創出

有限会社伊吹ハム

この事例のポイント

  • 加熱殺菌の際にタンパク質の立体構造が変性し、旨味成分・柔軟性・風味が減少してしまう。
  • 新規に高性能冷温燻式スモークハウスを導入し、プログラムによって10年超の熟練工による加熱管理品質を再現した。
  • 新規スモークハウスの導入により、熟練工の加熱管理品質をプログラムで再現し、実験レベルの製法を量産ベースに引き上げられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社伊吹ハム
所在地滋賀県
業種食料品製造業
技術分野製造環境
設立2000年

事業の背景

有限会社伊吹ハムは2000年に設立された、滋賀県内で唯一の食肉加工専門会社である(精肉販売は扱わない)。2018年に代目経営者が就任してからは、創業以来の本格製法を守りながら、IT技術導入による業務効率化やコスト改革、販路拡大に注力している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度加熱殺菌の際にタンパク質の立体構造が変性し、旨味成分・柔軟性・風味が減少してしまう。
  • 人手・技能熟練工による微細な加熱調整に依存しており、実験レベルでは再現できても量産ベースへの引き上げが難しい。

やったこと

新規に高性能冷温燻式スモークハウスを導入し、プログラムによって10年超の熟練工による加熱管理品質を再現した。これにより実験レベルの製法を量産ベースへ引き上げることが可能になった。生産活動が自動化されたことで生産性が向上し、作業従事者の技能に依存しない作業標準化も達成した。既存品以上の高品質品をより短い拘束時間で製造し、働き方改革にも取り組んでいる。

加工機高性能冷温燻式スモークハウス
その他燻煙発生器
その他空調ユニット
その他シーケンスコントローラー

新しい製品・サービス:新製法により、従来の食肉加工品にはない新しい食感と、既製品とは比較にならないジューシーな製品

事業の効果

新規スモークハウスの導入により、熟練工の加熱管理品質をプログラムで再現し、実験レベルの製法を量産ベースに引き上げられるようになった。自動化によって生産性が向上し、作業の標準化により技能への依存も減った。既存品以上の高品質品をより短い拘束時間で製造できるようになり、働き方改革にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    2018年に代替わりし創業以来の本格製法を守りつつIT導入や販路拡大に注力したとあるが、戦略の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    滋賀県内唯一の食肉加工専門会社との記載はあるが、市場動向や自社の強み・弱みの分析はうかがえない。

  • 課題の認識と解決3

    熟練工の加熱管理を科学的に再分析し量産化を図ったと課題と対策の関係は読めるが、高付加価値化の数値目標までは書かれていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    既存品以上の高品質品をより短い拘束時間で製造とあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    経営者交代や熟練工の技能の標準化は読めるが、補助事業を遂行する人員や事務体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    従来品にない新しい食感というニーズと新製法の価値は示されているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    実験レベルの再現から量産ベースへ引き上げたとあるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    熟練工の加熱管理を再現し、既製品とは比較にならないジューシーさや従来にない食感を創出したと、差別化が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の食肉加工の本格製法を守る点はうかがえるが、波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    生産性向上や作業標準化は述べられているが、補助金額に対する付加価値増加などの数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    スモークハウスのプログラム制御とIT導入による業務効率化が書かれ、デジタル活用の方向性はうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    滋賀県内唯一の食肉加工専門会社として地域での位置付けが示されるが、地域経済の牽引効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新製法により既製品とは比較にならないジューシーな食感を提供し、人が育てば、より良い製品開発や業務効率化、コスト削減につなげていく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。