ものづくり補助金平成24年度岡山県

NC工作機械メーカー、材料供給メーカー等と共同開発した「NC複合自動旋盤」の導入による新たな事業分野への進出及び雇用の創出

有限会社南野製作所

成果1本あたりの加工時間 59分→13分

この事例のポイント

  • 主要取引先の農機具メーカーが生産拠点を海外へ移す流れがあり、新規分野を開拓する必要があった。
  • 空気圧シリンダー部品は気密性を確保するため非常に高い加工精度が求められ、微細なキズがつかないよう材料搬入から納品まで厳密な管理が必要だった。
  • 1本あたりの加工時間 59分→13分。安定した品質で量産できる体制が整い、空気圧シリンダーメーカーから正式な受注契約を獲得できた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社南野製作所
所在地岡山県 倉敷市
業種生産用機械器具製造業
技術分野高機能化学合成
従業員数27人
資本金300万円
設立1955年

事業の背景

創業以来、主に農機具・建機部品の切削加工を手掛けてきた。主要取引先である農機具メーカーの生産拠点が海外にシフトする流れとなり、新規分野の開拓が必要になった。営業活動の結果、空気圧シリンダーメーカーからシリンダー部品の引き合いを得た。これまでも類似製品を受注・製作していたが、材料の切断加工は自社でできず、切断済み材料の支給を受けていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信主要取引先の農機具メーカーが生産拠点を海外へ移す流れがあり、新規分野を開拓する必要があった。
  • 生産能力空気圧シリンダー部品の材料切断を自社で行えず、空気圧シリンダーメーカーから切断済みの材料の支給を受ける必要があった。
  • 生産能力既存設備では工程数が多く手間がかかり、打ちキズによる不良も発生しやすかった。
  • 生産能力小ロットでは対応できていたが、まとまった受注を継続的に得るには設備を拡充し量産体制を整える必要があった。

やったこと

空気圧シリンダー部品は気密性を確保するため非常に高い加工精度が求められ、微細なキズがつかないよう材料搬入から納品まで厳密な管理が必要だった。この加工技術を確立するため、工作機械メーカー等とともに試作研究を重ねた。その結果、当該部品加工専用のNC複合自動旋盤を開発・導入した。併せて、この自動旋盤に原料鋼材を供給する材料供給機も導入した。新規設備は材料の切断を含め、NC旋盤、マシニングセンタ、ポリゴン、転造にわたる多数の工程を自動で一度に行えるようになった。

新しい製品・サービス:空気圧シリンダー部品

事業の効果

  • 1本あたりの加工時間 59分→13分
  • 受注点数 20点→50点

安定した品質で量産できる体制が整い、空気圧シリンダーメーカーから正式な受注契約を獲得できた。自社で切断加工ができるようになり、鋼材メーカーから直接材料供給を受けられるようになったため、取引先の手間も省け、加工賃を得られる双方にとって良い結果となった。品質、コスト、納期管理でも高い評価を受け、受注点数は当初予定を上回った。その他の製造拠点にも紹介され新たな取引が始まり、農機具・建機以外に空気圧シリンダー部品という新たな事業の柱を確立できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性品質・コスト・納期で高い評価を受け、当初約20点の受注見込みが50点に増えたと書かれており、競争優位の根拠が具体的に読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決切断工程を含む多工程の手間や打ちキズ不良という課題を認識し、NC複合自動旋盤で加工時間を13分から59分に短縮した点が読み取れる。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標1本あたり加工時間の短縮は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。受注増の実績は実現可能性の裏付けとして読める。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用農機具メーカーの海外シフトで新規分野が必要になったとあり、地域の雇用や波及効果への言及はわずかにうかがえる程度。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    農機具・建機部品の切削加工から空気圧シリンダー部品へ新規分野を開拓したとあり、既存事業との関連は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    品質・コスト・納期で高い評価を受け、当初約20点の受注見込みが50点に増えたと書かれており、競争優位の根拠が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    切断工程を含む多工程の手間や打ちキズ不良という課題を認識し、NC複合自動旋盤で加工時間を13分から59分に短縮した点が読み取れる。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1本あたり加工時間の短縮は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。受注増の実績は実現可能性の裏付けとして読める。

  • 事業を進める体制3

    メーカーと共同で試作研究を重ね専用機を開発したとあるが、人材や事務処理体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    気密性を要する高精度加工が求められる空気圧シリンダー部品に対応でき、正式受注や他拠点への取引拡大につながったと読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    試作研究を経て専用設備を導入し、受注拡大につなげた流れは読めるが、スケジュールや中長期の検証内容は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    空気圧シリンダー部品の高い加工精度が求められる点は読めるが、分野の普及度や高価格化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    農機具メーカーの海外シフトで新規分野が必要になったとあり、地域の雇用や波及効果への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果4

    加工工程を一度に自動化し1本あたり加工時間を13分から59分に短縮、受注点数も約20点から50点に増えたことが数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    自動旋盤による工程集約は生産技術の進化といえるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    岡山県倉敷市の地域企業であり、新事業柱の確立と雇用創出に触れているが、地域特性を活かした記述は薄い。

今後の展望

社員全員が意欲をもって働ける会社を目指し、社内で意見交換の機会を設けるなど環境改善に取り組んでいる。産休・育休制度などを整備し、女性の活躍をさらに期待したいとしている。技術力とともに人と人との信頼関係を大切にしていく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。