ものづくり補助金平成30年度製造業徳島県

徳島県初、最新型溶接制御装置導入による裏波溶接の加工精度と生産性の向上

株式会社FREE FACTORY

成果作業時間 1倍→0.1667倍

この事例のポイント

  • 受注が増えているのに対し、人員の補強や熟練工の養成が難しく、将来的に需要に十分応えられなくなるおそれがあった。
  • TIG溶接機とTIG溶接制御装置を導入し、溶接条件作成を補助する機能付きの制御装置で工程の効率化を図った。
  • 作業時間 1倍→0.1667倍。装置の導入により作業時間が1/6になり、仕損じがなくなって大幅な効率化が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社FREE FACTORY
所在地徳島県 小松島市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,接合・実装
従業員数5人
資本金100万円
設立2018年

事業の背景

2016年に創業し、ステンレス鋼やアルミ合金などの精密なTIG溶接を強みとして、開業以来売り上げを順調に伸ばし、新工場も増築してきた。電池材料メーカーや薬品メーカーなどの化学工業系部品から、建築金物、漁具、農機具、自動車部品まで幅広く事業を展開している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注が増えているのに対し、人員の補強や熟練工の養成が難しく、将来的に需要に十分応えられなくなるおそれがあった。
  • 人手・技能特殊技能と時間を要する裏波溶接は熟練工にしかできず、熟練工1人では1日10個程度しか作れず顧客の要望に応えきれなかった。
  • 品質・精度異物混入が許されない薬品・電池・化学分野の配管接続部の受注が増えており、高い品質が求められていた。

やったこと

TIG溶接機とTIG溶接制御装置を導入し、溶接条件作成を補助する機能付きの制御装置で工程の効率化を図った。裏波溶接の全工程のうち、熟練工にしかできなかった3工程のうち2工程を機械化した。装置は極薄板から厚板まで溶接可能で、外からの熱で裏側も溶かし込む裏波溶接に対応する。

加工機TIG溶接機
加工機TIG溶接制御装置(溶接条件作成アシスト機能付き)

事業の効果

  • 作業時間 1倍→0.1667倍

装置の導入により作業時間が1/6になり、仕損じがなくなって大幅な効率化が実現した。これまで熟練工だけができた裏波溶接を社員全員が手がけられるようになり、人材不足が解消して会社としてのキャパシティが格段に上がった。このシステムは新規受注の強みとなり、今後は食品や医薬品分野への販路開拓を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    30年の経験を活かし2016年創業、受注増に伴い新工場を増築してきたとあり、一貫性はうかがえるが戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    精密なTIG溶接を強みとし、薬品・電池・化学分野の受注が増えていると記載がある。ただ競争優位性の分析までは書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    熟練工の養成困難と受注増への対応不足という課題を認識し、裏波溶接工程を機械化する具体策が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    作業時間が1/6になり仕損じがなくなったと具体的な数字で効果が示されている。ただし賃上げや付加価値額の目標値は記載がない。

  • 事業を進める体制3

    社員全員が裏波溶接を手がけられるようになり人材不足が解消したとあるが、事務処理や遂行体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    異物混入が許されない薬品・電池・化学分野の需要が増えている点は読み取れるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    食品や医薬品分野への販路開拓を積極的に検討と書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超純度配管に必須とされる裏波溶接を機械化し、熟練工しか作れなかった工程を社員全員が扱える水準へ高めた点がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域貢献や水素製造・ワカメ養殖への応用構想が語られるが、国が補助する理由としての波及効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    大きな投資と書かれ、作業時間1/6・仕損じゼロという効果が示されているが、補助金額に対する費用対効果の数字はない。

  • イノベーションへの貢献2

    溶接技術と海水電気分解技術を組み合わせる構想がうかがえるが、デジタル技術の活用や新ビジネスモデルの具体は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    徳島県小松島市の地域貢献や地域活性化への構想が書かれており、地域性は読み取れるが雇用や成長への数値的効果は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

5年先を見据え、当社の溶接技術と海水電気分解技術を組み合わせて水素製造やワカメ養殖へ応用し、持続可能な事業として地域活性化に貢献することを構想している。

事業者の声

大きな投資でしたが、もの補助のおかげで決断できました。この設備と技術があれば、どんな状況になっても仕事はできるという強い手応えを感じています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。