ものづくり補助金平成30年度製造業佐賀県

簡単段取による長物部品加工で生産性向上・売上増大による雇用拡大

成果長尺部品の加工工程数 2工程→1工程

この事例のポイント

  • 半導体製造装置の長尺部品加工の依頼が増えているが、従来の設備では長尺部品を2回に分けないと加工できないものがあり、あらゆる長尺部品加工に対応できなかった。
  • 530mm×1950mmまでの長尺部品を加工できる、対話型の加工プログラミング機能を搭載したマシニングセンターを新たに導入した。
  • 長尺部品の加工工程数 2工程→1工程。長尺部品の加工工程が2工程から1工程に短縮され、作業工数とコストを削減できた。

事業者のプロフィール

所在地佐賀県 神埼市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数3人
設立1992年

事業の背景

創業当時は旋盤加工が主な事業であった。先代の息子である貞包啓介が主要取引先でマシニングセンターの技術を約5年間習得し、2013年に事業承継した後、マシニングセンターを4台導入して半導体製造装置の部品加工業務を受注している。車の自動運転、建設機械の遠隔操作、家電のIoT化などを背景に半導体需要の増加が見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力半導体製造装置の長尺部品加工の依頼が増えているが、従来の設備では長尺部品を2回に分けないと加工できないものがあり、あらゆる長尺部品加工に対応できなかった。
  • 人手・技能男性社員がプログラム作成と工具段取りを担当し、女性社員が試作や仕上げを担当していたため、男性の作業が追いつかず、機械を増設しても稼働できなかった。

やったこと

530mm×1950mmまでの長尺部品を加工できる、対話型の加工プログラミング機能を搭載したマシニングセンターを新たに導入した。従来は104行にも及ぶ煩雑で難解なコマンド入力が必要で高い熟練度が求められたが、新設備では質問に答える形で入力でき、素材の材質や加工内容はメニューから選択できる。コマンドは43行と半分以下になった。プログラム作成中は加工状態を3Dで表示してシミュレーションできるためミスを軽減でき、プログラム作成後は加工に必要な工具が自動登録されるため段取りが容易になった。

加工機対話型加工プログラミング機能搭載マシニングセンター

事業の効果

  • 長尺部品の加工工程数 2工程→1工程
  • 加工能力 1倍→2倍
  • 加工プログラムのコマンド行数 104行→43行

長尺部品の加工工程が2工程から1工程に短縮され、作業工数とコストを削減できた。加工能力は従来の約2倍に向上し、品質向上や納期短縮によって顧客満足を実現した。これまで断っていた長尺部品加工も受注できるようになり、売上が増えた。女性社員も全工程を担当できるようになり、女性の活躍の場が生まれ、地域の製造業のモデルケースとして競争力強化と経営資源の蓄積が進んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    2013年の事業承継後、マシニングセンターを4台導入し半導体製造装置の部品加工を受注しており、一貫した事業の流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    同業他社より規模が小さい分、稼働率や品質で負けないことを重視し、半導体需要の増加を背景に長尺部品加工へ対応している。

  • 課題の認識と解決5

    男性担当の作業が追い付かず機械を増設しても稼働できない課題を認識し、長尺加工を2工程から1工程へ短縮して能力を約2倍にしている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工工程を2工程から1工程に短縮し、全体の加工能力を従来の約2倍にする数値目標が示されている。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    従業員3人の体制で、代表が約5年の修行を経て事業承継し、女性社員が全工程を担当できる体制になったことが書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    主要取引先からの長尺部品加工の依頼増加と、断らざるを得なかった長尺加工の受注可能化という顧客ニーズの裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    2023年に新たな機器を導入する予定が示されているが、課題解決の手順や具体的なスケジュールは詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    530mm×1950mmまでの長尺部品加工に対応する点が差別化とされるが、分野の普及度や高価格化の程度は書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    半導体需要の増加を背景に、雇用拡大や地域社会への貢献をめざすと書かれているが、経済波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    作業工数とコストを削減し加工能力を約2倍にしたと書かれているが、補助金投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dによる加工シミュレーションや対話型プログラミングなどデジタル活用は書かれているが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    半導体需要の増加が見込まれる分野への進出が書かれているが、日本経済の構造転換への寄与は具体的に述べられていない。

  • 地域経済への波及3

    女性社員の活躍の場を創出し地域の製造業のモデルケースとなると書かれているが、地域経済への数値的な効果は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

工程改善を機に受注案件が幅・数ともに拡大し、利益も増大した。2023年にはまた新たに機器を導入し、さらなる生産性と品質向上に努める。医療機関や福祉施設で使う配膳棚の部品製作依頼も受けるようになり、女性ならではの丁寧さを生かして顧客の期待以上の仕上がりをめざす。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。