ものづくり補助金平成24年度岡山県

高付加価値製品生産を目的とする竹材の3次元自由方向成形・集成一体処理・加工装置の開発

株式会社テオリ

この事例のポイント

  • 竹材を3次元方向に自由に曲げる技術は国内外で開発されておらず、成形と集成と乾燥を同時に行える加工装置が求められていた。
  • 1次元に曲げた部材から2mmの挽板を曲線に沿ってスライスする独自の専用機「竹材薄挽き機」を開発した。
  • 3次元曲げによる椅子の生産が可能になり、新製品として椅子とテーブルをセットで上質な高価格帯製品として販売を始めた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社テオリ
所在地岡山県 倉敷市
業種家具・装備品製造業
技術分野切削加工
従業員数21人
資本金1,000万円
設立1989年

事業の背景

当社が生産する竹素材製品は、2008年の北海道洞爺湖サミットの環境コンセプトハウスで各国ファーストレディ用の椅子として使われ、ニューヨーク近代美術館のミュージアムショップでも取り扱われるなど、デザイン性が評価されている。取引のある欧米2か所のミュージアムショップだけで毎年約1000万円の売上があり、高価格帯製品として市場で受け入れられている。竹を2次元方向へ湾曲加工する技術は開発されていたが、3次元方向に自由に曲げる技術は開発されていなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力竹材を3次元方向に自由に曲げる技術は国内外で開発されておらず、成形と集成と乾燥を同時に行える加工装置が求められていた。
  • 生産能力集成後に3次元に成形する方法は素材が固く亀裂が生じやすく、成形後に再集成する方法は効率が悪く生産性が極めて低かった。

やったこと

1次元に曲げた部材から2mmの挽板を曲線に沿ってスライスする独自の専用機「竹材薄挽き機」を開発した。この専用機で2mmにスライスした部材を型板に沿わせ、3次元曲げに成形する技術を開発した。成形した竹材を効率的に円断面に加工するため、ルーターの専用作業台を作成した。これにより仕上げ面を今まで以上に平滑に仕上げられるようになり、製品の品質が高まった。新たな工法により、脚と背もたれが一体構造となった竹集成材の椅子を試作開発した。パーツの接合部がないため荷重が分散され、従来品より強度が高くなった。

  • 加工機竹材薄挽き機ルーターの専用作業台

新しい製品・サービス:脚と背もたれが一体構造となった竹集成材の椅子、およびそれに合わせて制作したデザイン性の高いテーブル

事業の効果

3次元曲げによる椅子の生産が可能になり、新製品として椅子とテーブルをセットで上質な高価格帯製品として販売を始めた。仕上げ面の平滑化により製品品質が高まり、従来品より強度の高い椅子となった。東京のインテリア展示会での披露を皮切りに、国内家具展示会への出展、自社ショールームでの展示会、フランスへの出展計画など営業活動を積極的に行っている。今後は富裕層やアッパー層を顧客に持つ家具店をターゲットに売上を伸ばしたいと考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    新しさ・高付加価値竹を3次元方向に自由に曲げる技術は国内で成功例がなく、高価格帯で同分野の高付加価値化を図る点が明確に書かれている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性欧米ミュージアムショップで年約1000万円の売上や高価格帯での受け入れが示され、3次元曲げ技術で国内で未成功の新市場を狙う強みが具体的に書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け富裕層やアッパー層、インテリアに感度の高い顧客を家具店ターゲットとし、デザイン性や強度の優位性が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標高付加価値化や賃上げの目標値は記載がなく、売上を伸ばしたいという方向性のみがうかがえる。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    竹集成材による家具製造の経緯と、MoMAでの取り扱いや欧米ショップでの年約1000万円の売上が記載され、既存事業との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    欧米ミュージアムショップで年約1000万円の売上や高価格帯での受け入れが示され、3次元曲げ技術で国内で未成功の新市場を狙う強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    成形と集成を同時に行う工法で生産性の低さを解決する課題認識はあるが、高付加価値化の数値目標や事業計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は記載がなく、売上を伸ばしたいという方向性のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制2

    開発や展示会出展の経験はうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    富裕層やアッパー層、インテリアに感度の高い顧客を家具店ターゲットとし、デザイン性や強度の優位性が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作から椅子・テーブル製作、展示会出展、フランス出展計画まで段階が書かれ、中長期の流れはあるが課題解決の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性5.0
  • 新しさ・高付加価値5

    竹を3次元方向に自由に曲げる技術は国内で成功例がなく、高価格帯で同分野の高付加価値化を図る点が明確に書かれている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    環境サミットでの採用やデザイン評価は触れられているが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は記載がない。

  • 費用対効果3

    従来品より効率的で圧倒的な競争力を得られるとあるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    独自専用機の開発や工法の革新はうかがえるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    竹材という地域資源を活かし、高付加価値製品で新市場を開拓する点が示されているが、地域雇用や経済成長への言及は薄い。

今後の展望

富裕層やアッパー層を顧客に持つインテリアに感度の高い顧客を持つ家具店をターゲットに、売上を伸ばしていきたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。