ものづくり補助金平成24年度岡山県

ストロー生産設備改造・生産IT化事業

シバセ工業株式会社

この事例のポイント

  • 海外製の格安ストローの影響で、岡山県のストロー産業の市場が圧迫されていた。
  • 既存製造設備の要所に自動計測用センサーを設置し、水温、エアー流出量、電力量などを数値化して監視できる装置を導入した。
  • 製造設備の改良により、顧客ニーズに合わせた精度の高い工業用ストローを安定して量産できる体制が実現し、不良が大幅に減少した。

事業者のプロフィール

事業者名シバセ工業株式会社
所在地岡山県 岡山県浅口市
業種プラスチック製品製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数31人
資本金1,000万円
設立1949年

事業の背景

岡山県発祥のストロー産業は、近年海外製の格安ストローの影響で市場が圧迫されている。当社はこの状況の中で生き残りをかけ、飲料用途以外のストロー製造に活路を見出そうとしている。飲料用途以外のストローは「工業用ストロー」(薄肉樹脂パイプ)と呼ばれ、医療用分析機器向けのサンプリングチップやアルコール検知器の吹き口部品など幅広い用途でニーズが高い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信海外製の格安ストローの影響で、岡山県のストロー産業の市場が圧迫されていた。
  • 生産能力飲料用以外の工業用ストローは高い精度と幅広いサイズが求められ、既存設備では安定して生産できなかった。
  • 品質・精度外径の判定を作業者がビンゲージで手作業で行っていたため、感覚による判定誤差があり不良品が流出することがあった。
  • 人手・技能調整が作業者の感覚に頼っており、調整に時間がかかっていた。

やったこと

既存製造設備の要所に自動計測用センサーを設置し、水温、エアー流出量、電力量などを数値化して監視できる装置を導入した。外径の測定にはCCDレーザーセンサーを用いた測定システムを社内で設計し導入して全数をチェックできるようにし、測定データをモニターにリアルタイムでグラフ表示して不良の予兆を読み取れるようにした。測定結果をもとに不良品を自動排出するユニットを設置し、冷却水槽から出たストローの水分をエアーブローで吹き飛ばす高速乾燥機「エアワイパー」を導入して、エアー使用量をセンサーで数値化しコンプレッサー電力量を削減した。従来のディスクカッターに代えて、パルスモータに直接カット刃を取り付けて間欠的に高速で動かすパルスカッターを追加し、新旧両カッターを使えるように改造した。これにより1m以上の長い工業用ストローにも対応できるようになった。

  • 検査測定ストロー製造環境監視装置CCDレーザーセンサー外径測定システム
  • その他ストロー不良品自動排出ユニットストロー高速乾燥機「エアワイパー」
  • 加工機パルスカッター

新しい製品・サービス:精度の高い工業用ストロー(薄肉樹脂パイプ)の新商品

事業の効果

製造設備の改良により、顧客ニーズに合わせた精度の高い工業用ストローを安定して量産できる体制が実現し、不良が大幅に減少した。以前は対応できなかった工業用ストローの引き合いにも応じられるようになった。設備の状態を数値で監視できるようになり、歩留まりロスが格段に減少した。調整時間が減り生産性が向上し、計測データを日時とともに保存して過去に遡って分析できるため、問題の早期解決につながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決既存設備では安定生産できない課題を示し、外径測定システムや自動排出で不良流出を解消すると具体的に説明されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け医療用分析機器のサンプリングピースやアルコール検知器の吹き口など具体的な用途と、高精度需要が示されている。
  • 4
    イノベーションへの貢献CCDレーザーセンサーによる全数測定とリアルタイムグラフ表示、データ保存による分析など、デジタル技術の活用が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性飲料用以外の工業用ストローへの転換が経緯として書かれるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは明示されていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    飲料用以外の工業用ストローへの転換が経緯として書かれるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外製格安ストローで市場が圧迫されたことと、高精度・幅広サイズ対応が必要な工業用ストローへの活路が書かれている。自社の経営資源の強み・弱みは具体的でない。

  • 課題の認識と解決4

    既存設備では安定生産できない課題を示し、外径測定システムや自動排出で不良流出を解消すると具体的に説明されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    歩留まり改善や調整時間減少は書かれるが、付加価値額増加や賃上げの目標数値は示されていない。

  • 事業を進める体制ー

    公開情報では判断できません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療用分析機器のサンプリングピースやアルコール検知器の吹き口など具体的な用途と、高精度需要が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    設備導入の内容と順序は示されるが、中長期の検証やスケジュールについての記載は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    工業用ストローは高精度を求められる分野とされるが、一般的な普及度や高価格化の水準を示す数値は書かれていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    岡山県発祥のストロー産業の衰退という地域性が触れられるが、波及効果や雇用創出の記載は見当たらない。

  • 費用対効果2

    不良品混入ゼロや歩留まり改善は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献4

    CCDレーザーセンサーによる全数測定とリアルタイムグラフ表示、データ保存による分析など、デジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    岡山県発のストロー産業という地域性はうかがえるが、地域経済を牽引する雇用や成長の記載は見当たらない。

今後の展望

多くの可能性がある精度の高い工業用ストローの新商品を今後提案していきたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。