ものづくり補助金平成30年度卸売業、小売業京都府

工芸から工業へハイブリッド化!生産力向上でグローバル成長市場へ対応

堀金箔粉株式会社

成果スリット加工時間 50分→35分

この事例のポイント

  • 海外メーカーからの転写箔の短納期ニーズが急増しているが、旧式のスリッター設備では対応しきれなかった。
  • フィルムスリッター加工の省力化と作業時間短縮のため、株式会社西村製作所製の「NSスリッター」を新規導入し、旧式設備から入れ替えた。
  • スリット加工時間 50分→35分。スリット加工の時間短縮と自動調整により生産性が向上し、標準納期は30日から最短14日に短縮できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名堀金箔粉株式会社
所在地京都府 京都市
業種各種商品卸売業
従業員数26人
資本金1億円
設立1711年

事業の背景

1711年に金座付箔師として創業し、1950年に株式会社に改組した。元来の主力は金箔事業だが、工芸分野における金箔市場の縮小など時代の変化に対応し、卸売に加えてオリジナル商品や自社加工を手掛けるようになった。近年は海外メーカーから転写箔日本製商品の短納期ニーズが急増しており、中国では環境汚染対策として塗料使用の規制が強まり、転写箔での装飾が求められる傾向がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力海外メーカーからの転写箔の短納期ニーズが急増しているが、旧式のスリッター設備では対応しきれなかった。
  • 品質・精度旧式設備は切断刃のズレにより粉箔が商品に付着し、商品ごとにガムテープで清掃する必要があった。
  • 人手・技能設定を毎回手動でし直すため、熟練者でも失敗が起こり、約3%のロスが常態化していた。
  • コスト・採算旧式設備は老朽化してメーカーに部品がなく修理もできなかった。

やったこと

フィルムスリッター加工の省力化と作業時間短縮のため、株式会社西村製作所製の「NSスリッター」を新規導入し、旧式設備から入れ替えた。原反の着脱方式を変更し、加工速度が20%向上したことで、スリット加工時間は50分から35分に短縮された。スリット加工の自動調整機能と設定のデジタル保存により、毎回の手動設定が不要となり、ロスをほぼゼロに近づけられるようになった。加工中に別作業を行えるようになり、清掃作業の省略と合わせて生産プロセス全体の時間は75分から35分(速度2.14倍)となった。

加工機NSスリッター(株式会社西村製作所製)

事業の効果

  • スリット加工時間 50分→35分
  • 加工速度が20%向上
  • 生産プロセス全体の時間 75分→35分
  • 標準納期 30日→14日
  • 熟練者でも約3%程度のロスが常態化していたが、ロスを限りなくゼロに近づけることが可能

スリット加工の時間短縮と自動調整により生産性が向上し、標準納期は30日から最短14日に短縮できるようになった。ロスは限りなくゼロに近づき、切断品質も向上し、粉箔の付着やガムテープによる清掃作業が不要になった。作業中の目視確認も不要となり、加工中に別作業ができるようになった。納期の大幅短縮により顧客満足度も高まっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    箔材料の卸から転写箔事業へ展開した経緯は読めるが、過去の取組との一貫性を示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    中国の塗料規制強化で転写箔需要が伸びる市場動向と、高品質・短納期・コンサルティング営業力という強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    課題はスリット加工時間50分から35分、ロス3%の常態化など数字で示され、設備導入による解決策と標準納期30日から14日への短縮まで書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    加工速度20%向上、生産プロセス時間75分から35分(2.14倍)、標準納期30日から最短14日という具体的な目標と結果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    営業部3つ・計14名の人員配置は読めるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は海外メーカーで、ニーズは短納期、選ばれる理由は日本製・300年の伝統・高品質と読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    導入設備の入れ替えは書かれているが、中長期の課題検証やスケジュールの記述はうかがえる程度にとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    メタリック調の転写箔がトレンドで成長市場とあるが、高付加価値化・高価格化の水準までは具体的に書かれていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    中国の環境規制による塗料規制の強化、海外市場の成長、日本製箔の供給者が全国に数社のみという点で国が支援する理由がうかがえる。

  • 費用対効果3

    投入額と付加価値額の関係は書かれていないが、時間短縮や廃棄ゼロ化という効果は読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    自動調整機能と設定のデジタル保存という技術活用は読めるが、サプライチェーン全体への貢献の記述は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    環境対応のための転写箔による海外市場開拓という方向性は読めるが、構造転換への言及は具体性が薄い。

  • 地域経済への波及3

    京都の伝統企業として地域内で先進的な取組となったとあるが、雇用や地域成長への数字は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

中国・台湾・韓国を中心に海外車両部品市場での新規開拓を進め、環境規制で需要が見込まれる転写箔の市場を伸ばす。工業分野で「箔」のリーダー企業として事業拡大を目指す。

事業者の声

「箔+α」の技術でお客様の製品を輝かせ、弊社ならでは の特別な「ハク」をお付けすることをお約束いたします。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。