ものづくり補助金平成30年度製造業鳥取県

高品質な多種小型切削金属部品を必要な時に短納期で提供する生産性向上計画

有限会社八木製作所

成果加工時間(製品A・100個) 9時間→7時間

この事例のポイント

  • 複雑形状の製品は加工工程でロスタイムが大きく単価が合わず、他の製品生産にも影響するため受注できず失注している。
  • 新規の最新鋭CNC旋盤XL-100を導入し、加工工程の効率化を図った。
  • 加工時間(製品A・100個) 9時間→7時間。導入した設備により、複雑な加工品の加工時間と段取り時間が大幅に減り、新規の加工製品を受注できる環境が整った。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社八木製作所
所在地鳥取県
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
資本金1,000万円
設立1960年

事業の背景

当社は旋盤加工を中心に丸物加工部品を製造し、ミシン部品、軽トラックのエンジン部品、モーターシャフトの研磨、機械装置部品などを多品種製造している。主な取引先は株式会社日進製作所、ダイヘン産業機器株式会社などで、最終納品先はホンダ技研工業やパナソニックである。切削加工業界では形状の複雑化と品種の多様化が進む一方、短納期化とコストダウンが求められている。海外での低コスト生産や大手企業の内製化が進み、不採算や人手不足による厳しさも増している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力複雑形状の製品は加工工程でロスタイムが大きく単価が合わず、他の製品生産にも影響するため受注できず失注している。
  • 納期・工程ユーザーから短納期化の要求が強まっているが、既存設備では設備能力の面から要求に応えることが難しい。
  • 人手・技能要員の確保が困難な状況で、増員に頼らず生産能力を高める必要がある。

やったこと

新規の最新鋭CNC旋盤XL-100を導入し、加工工程の効率化を図った。導入機の取付工具は8本から12本に増え、段取り替えの回数を減らせるようになった。背面加工を同一機で行えるようにして、ジョイント部品などの加工の段取り替えと工数を削減した。段取り時間は製品ごとに60分や90分から15分に短縮され、段取り替えの時間は約80%削減された。

事業の効果

  • 加工時間(製品A・100個) 9時間→7時間
  • 段取り時間(製品B等) 60分→15分
  • 段取り時間(一部製品) 90分→15分
  • 1日当たりの段取り時間 3.5時間→0.75時間
  • 段取り代え時間を約80%削減した。
  • 取付工具数 8本→12本

導入した設備により、複雑な加工品の加工時間と段取り時間が大幅に減り、新規の加工製品を受注できる環境が整った。小ロットの製品を短納期で加工できるようになり、製品によっては朝の注文で当日出荷も可能になった。基盤部品の生産力が強化され、増産にも対応できるようになった。段取り替えの削減により、現状の要員のままで生産性と受注能力を高められるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決複雑形状の加工ロスタイムや失注という課題を示し、段取り時間60分から15分、1日段取り3.5時間から0.75時間への削減など数値で解決策を示している。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性形状の複雑化・多品種化、短納期化の市場動向を踏まえ、加工時間や段取り時間の数値で自社の強みを示している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標リードタイム2割8割削減や段取り時間約80%削減、100個あたり加工時間9時間から7時間など具体的な目標値が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制少人数での体制と増員に頼らない方針はうかがえるが、人材や事務処理能力の確保体制は具体的に書かれていない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性3

    旋盤加工を中心に丸物部品を製造してきた実績と、新型旋盤導入で小ロット多品種対応を強める方向が読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    形状の複雑化・多品種化、短納期化の市場動向を踏まえ、加工時間や段取り時間の数値で自社の強みを示している。

  • 課題の認識と解決5

    複雑形状の加工ロスタイムや失注という課題を示し、段取り時間60分から15分、1日段取り3.5時間から0.75時間への削減など数値で解決策を示している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標4

    リードタイム2割8割削減や段取り時間約80%削減、100個あたり加工時間9時間から7時間など具体的な目標値が示されている。

  • 事業を進める体制2

    少人数での体制と増員に頼らない方針はうかがえるが、人材や事務処理能力の確保体制は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小ロット多品種の短納期提供、医療機器など新分野への進出という顧客ターゲットと選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    新規顧客獲得や新分野進出の方向は示されているが、遂行スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    複雑形状や小ロット多品種の高付加価値加工に取り組む方向は読み取れるが、高価格化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用ー

    公開情報では判断できません。

  • 費用対効果4

    100個あたり加工時間の短縮や製品単価の数値があり、設備投資に対する生産性向上の効果が具体的に読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    背面加工の自動化は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    地域内での地位確立という方向性はうかがえるが、地域の特性や雇用創出との関係は具体的に書かれていない。

今後の展望

既存顧客の取引増大とともに、小ロット多品種製品の短納期調達が生じたメーカーや商社などを中心に新規顧客の獲得を図る。類似品の受注を増やし、医療器関係など新分野への進出も図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。