ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

環境IT化による加工生産工場の生産プロセス改善

株式会社ヤマトウ

成果責任者の工場間移動回数 10回/日→3回/日

この事例のポイント

  • 1つの工場に生産が集中すると納期に遅れが生じ、各責任者が工場へ出向いて状況を確認し、余力のある工場が仕事を受け持つ方法では対応が難しかった。
  • 工場の生産体制を確立するため、門真市内の3工場にある約40台の工作機械を一元管理する工場集中管理システムを導入した。
  • 責任者の工場間移動回数 10回/日→3回/日。各工場の機械の稼働状況が随時確認できるようになり、工場間の仕事の割り振りがスムーズになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヤマトウ
所在地大阪府 門真市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工
従業員数35人
資本金1,000万円
設立1987年

事業の背景

「ヤマトウ」は昭和62年に創業した合成樹脂(エンプラ)の切削加工会社で、食品、半導体、アミューズメント、機械の各業界など多岐にわたる取引先を持つ。取引先は200社を超え、売上は約5億円である。リーマン・ショック時も設備を導入し、毎年3,000万円程度の設備投資を続けてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程1つの工場に生産が集中すると納期に遅れが生じ、各責任者が工場へ出向いて状況を確認し、余力のある工場が仕事を受け持つ方法では対応が難しかった。
  • 生産能力本社から車で5分程度かかる工場もあり、責任者が1日に何回も工場と本社を往復して状況を確認するのは非効率だった。
  • 品質・精度各工場の全機械を責任者が一度に確認できないため、機械のトラブルがあっても気づけず、早期に対応できなかった。

やったこと

工場の生産体制を確立するため、門真市内の3工場にある約40台の工作機械を一元管理する工場集中管理システムを導入した。工場内の各機械をシステムのネットワークでつなぎ、責任者がモニターで各機械の稼働状況を随時確認できるようにした。システムは各機械の稼働時間などをもとに稼働率を分析でき、その結果を踏まえて作業工程を見直した。

ソフト工場集中管理システム

事業の効果

  • 責任者の工場間移動回数 10回/日→3回/日

各工場の機械の稼働状況が随時確認できるようになり、工場間の仕事の割り振りがスムーズになった。1つの工場に生産が集中するのを事前に減らせたことで製品の納期遅れが少なくなり、短納期の仕事が15%増加した。機械トラブルを早期に見つけられるようになり、生産工程の改善で製品の品質が安定して不良品が減り、製造コストは約10%低減した。その結果、平成27年9月期の売上は会社の目標だった5億円を突破した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    毎年約3,000万円の設備投資を続けており、今回の工場集中管理システムも継続的な設備投資方針の延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先200社超と短納期の仕事が15%増えたことは示されるが、市場動向を踏まえた競争優位の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    1拠点集中で納期が遅れる課題を挙げ、工場間の仕事の割り振りで減らす対策と短納期増加の成果が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    平成38年度に売上高10億円を目指す目標はあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    若手社員の大手メーカー研修派遣や各工場の責任者配置はあるが、補助事業を遂行する体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    エンプラ部品が食品や半導体など多分野で使われ取引先200社超とあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は読み取れない。

  • 事業化までの道筋4

    新工場を総投資額約3億円、延べ床約1,300㎡で平成28年秋に完成させる計画が時期と規模つきで示されている。

  • 財務と資金の調達2

    資本金1,000万円と総投資額3億円は示されるが、資金調達の方法や財務状況については書かれていない。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    エンプラの切削加工に強みがあるとされるが、市場の普及度や高付加価値化・高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果4

    工場管理システム導入で製造コストが約10%低減し、短納期の受注が15%増えたと具体的な数字で効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    工場内の全機械をネットワークでつなぎ稼働状況を共有したが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    門真市内の3工場を活かし仕事を融通する考えがうかがえるが、地域経済への波及効果は明記されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本社から車で5分程度の土地を取得し、総投資額約3億円で3階建て延べ床面積約1,300㎡の新工場を建設し、平成28年秋の完成を目指している。新工場には長さ2m以上のエンプラを加工できる大型マシニングセンターを導入する。當麻社長は人材育成にも力を入れ、売上10億円を目指している。

事業者の声

「機械があれば仕事がくる」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。